同病相憐れむ。     21,06,03

   私が今悩まされている体の不調は、持病の糖尿や心臓病や最近の胆石、不整脈は勿論
  だが、日常生活で困っているのは、腰痛、足のこむら返り、全身のかゆみと便秘である。
  これらはいずれも老齢に伴う体調不良でなかなか良くならない。

   先日友人のブログを見ていて思わず苦笑いをした。彼の最近の悩み事が便秘で、私の
  悩み事と同じで、ついつい苦笑してしまうほどよく似ている。

   彼の表現によれば、お通じがないと腹の中に荷物を抱えているような不安定な気分が
  続き、落ち着かない。何日も溜まると大変なことになりかねないという強迫感に襲われ、
  常にこのことが頭の中から離れない、という。

   実は私も同様に便秘に悩まされているが、便秘の時の情緒不安定な気持は彼と驚くほ
  どよく似ていて、まるで私の事を代弁してくれているほどピッタリである。歳をとると
  よく似てくる。まさに同病相憐れむである。

   2011年、今から10年前の暮れに海上で心筋梗塞に見舞われ、辛うじて命を取り止め
  てから、それまで飲んでいた糖尿の薬に加え、血液サラサラ剤やら何やら合わせて9種
  類の薬を服用するようになった。それから私の便秘は始まったように思う。

   便秘対策として医者の薬だけでなく漢方薬も服用しているがあまり効果はない。おそ
  らくこの便秘はこれらの薬の副作用ではないかと疑っている。しかし薬をやめるわけに
  はいかず困ったものだが、ようやく便が出たときには安心して一日快適に過ごせるのも
  彼と同じである。

   排便があった日にはパソコンのスケジュール表に〇印をつけるのを習慣にしているが、
  3日も〇印がない日はざらである。その間、いつ出るのか不安で落ち着かない。ようやく
  待望の便意を催したときに、今度は便秘で硬くなって浣腸でも効かない時がある。
  いわゆる糞詰まりで、こうなると最悪、みっともないことだが、苦しくて遂に家内の助
  けを借りることになる。そんな時がままあるので家内には全く頭が上がらない。

   そういえば自分が高校生の時、祖父が便秘で悩んでいて、時々浣腸をさせられたこと
  が何度かあった。顔をしかめていやいや浣腸する私に、「爺さまの看病でそんな嫌な顔
  をするな!」と叱られたものである。

   ほぼ70年たって爺様の悩みがようやく理解できる。誰も孫に尻穴の世話になりたい筈
  はない。自尊心が傷つけられる。しかし苦しいからやむを得ない頼みだったのであろう。

   友人のブログにはさらに、心身の状態を正常に維持し腸を整え、便秘を解消するには
  腸の環境を変えることが大事で、そのためには腸をリラックスさせるための3分間の深
  呼吸が有効らしい。

   理屈はよく判らないが、だまされたと思って彼のブログの通り、しばらく実践してみ
  ようと思う。藁をもつかむ心境である。そして彼が云うように、何日も溜まっていたも
  のがきれいに出た後の晴天のような爽快感が毎日続いたらこれに越したことはない。

   他に困っている事として、腰痛は長年整骨院でマッサージを続けているが、痛みが消
  えてもすぐに再発してしまうイタチごっこを繰り返している、今更完治は望むべくもない。

   皮膚のかゆみは、首筋から背中、腕や足に絶えずかゆみがあり、赤い発疹ができる。
  医者によれば、これは痒疹(ようしん)という老人特有の厄介な皮膚病で、長年皮膚科
  の調合した塗り薬を常用しているが、ステロイド剤が入っているので副作用が心配で
  ある。

   足のこむら返りが起きたり足がつるのは、1にも2にも歩くことをサボっていて筋肉
  が衰えているからに他ならない。10年程前までは朝の散歩を日課として、1時間強の
  海岸の散歩が楽しみだったが、今では散歩が苦痛でしかない。筋肉は衰えが早い。
  使わないとすぐに足がつり、こむら返りが起きる。

   最近は片道15分ほどのスーパーに買い物に行かされる。車で行きたい誘惑を断ち切
  り、休み休み、よちよち歩きで歩くことにしている。わざわざ人参一つだけの買い物
  を私に頼むのは、健康を気遣う家内の配慮である。有難いことだが、ちょっぴりは、
  「ちいさな親切大きなお世話」と思う時もある。家内の手助けを借りながらも、独立
  自尊の男気を見せたい年寄りの悲しい性である。

   T・C君 以上が最近の私の体調です。お互いに84歳。石にかじりついても長生き
  しようとも思わないが、あるがままに自然体で生きていることを楽しみたいものです
  ね。