運転免許証更新。     16,09,20

   先日葉山警察に行って運転免許証を更新した。満70歳になると運転免許証を更新
  するには「高齢者講習」を受講しなければならず、満75歳以上の高齢者は、「認知症
  検査」と「高齢者講習」の2つを終えてから警察で更新手続きをしなければならない。

   私はすでに認知症検査を終えているが、その結果は68点という成績だった。「記憶
  力・判断力にやや衰えがある」との診断だったが、気にせずに指定された日にちに
  横須賀のドライビングスクールで次の「高齢者講習」を受講した。

   受講する高齢者が20人ほどいたが、指導員から名前を呼ばれた15人ほどが第一
  陣として別室に入っていった。残されたのは私を含めて4人だけで、この4人は別の
  部屋に案内された。何故かユダヤ人がドイツ兵にガス室に連行されるようないやな
  予感がした。

   指導員の説明では、先程の10数名は2時間講習で、我々4人は3時間講習だという。
  不審に思って聞いたら、先日の「認知症検査」の基準点(合格点)が75点で、それ以
  上の点を取った人は2時間講習で済み、75点以下は3時間講習だという。

   満天下に恥をさらすようだが、つまり私は68点なので75点という基準点を取れなか
  った不合格者グループという事になる。何ともみっともない惨めな気持ちになったが
  致し方ない。

   第一分類と称される病院での医者による認知症検査を免れただけでも良しとすべ
  きだろう。もっとも、囲碁をたしなむ人は認知症にならないというから、私は多分認知
  症には無縁であろうと高をくくっている。

   「高齢者講習」は、DVDなどによる映像講習と運転実技指導の2時間で、3時間講
  習はさらに実技に関しての個人指導が1時間追加される。これはしごく有難いことで、
  じっくりと私の運転実技の良し悪しについて指導員と話し合うことができた。

   指導員の評価は私の運転はほぼ満点だが、一つだけ、車庫入れをするため車幅
  程度に狭い路地に直角に左折侵入するときに少し膨らんでから左折したのはダメで、
  鋭角に曲がれと指摘された。

   指導に対して素直にお礼を言ったものの、これには少し異論があるので反論した
  が、何せ相手は教習所の指導員。ご存知の通り指導員とは概ね強圧的で、上から
  目線でものを言い、感じが悪いのが通り相場だから反論は適当に切り上げた。

   イタチの最後っ屁で、「少し膨らんだのは道交法の第何条違反ですか?」と聞いた
  が答えはなかった。あるはずはないし、パトカーにつかまるはずもない。後続車や
  前方のすれ違い車などに気を付けて左折するのは至極当たり前で、要は程度問題
  の話だ。鋭角に左折して人の巻き込み事故を起こしたり、車の損傷、脱輪などこそ
  防ぐべきだろう。

   実技で私と一緒に同乗した男性は昭和8年生まれで86歳。高台に老夫婦で住んで
  いて奥様が車で買い物などをしていたが、昨年病気で倒れ、以来10年も運転してい
  なかったペーパードライバーのご本人がやむを得ず運転を再開したのだという。

   まったく運転に自信はないと悲観していたが、案の定実技では失敗の連続だった。
  しかし自分が運転をしないと生活に支障をきたすという。身につまされる話だった。

   かくして満82歳の私の免許証更新は完了した。次は3年後の満85歳だが、多分今
  回が最後の更新になると思う。(命があればの話だが・・・)いよいよ終末が近い。