2000/11/18
どんと
 ー目から鱗が落ちた話ー

 小学生の頃、「どんと」っていうカイロがありました。確か西川のりおが

「ちゃっぷいちゃっぷい、どんとぽっち」ってコマーシャルで言ってた記憶があります。

で、他のバージョンで、こんなのがありました。

  戦後間もなく、木枯らしが吹き荒れ、雪が舞う中、進駐軍のジープに
  貧しい日本人が群がり、口々に頼み込んでいます。
  「どんとギブミー、どんとギブミー」
  進駐軍は、無情にもどんとを配らずに進んで行き、貧しい日本人は
  ひたすら「どんとギブミー」を繰り返しながらジープについて行きます。

確かこんなCMだったと記憶しております。

 戦後、進駐軍のジープに子供が群がって「ギブミーチョコレート」と言いながら

ついて行った、という話は小学生でも知っていたので、ただ「チョコレート」を「どんと」に

置き替えたCMだと、小学生の僕は思っていました。だが、しかし。

 つい最近、「さみーさみー」と思っていて、ふと、このどんとのCMを思い出した時、

衝撃が走りました。これを読んでいる皆さんはお気付きだと思いますが、

つまりあのCMは洒落だったんですね。あの日本人は「どんと」が欲しくて、

ただ「チョコレート」の所に「どんと」を置換していたんですが、進駐軍には

「Don’t give me」と聞こえた訳です。どんとを配る訳がありません。

 CMを見ていた頃から既に15年以上経っていたのですが、目の前がパーっと

明るくなる感覚がありました。こんな大発見をしたんですから、友達に教えたくなる訳です。

一生懸命教えたんですが、みんな「ふ〜ん」とか「へー」とか、「だからどしたん」って

反応しか返ってきません。

一体どうしたら、僕のこの感動を伝えられるのでしょうか?

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