2001/8/19
ピット潜入レポ
2001年お盆の最終日、宮島競艇場のピット見学に行ってきた。
競艇の選手は、競艇場に入ったら外との連絡手段を一切断たれ、電話もパソコンも
できない。当然、選手がウロウロしている競艇場のピットというのは、関係者以外は
まず入れない。ましてや俺のような博打アンちゃんなど、ご法度中のご法度だ。
そんなピットに、何故俺のようなトーシロー(ただし、舟券はプロ)が潜入できたか。
宮島競艇場お盆特別企画で「カップル5組にピット見学招待」というのがあった。
(※)↑このリンクの内容は、既に次の企画に移っています。
カップルでないとダメらしい。宮島競艇場さん、あれだけ金を落としてるワシら孤独な
博打アンちゃんに、あまりに冷たい仕打ちなんじゃないでしょうか?と涙ながらに
問い掛けたいのをグッと堪えて、災い転じて福となすために白羽の矢が立ったのが、
web上の知り合いのわかさんである。(一度オフ会で実際に会った事もある)
「すごい企画を見つけたよ!!ピットに入れるよ!!辻選手(わかさんのファン)に会えるよ!!
俺とわかさんの名前で応募しといていい?」と
プッシュプッシュ猛烈プッシュ。(Byスーパーヅガン)
突然ですが、ここで問題です。 ー真実はDOCCHI?ー @ピットに入る目的の為に、唯一の女性競艇ファンの知り合い・わかさんを誘った ここまでの文章では、一応<答え:@>であるかのように綴ってあるが、それが |
8/19(日)・優勝戦の日、即ち、広島県民なら知らない人はいない2大スーパースター・
西島選手と市川選手がまず間違いなく優勝を争う日である。
参考資料・広島では山本浩ニと柏村武昭の次に有名な2人 |
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そしたら、見事当選したよ。しかも、ピット見学後は来賓室(VIPルーム)の
席も確保されているらしい。
ついこの間までは屋外の水面際でフェンスによじ登って「なんしょんじゃぁあー!!」と
叫んでいた俺も、4階のVIPルームでワインを飲みつつ下界の博打オヤジを見下ろし、
「まるでありんこのようだ・・・」とほくそえむV I Pデビューである。
(↑カイジの読み過ぎ)
さて当日の朝、指定された集合場所に着いてみてビックリ。俺とわかさんのペアの他に、
あと2組しかいないじゃん!!という事はもしかして、ピット見学は無抽選だったのか・・・?
「当選しますように!!」と散々注入した念力は何だったんだ、おい!!と、係の人に
詰め寄ろうとしたものの、フと見ると案内してくれる係の人も、応募者のあまりの少なさに
心なしか寂しそうだったので、その事には触れないでおいた優しいボク。
でもまぁ、俺としては人数が少なければ少ないほど自由に行動できそうなのでこれはこれで
良かった、のかな?
競艇場内は、写真撮影は一切禁止になっている。競艇は平日にもやっており、営業途中の
サラリーマンとかがサボってちょっと競艇場に入ったりしているのだが、そういう人達は写真に
ちょこっとでも写りたくないから、というのが理由らしい。(それだけが理由ではないみたいだけど)
というようなことは競艇ファンなら誰でも知っている。そしてついにピットに潜入するにあたり、
恐る恐るカメラ(写るんです)を取り出す俺。そしたら熟年夫婦がデジタルハンディカメラを
取り出して気合い充分。
「お、よしよし。どうやらピット内では写真撮影OKになりそうだぞ」
密かにほくそえんでいると、案内の係の人がそんな俺の心中を察したように、
「写真はどんどん撮って頂いて構いませんよ。ただ、選手は整備などでピリピリしているので、
話し掛けないで下さい」
「話し掛けなければ、選手も撮っていいんですか?」
「どうぞどうぞ」
よしよし。とほくそえみつつ、いざピットに凸入。
おー!!大レースのテレビ中継の「ピットレポート」の景色と同じだ!!(当たり前)
うわ、選手が一杯いるよ!!
プロペラ叩いてるの、初めて見た!!
