結婚記念日の小旅行。  12,12,20

   昨日の12月19日が41回目の記念日なので、ささやかな箱根1泊旅行をしてきた。
  珍しく孫2人が、「一緒に行きたい。パパママがいなくても平気。」というのでジジババ
  は心配したが、4人だけの初めての楽しいドライブ旅行となった。孫はリュックサック
  にお菓子や遊び道具を一杯入れて嬉しそうに車に乗り込みはしゃいでいた。

   泊まった強羅のホテルは以前損保ジャパンの役員の宿泊保養所だったのを旅館
  に改装した所。経営している四季倶楽部はこうした宿泊施設を全国で30個所も持っ
  ていて、格安の全国統一料金で宿泊できる人気の宿だ。

   バブル崩壊後、多くの企業は自前の保養所を持ち切れず、売却もできずに持て余
  しているのに目をつけ、これを片っ端から安く借り受けて、従業員は2〜3人で全て
  セルフサービスとしてコストを引き下げ、その分格安料金で宿泊施設として提供する
  のがビジネスモデルになっている。

   企業は保養施設の維持費が掛からないので喜ぶし、四季倶楽部は儲かるし、儲か
  らない施設は即企業に返却する仕組みになっているらしい。つまり固定資産を持た
  ない上手い商売をしていることになる。三菱地所の社内のベンチャー事業としてスタ
  ートして今日に至っている。

   箱根にはこうした施設が9か所もあるが、この日の宿が最も人気が高く、なかなか
  予約が取れない。なるほど泊まった部屋は12畳と8畳の和室の小奇麗な続き部屋
  に4畳ほどのテーブル付きの洋間、広い洗面所とトイレがありまるで高級旅館なみ。
  夕食も豪華でこれで大人1人1万円もしないからやはり安い。しかし、やはり館内の
  レイアウトや風呂などには、どこかに企業の保養所の匂いがあり、この手の宿泊所
  の雰囲気には比較的敏感な私には、この施設の前身が容易に想像できた。

   この旅行で孫の楽しみは、箱根園での雪遊びと水族館。急造の小さなゲレンデで、
  そりで何度も滑り降りたり雪だるまを作ったりして喜んでいた。孫2人が夢中で遊ん
  でいる姿を見ているだけでジジババの結婚記念日が役に立ったというもの。部屋に
  帰りトランプやかるたをして、遊び疲れて風呂上りの布団の中でババに絵本を読ん
  でもらいぐっすりと眠ったらしいが、その前に疲れ果てた私は布団に潜り込んでしま
  ったので確かなことは知らない。気が付けば隣にあどけない孫の可愛い寝顔と小さ
  く握った手があり、布団を蹴飛ばして足を私の顔に乗せてくる。無性に可愛くなった。

   箱根園を出発して芦ノ湖から仙石原あたりで小雪が降り始め、途中で吹雪になって
  運転が厳しくなったが、何百回と通い慣れた箱根だし、冬の箱根の危険場所や道路
  に精通しているので何とか無事に通ることが出来た。なにせ大事な孫を預かっている
  ので万一のことがあってはいけない。慎重にも慎重を期した。翌朝、強羅からの急な
  坂道を下りるので道路の凍結を気にしながら安全運転に心掛け、楽しい旅を無事に
  終えた。心配した孫たちだったが、パパママ恋しさで泣き喚くこともなく、存外さっぱり
  したものでいい思い出を作ったようだった。来年の42回目はどうなるのだろう。元気
  で迎えられるだろうか。


    箱根旧道、甘酒茶屋。

 この茶屋は江戸初期に開業した
 というから400年の歴史がある
 名物茶屋で、侍や町人が箱根
 越えの途中ここで甘酒を飲んで
 1服したのだろう。

 我々も名物の甘酒ときな粉モチ
 とおでんを食べて一休みをした。