神田〜御茶ノ水周辺散策。  14,10,25

   末娘と婚約者が双方の親の顔合わせの会食を計画してくれて、お茶の水駅近くの
  「山の上ホテル」に集まった。お互い家族初めての顔合わせなので少々ぎこちなかっ
  たが、すぐに打ち解けて和やかな談笑となり、ホテル自慢の天ぷらを美味しく頂いた。

   なにせ若い二人が年寄りの為に奮発して勘定の全てを払ってくれるというので、心
  苦しい思いだったが遠慮なく甘えることにした。年寄りの出番は次第になくなりもう若
  い人達の時代だとしみじみ感じられた。良い昼食会だった。

   このホテルは明治大学の裏手にある目立たないが都心とは思えぬ閑静なたたず
  まいの古いホテルで、文筆家が執筆の為によく利用するようだ。

   食後三々五々別れて神田駅から御茶ノ水駅までぶらぶらと街並みの散歩を楽しん
  だ。神田須田町、淡路町の細い路地に入ると老舗の商店街が並び、池波正太郎ご
  贔屓の蕎麦屋や天ぷら屋が粋な店構えで店を開いている。この辺りは古い明治らし
  い下町の香りがわずかに残っている。

   昨年2月の火災で半焼した老舗そば屋「神田やぶそば」がこの10月に1年半ぶりに
  営業を再開したので立ち寄ってみたが、なんと敷地を半周する1時間半待ちの大行
  列ができていて警備員が交通整理をしていた。勿論待つ気がないので通り過ぎて
  小川町に向かった。

  
     

   小川町から神保町まで歩くと古本屋が軒並み店を開いている。丁度今は古本市を
  やっていて店の前に露店が並び古本を格安で売っていた。古書マニアらしき初老の
  男女が熱心に古書を漁っていた。

   特にお目当てがある訳でもないので漫然と陳列棚を見ていたら、突然家内が「いい
  本を見つけた」といって小倉百人一首の解説本を手に取って見せてくれた。実は何
  となく自分も百人一首の本を探していたので、先を越されたと思ったがそこはやはり
  夫婦、以心伝心とでもいうのだろうか。最近我が家では孫達を入れて百人一首をほ
  ぼ毎週やっているので、上達の為にそれぞれ皆秘かに努力をしている。孫2人の上
  達が著しいので大人は抜かれないようになかば本気で戦っている。

   かねがね子供は「百人一首」と「囲碁」を覚えれば学校の勉強などは何とでもなる、
  という無責任な極論を持論にしているので、孫の上達は実に喜ばしい事である。

   神保町から御茶ノ水駅までの道すがら、衣料品の量販店で家内のザックを、靴の
  量販店で同じく家内のウォーキングシューズを買い求めた。ザックも靴も来月初旬に
  予定している黒部峡谷・神通峡の紅葉見物のための準備だが、それぞれブランド品
  なのに思ったよりも格安感がありお値打ち品らしい。

   今朝出発前にいつものように朝の散歩をして8000歩歩いたので、この日の神田駅
  周辺散策を入れるとおよそ20000歩に及ぶ。若干は疲れたがそれでも腰痛もないし
  苦痛も感じない。むしろ心地よい疲れである。

   7月以来欠かさず朝の散歩をし、食事を控え、酒を断っているので効果てきめんで
  ここ3か月で3キロも減量している。糖尿の数値も著しく改善(A1Cが7,8→6,3)して
  医者と看護師にその努力を褒められて気分を良くしている。
   ”サルもおだてりゃ 木に登る。”  おだてに弱いいとも単純な老人なのである。