うわぁうわぁとウロウロしてたら、広島の一流選手の1人、島川光男選手がエンジンの
調整をしている。ツーショットを撮りたいところだったのだが、
「選手に話し掛けないで下さい」と 言われていたので、話し掛けずに モーター整備中の島川選手を 至近距離からパチリ。 でも、こんな近い所から何も言わずに シャッター切る方が逆に失礼なんじゃ ないか?との疑問が頭をかすめる。 |
その後もウロウロするも、「知ってる選手がいないなぁ」と思ってたら、大好きな
亀本勇樹選手が水面から上がってきた。
「亀本だ、亀本だ!!ツーショット、撮りたいなぁ」
と思ってたら、あらビックリ。
実はこの「ピット見学」っての、初めての試みだったらしく、よって選手の方も、ピット内を
お客さんがウロウロしてるのがとても珍しかったらしい。更に、元来サービス精神旺盛な
亀本選手。なんと、亀本選手の方から俺達に話し掛けてくれた。
「今日は見学ですか。ピットの中はどうですか」
「うわ、亀本勇樹さん、大ファンです!!」
↑全然、質問の答えになってない。しかもフルネームで呼んでるし。
「あ、どうも(笑)」
「1000勝、おめでとうございます」
↑昨日通算1000勝を達成したのをちゃんと知ってることをアピール
「その後がダメだったけどね」(フライングを切ってしまった)
「すいません、一緒に写真撮って頂けますか?」
「あー、はいはい」
いや、ほんとニコニコして 凄くいい人だったよ。 前から好きな選手だったんだけど、 更に大好きになりました。
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次にやってきたのが、俺とわかさんの2人とも大好きな辻選手。
辻選手、いっとき前までは全国的には無名選手だったのだが、俺は当時からその実力に
目をつけ、おいしい舟券を何度もとらせてもらった。はっきし言って、辻は俺が育てた
と言っても過言ではない。
思わず「あ、辻栄蔵だ!!」と フルネームの呼び捨てで(しかも大声で) わかさんに教える俺。 とりあえず整備もしてなかったし、 2ショットをお願いして快く撮ってもらいました。 |
「辻くん、キミは必ずSG(大レース)を獲れるよ、俺が保証する!!」
などと激励の言葉でもかけようかと思ったが、さすがにトーシローに言われても
嬉しくないどころか、逆にムカつかれそうなので、
「がんばって下さい」と無難にまとめた俺。
そしたら辻選手も昨日フライングを切っていたので、「もう終わってるけどね(笑)」だって。
写真見てもらったらわかると思うけど、気さくないい人でした。
さらにウロウロしていたら、遂に出ました、市川哲也が!!
つむごんと市川の因縁についてご存知ない方は、ココを見て下さい。
(既にさんざんご存知の方は、うんざりしないで下さい。)
市川選手、たった今スタート練習を終えて モーターの取り付けを調整している模様。 市川は今日の優勝戦に出場するので、 すごく真剣です。オーラが出ていて 近づけません。俺が2の足を踏んでいると、 熟年夫婦が行った!! |
おー、市川に声をかけて仕事を中断させ、2ショットを撮っています!!
しかし市川、みるからに不機嫌そうです!!(そりゃ、仕事を邪魔されてるんだからな)
でも熟年夫婦がお互いの2ショットを撮った今しかチャンスはない!!
