春の珍事。   18,02,15

  大流行だと聞いてはいたが、人生初めてインフルエンザに罹ってしまった。
 風邪とインフルエンザはウィルス菌が根本的に違うということすら知らなかった。

  罹患した心当たりは一つしかない。先週の第2木曜日の7日は新横浜の碁会所
 でのいつもの天狗会。3勝1敗の好成績の余韻を楽しむため、逗子の行きつけの
 居酒屋で、独りで軽く祝杯を挙げてご機嫌で帰宅したが、バスの中で居眠りをして
 バス停を乗り過ぎてしまい、30分ほどホロ酔いで夜道を歩いて帰宅したのが唯一
 の心当たりである。

  感染したのは碁会所か、帰りの電車か、駅の人込みか、居酒屋か、はたまた
 バスか、乗り過ごしの夜道の風か、そのいずれかであろう。兎に角翌日から微熱、
 咳、悪寒、のどの痛みがあり、二日ほど風邪薬を飲み様子を見たが、さらに悪化
 したので病院に行った。

  病院は風邪の患者で超満員。3時間も待たされて、ようやく呼ばれて診察室に
 入った。検査方法は、綿棒のような針金状の検査棒を鼻の中の奥深くまでに差し
 入れて粘液を塗りつけて取り出すのだが、その苦しさは尋常ではない。

  耐え切れず大きな声を上げて苦しがったのを、看護師や家内に制止されて恥ず
 かしかった。子供たちも大人もみなこの苦しさに耐えているのだろうか。

  粘液を取り出して2~3分ですぐ結果が出る。検査の結果は、インフルエンザ
 A型と判定された。予防注射をしていたのに何故と医者に聞いたら、予防注射な
 ど金儲けだけであんなものは効かないよ、と乱暴だが適切らしいご託宣であった。

  特効薬と評判の「タミフル」を渡され、毎食後1日2回服用し、全治1週間、5日間
 は外出を控えて自宅静養するようにと言い渡された。お陰(?)で丸々1週間、食
 欲もないので果物やおかゆなどの軽食にとどめ、いつも飲んでいる心臓と糖尿
 の薬に加え、タミフルを欠かさず飲み、1日中TVでオリンピックを見て、PCと向き
 合い、寝そべって軽い本を読み、釣りの誘いを断って、のんびりかつ退屈極まる
 病気静養をすることになった。

  私から病気を移された家内も私同様、タミフルを飲み外出を控え、一緒に「ウン
 ウン」うなって床に臥せた。とんだ1週間だった。

  1週間が経過し、ようやく快方に向かったので、待ち焦がれていた学友から
 早速誘いがあり、喜んで横浜に出かけた。3時間ほど麻雀屋で時間をつぶして
 から、軽く蕎麦屋で全快祝いをした。久しぶりの野毛の散歩道は春の訪れを感
 じさせた。春はもうそこである。