入院・検査。       15,01,16

    釣り船の船上で急性心筋梗塞に襲われ、緊急入院して一命を取り留めたのが
   2011年12月10日だからあれから丸3年になる。緊急手術をした同じ日に北朝鮮の
  金正日総書記が急性心筋梗塞で急死したとテレビで大々的に報じられた。
  執刀医は「向こうは運が悪く貴方は運が良かった。」とつぶやいていたのが
  忘れられない。

   
「もう少し発症が遅れて船がもっと沖に出ていたら・・」とか「仲間の機転が悪く船
   の帰港が遅れていたら・・」とか「救急車を岸壁に呼んでいなかったら・・」とか、いく
   つかの幸運と仲間の機転に救われて、発症わずか1時間後に病院の手術台に乗
   る事が出来たのだった。

    致死率30%といわれるこの病気は一刻も早い処置が生死を分ける。金正日総
  書記と私の生死を分けた間一髪の差は幸運と仲間の機転だった。
仲間に救わ
   れた命だから仲間に感謝して日々を大切に過ごしたいと常々思っている。

    術後の経過は順調だったが、1年後再び狭心症で緊急入院して手当てを受け、
   その後は比較的安定して投薬と軽い運動(朝の散歩やプールでのウォーキング)
   をしながら元気に過ごしている。

    昨年に引き続き、今月14〜16日、1年ぶりに2泊3日の入院・カテーテル検査を
   受けてきた。カテーテル検査は今度で4回目だが、何度受けても気持ちのいいも
   のではない。煌煌と蛍光灯が照る手術室の真ん中にある手術台に乗せられる。
   屠所に引かれる羊の心境になる。主治医と助手、血圧や心拍数をチェックする
   助手、合わせて5人、白衣を着て連携して忙しそうに声をかけ合っている。

   いよいよ開始。局部麻酔で手首から心臓を取り巻く冠動脈に細い管(カテーテル)
   を挿入し、造影剤を注入して血管の梗塞部と壊死している心臓組織の周辺の血
   管の働きを調べる。時間はおよそ1時間。造影剤を注入すると一瞬心臓から内臓
   あたりがカアーッと熱くなるがほどなく収まる。

   私の冠動脈には心筋梗塞を起こした場所にステントが挿入されていて、さらに他
   の部位にも局所的な梗塞が認められているが、検査の結果では1年前の状況か
   ら変化がなく安定していると結果良好の診断を受けた。医者の口から何が飛び出
   すか不安だが、モニターテレビを見せられて「良好」と告げられるとホッとする。
   これは万人が経験していることだ。朝昼夕で9種類飲んでいる薬も1種類減らして
   8種類になったし、年1回のカテーテル検査も当分はやらないと診断された。ただ
   し今続けている1時間強の朝の散歩は続けること、体重と血糖値のコントロール
   を欠かさず動脈硬化に気を付ける事との補足があった。

    長女が車で迎えに来てくれ晴れ晴れとした気持ちで退院した。今日は奇しくも
   長女の○○歳の誕生日。孫2人も入れてささやかな退院祝いと誕生祝をした。
   正にささやかそのもの、孫の希望で葉山随一と評判の蕎麦屋に行き、孫の好き
   なざるそばと天婦羅盛り合わせを食べた。驚くことに5歳の孫はざるそばのお代
   わりをする健啖ぶりで、店の女主人も笑いながら「2枚も食べる子供はそうはいな
   い」と孫を褒めてくれた。

    心臓に太鼓判を押されたので今年1年、心も晴れやかに無理をせずに過ごして
   いくつもりである。