作業に戻った市川におもむろに駆け寄り、
「すみません、僕達とも写真撮って頂けますか・・・?」
消え入りそうな声で頼むと、まぁさすがにイヤとは言われずに作業をやめて並んで立って
くれたけど、明らかに面倒くさそうだった・・・ スンマセン・・・
ほんと、真剣なお仕事中に
大変申し訳ありませんでした。 でも本当にありがとうございます!! この写真は僕の生涯の宝物です!! もはや我が生涯に一片の悔い無し!!(マジ) |
ついでに市川がいなくなった後にボート
(しかも賞金王と同じ3号艇!!)とも 2ショット。 ボートに触ったりして怒られないか ドキドキしているつむごん→ (本当は乗ってみたかったけど、さすがに自粛) |
その後、プロペラを叩く市川を至近距離からパシャパシャ撮りまくる。
いや〜、やっぱマジでカッコいいなぁ。ここで再び高らかに宣言します。
俺は市川となら寝てもいい!!(マジ)
ところで俺とわかさんは30分ほどピット内をウロウロしていた訳だが、今日俺達が
来ている事を知っていて観察している方がいた。
宮島競艇フリークス管理人・モン太さん(宮島競艇場の職員の方)である。
実は今回のピット見学企画も、モン太さんが掲示板で「こんな企画があるよ」とリンクを
張っていたから知ることができたのだ。その大恩あるモン太さんに一目会ってみたく、
「僕とわかさんがピット見学に行くので声をかけて下さい」とメールを出しておいたのだが、
誰も声をかけてくれなかったので、
「モン太さんは、ピット周辺の職員の方ではないのかな?」と思っていたら、
後にモン太さんの掲示板で
「遠くからつむごんさんとわかさんを見てましたよ」だって。
ひぃ!!そんなこと言わずに声かけて下さいよ!!
このピット見学企画、今回が初めてだったらしいけど、今後もどんどんやるといいな。
今回の参加人数のあまりの少なさで、もうなくなったりしたらどうしよう・・・
ここはモン太さんの力でもって、ピット見学企画の定番化をお願い致します。
さて、実はこの日、格闘探偵団・バトラーツというプロレスも来ていた。競艇場で
プロレスである。このミスマッチがなかなかいいでしょ?で、一応見にいってみたのだが、
このバトラーツ、パンチ・キック・タックル・グラウンドでの間接技ばかりで、派手な空中殺法・
ブレーンバスター等の大技・ましてやロープにふったり、場外乱闘・凶器攻撃など全然やらない。
玄人好みなのかもしれないが、この日の観客は基本的に競艇の玄人なので、
あまり盛り上がっていなかった。
試合中のわかさんの
「これって、どう反応すればいいの?」
という疑問に全てが集約されているだろう。
次はぜひ、プロレス素人でもわかりやすいのがいいな。(ブッチャーVsザ・シークとか)
VIPルームはすごかったよ。皮張りのふかふかの椅子・快適なエアコン・ゆったりした
机のスペース・そして前面ガラス張りで水面が実に良く見える。だが、しかし。
この上流階級のムードが俺の闘争心を奪ってしまったのか、朝から1コも当たんねぇ!!
そうするうちに第10R、第1ターンマークを回って5−3体型。しかし3のすぐ後ろに4が
詰め寄ってきている。俺は5−3も5−4もどっちも買ってなかったのでどうでも良かったの
だが、この時、VIPルームにおばちゃんの悲鳴があがる!!
「5−3・5−3・5−3・5−3!!5−3なら130倍!!でも5−4は持ってない!!」
そう、5−3は130倍の大穴だったのだ。3番と4番はすごいデットヒート。
3はいつ4に抜かれてもおかしくない。コーナーを回るごとに
「3!!残ってーー!!3!3!3!3!お願い!!」
もはや悲痛な叫び声である。
こんな大穴はおそらく他の人達は誰も買っておらず、VIPルーム内の全員、果たして
おばちゃんの買った5−3で決まるのかどうか、固唾を飲んで見守る。
「あーー!!3!!3!!頑張れ!!頑張れ!!」
ほんとに泣きそうな声援に、思わず俺も3番を心の中で応援。多分その場にいた
全員が3を応援してたのだろう、かろうじて3が2着を守ってゴールしたとき、VIPルームには
拍手が起こった。俺もおばちゃんに拍手を送ってあげたけど、御祝儀はくれなかったゾ。
万舟を獲ってそれを周囲に公表したら、ご祝儀を配るのがこの世界の習わしです。
さて、人が当たった話など書いて、今回は珍しくつむごんの舟券購入シーンが出てきて
いないが、勘のいい皆さんは既にお察しの通り、この日、最後までノーヒットだった。
結構な金額を負けたけど、市川に会う為の入場料だと思えば全然安いもんだったかな。
いや、マジで。