骨折。       
16,11,11

   先日カワハギ釣りに行って竿先を折損した時のHPの最後を、次のように締め括った。

  「釣りには思わぬ不慮の出来事がままある。命に係わる事故もままある。特に高齢者
  に不慮の事故がよく起きる。私も高齢者。海釣りは怖いことを改めて肝に銘じた竿先の
  折損事故だった。」と。

   早くもその不慮の事故が起きてしまった。不名誉にも船中で尻餅をついて背中を船べ
  りの椅子に強く打ってしまい、左背中のろっ骨を骨折してしまった。顛末は次の通り。

   暫らくタイにはご無沙汰しているので、釣友会会長のSさんと示し合わせて、彼の知り
  合いの城ケ島・通り矢の船宿を確保した。4人纏まれば仕立てにしてくれるというので、
  学生時代の友人S君と、会社の釣り仲間のS君を誘ったら喜んで加わったのでなんと
  か4人そろった。彼ら3人はそれぞれ初対面なので、朝待ち合わせ場所のコンビニに
  集合した時に私から紹介して船宿に向かった。

   予報では寒波が来ているというのでダルマの様に重装備をして乗船した。この所2〜
  4キロのタイが上がっているというので期待をしていたが、不運にも遂にタイは姿を見
  せず、イナダ、アジ、サバしか釣れてこない。昼飯を食べて小用を足した直後にアクシ
  デントが起きた。

   釣り座に戻ろうと歩き出したとき、突然波で船が揺れ、バランスを崩してしまってよろ
  よろと尻餅をついてしまった。運が悪く釣り座の椅子の角に背中を嫌というほど打ち、
  異様な痛さに息が出来なくなった。暫らくそのまま座っていたが痛みは強くなるばかり
  で一向に収まらない。何とか元の椅子に戻ったが、到底釣りを続ける気にはならず、
  やむなく昼過ぎに1人だけ釣りを断念して見物に廻った。

   何とか帰宅したが痛みがひどいので、家内同伴で町内の整形外科に出掛け診察を
  受けた。レントゲン撮影の結果は、左背中の肋骨骨折で全治3〜4週間だという。

   医者は肋骨だったから不幸中の幸いで、もしも背骨だったら大変な事だったという。
  たしかにそうだ。背骨だったらもしかした半身不随もありえた。転んだとき咄嗟に左手
  で何かを掴んだ気がする。私は利き腕が左利きなので左手で無意識に庇ったから左
  背中の肋骨を打っただけで済み、背骨は避けられたのだろう。

   船が6人乗りと小さいので波で横揺れが激しかったことや、ダルマの様に着ぶくれし
  ていたのもバランスを崩した一因だと思うが、足腰が弱くなっているのが最大の原因だ。
  最近は釣りの時には用心を重ねていたのだが、もっと用心しないといけない。もうすぐ
  80歳なのでそろそろ船釣りを卒業するのも近いのかもしれない。寂しい事だ!

   シップを張り痛み止めの薬を飲んでいるが、しゃがむのも歩くのも苦痛だし、くしゃみ
  や鼻をかむのも辛いし、寝起きは家内に手伝ってもらわないと出来ない。情けない。

   3週間は静養に努めて、釣りもゴルフも朝の散歩も控えねばならない。翌日、釣り仲
  間とゴルフ仲間から早速見舞いのメールと電話があり、今月予定していたゴルフと釣り
  と文化財探訪のすべてを不参加にした。

   やることがないので一日中炬燵で温まってテレビで米国大統領選の開票速報を見
  続けた。お蔭で色々物識りになったが、知らず知らずにポピュリズム一色のマスコミ
  に毒されている自分自身に気がつき危うさを痛感した。世界の潮流の変化を見る眼
  が曇っているのにハッと気が付いた。まるで戦時中に大本営やマスコミに洗脳されて
  大日本帝国の勝利を信じた国民と同じことだ。これについては改めてミミズが戯言を
  語るだろう。