新春雑感。 22,01,31 早いもので、あっという間に今年もひと月が過ぎてしまった。挨拶が遅れましたが、 今年も拙いHPを宜しくご愛読ください。 さて、いささか旧聞に属するが、例年2月か3月に一度だけ葉山にもドカ雪が積もる 日が来るのだが、今年は早々と1月6日に初雪が降った。我が家の木製ベランダも ご覧のとおりで、風情のある初雪の景色になった。 正月は子供たち家族がばらばらに我が家を訪れ、応対に結構手間暇がかかった が、ようやく落ち着いた日常が戻った。 長女家族4人と餅料理を食べ百人一首をして正月気分を味わい、次女夫婦とは 葉山の中華料理店で正月の会食をした。猛威を振るうコロナ禍をみんな何とか しのいで暮らしているようだ。 いい事ばかりではない。12月から血糖値が急上昇して医者から厳重注意をされ 強い薬を追加処方された。(A!Cが7,3→8,5まで上昇) 血糖値対策として歩くことは腰痛でままならないから、当分は粗食・節食に耐え ねばならない。味気ないことだ。 毎日血液サラサラ剤やら血糖値やら便秘薬やら10種類の薬を朝昼晩の食前食 後に飲み分けているので、薬漬けの毎日になっている。 追い打ちをかけるように長年だましだまし堪えてきた下の歯の前歯がついに寿命 が尽きて、下の歯を4本も抜歯する羽目になった。 歯槽膿漏が進行していて歯の根が既に歯ぐきから離れているので、辛うじて止め ているブリッジを外すとポロリと歯が取れた。痛みは全くない。 上の歯は前歯を含めて奥歯までとうの昔から入歯なので、遂に残っている自前の 歯は上が奥歯5本、下が奥歯4本の合計9本だけになってしまった。 作った入歯のかみ合わせがうまくいかず、歯茎に当たって痛くて噛むことができ ない。入歯が安定するまでしばらくは修正を繰り返すので、その間お粥などの流動 物しか食べられず、お陰で体重が2㌔以上痩せてしまった。 噛めないので唾液の分泌が少ないからだろう。食欲がなく、食も細くなり、胃痛が しばしば起きる。健康な歯はまっとうな食欲の母である。体はよくできている。 痛みをこらえて食べ物を噛むのは何とも苦しい。歯の痛みは本人しか判らないと よく言われるが、上下の入れ歯が痛くて噛めない苦痛も本人しか判らない。 池波正太郎の「銀座日記」を読んでいると、彼は入歯で苦労して日大歯科病院に 1年以上も通い続けてようやく満足な入れ歯になって旨いものを食べられるように なったというから、私も当分は辛抱強く歯医者通いをするしかない。 老人は食べる楽しみを取られたら生きている楽しみがない。無造作に食べ物を噛 んでいた昔が当たり前のことだったなんて今にして思えば昔の夢。もう昔には帰れ ない。五体健全が当たり前だと思っていたら大間違い。苦しい現実に直面している。 知人のH氏から毎年届く年賀状がなぜか今年は届かなかった。去年の年賀状には 肺気腫にかかって苦労しています、と添え書きしてあったので気がかりなので電話 したら電話番号が消去されていた。奥様もすでに亡くなっていて連絡の取りようも ない。 数日後に息子さんから、昨年6月に父は亡くなりましたと事後通知のハガキが届 いて吃驚した。氏は義父の勤め先の部下であり義父が仲人をしたので昵懇の間柄 だった、ゴルフが上手でシングルプレーヤーの彼とはよくご一緒した。 義父の1周忌かなにかで弔問に来てくれたのがお会いした最後だから、かれこれ 20年以上前からお会いしていない。 例年の私からの年賀状には、「いつかゴルフを教えてください」と書き、彼からは 「釣り名人とご一緒したい。」と書かれていたが、遂にそれもかなわなかった。 こうして次々に親しかった友とのお別れが来る。寂しい限りだ。 古今東西、お別れが来るのは必然なのだが、人間は悟ったと思えば煩悩に悩み、 悩んだと思えばいつの間にか悟っている、何とも不思議で厄介な動物なのである。 『 しかし、人間というものは実によくできている。 死ぬときのことを考えていた翌朝、暖かい飯と、熱いみそ汁と、好物の焼きのりを 口に入れた瞬間に、「生きていることの幸福」を感じるようにできているからだ。〛 ー池波正太郎 「食卓の情景」よりー 飯をうまいと感じるためにも早く入れ歯を直さねばならないと思う。 腰痛対策のリハビリは何とか続けている。まだまだ痛みは残っているが釣り仲間 が近いうちにヒラメ釣りに行こうと誘ってきた。まだ自信はないが思い切って出掛 けてみようと思っている。 釣り仲間たちが病み上がりの私を助けてくれるというので少しは安心している。 昨年の6月以来の釣りなのでどんな結果になるのだろう。痛みが再発しないだろう か。不安と期待がないまぜの心境である。 |