箱根の紅葉。    16,11,19

   箱根は今紅葉の真っ最中である。骨折と腰痛で悶々として一日中家の中
  でじっとしているのが退屈で、少しはリハビリを兼ねて歩くのも良かろうと思
  い、車で紅葉見物に出かけた。箱根までは1,5時間で行ける。

   今箱根の紅葉のスポットは、箱根美術館の庭園、強羅公園、ガラスの森、
  などだが、まず箱根美術館に決めて入場した。平日なのに行楽客で混雑し
  ていた。秋日和とでもいおうか雲一つないポカポカ陽気で、リハビリを兼ね
  た庭内散歩には絶好の行楽日和だった。

   「箱根美術館」は箱根で最も歴史のある美術館で、昭和27年に箱根強羅
  に岡田茂吉が開館し、主に鎌倉・室町時代に製作された六古窯の壺や甕な
  ど、縄文時代の土器から江戸時代までの日本の「やきもの」を中心に展示
  されている。

   庭園は、美術館開館に先立つ昭和19年に、藤山雷太の別荘などを買収し
  て整備し「神仙郷」と命名されている。敷地内には、約130種類の苔と200本
  のモミジで彩られた「苔庭」や「萩の道」、中国風の「竹庭」があり、四季折々
  の景観が楽しめる。

   紅葉したモミジの赤と、苔の緑のコントラストが素晴らしかったので写真を
  沢山撮ったが、何分にも美的センスがないのでその一部だけをHPに掲載
  した。庭内にある「真和亭」で抹茶と和菓子を頂き、茶室から見える絶景に
  暫らく見惚れた。

   肋骨の骨折の痛みは少し安らいでいて安心したが、少々歩き疲れたので、
  他の紅葉スポットに行くのは止めて、仙石原にある私のゴルフホームコース
  「箱根CC」の近くにある立ち寄り湯「一ノ湯」でゆっくりと湯に浸かった。露天
  風呂からは仙石原の紅葉が見え、気持ちがいいのでしばらくうたた寝をした。

   体がすっきりしたので、宮ノ下の富士屋ホテルで孫に土産を買い、近くに
  ある行きつけのすし屋「宮ふじ」に立ち寄った。このすし屋はアジ丼が有名
  で、親父さんは気に入ったアジが入らないと店を開けないという頑固一徹な
  寿司職人だが、ご機嫌だと色々しゃべってくれる。

   アジは相模湾でも真鶴、湯河原、小田原近海のアジしか使わない。ほぼ
  手のひらサイズの小振りなアジで、これを4枚におろして秘伝のタレをから
  めたアジ丼は絶品で、箱根のゴルフ仲間の評判はすこぶるいい。この味に
  するのに30年もかかったと訥々としゃべってくれた。

   たまにはアジ丼以外もというので、人気メニューの中から、私は「3色丼」、
  家内は「宮ふじ御膳」を頼んだが、どちらも手頃な値段で美味かった。

   最近では私の長女夫妻と孫が時々立ち寄るらしく、店内と玄関に所狭し
  と飾ってある何千個もの大小の折鶴(親父さんの趣味)の中に、孫の作品
  が1つ飾ってあった。親父さんが気に入った客の小作品を特別に飾るらし
  いが、親父さんの目にかなったのだから孫の作品も大したものだと感心し
  た。

   久し振りの「宮ふじ」なので、ゴルフの帰りにたまには寄りなさいよ、と帰
  り際に声をかけられて満足して帰宅した。今日は良い紅葉見物だった。

   翌日医者に行った。肋骨の骨折は少し痛みが和らいできたがまだ痛い。
  そのほかに新しく腰痛が激しくなってきた。肋骨の痛みで陰に隠れていた
  のが、肋骨の痛みが引くにつれて現れてきたようだ。この治療は長引くよ、
  とは整形外科医のご託宣だ。少々悲観的になった。当分体を使う運動は
  やりたくてもやる自信がない。

   ゴルフも釣りも来年春までは我慢を覚悟しているが、小手試しに12月
  に釣りとゴルフを一度はやって回復状況を試してみたい。恐る恐る!