特許庁 特許出願公告 昭39-1952 公告 昭39.2.27 (全2頁)
復元耕プラウ
特願 昭37−12174
出願日 昭37.3.28
発明者 手塚右門
鴻巣市大字鴻巣1227農事試験場内
同 小中俊雄
鴻巣市大字鴻巣1227農事試験場内
出願人 農事試験場長
図面の簡単な説明
第1,2図はこの発明にかかる復元耕プラウとそれにより土壌が復元される作用を示す正面図および左側図面である。
発明の詳細な説明
この発明は農耕地においてプラウあるいは犂で土壌を耕耘する場合に、耕起されたれき土をそれ自身の持つ位置のエネルギーと慣性力を利用して、反転し、しかも元の位置に復元すろ装置である。
従来、プラウあるいは犂で耕うんする場合は、土壌を耕起反転して側方へ放てきするので、平面耕においてはまず口割り・すき寄せ作業を行つた後に連接耕を行い、土壌は耕起初めのところに多く耕起終りのところに少なくなり、その後の均平整地作業に多くの労力と時間を必要とする.そこでこの装置を用いて耕うん作業を行う場合に、口割り・すき寄せ作業が消略され、耕起反転された土壌は一方に片寄らず均平になるということは、かかる耕うん整地作業の能率向上にとつて極めて重要なことである。
以下この発明についての実施例を示せぱ次の通りである。
すなわら、第1図において、刃先1と撥土板2と地側板3からなる耕起プラウは、犂柱4により支持枠5に取付けられ前方には犂刀6がある。さらに耕起・上昇・反転されたれき土を元の位置へ復元させる復元板7が支持枠5の斜め後方に装着されている。撥土板2は従来の形状より彎曲を弱くして、側方放てき力と砕土作用を小さくし、かつれき土の上昇を大きくするようにして次の復元行程をやりやすくする。復元板7は円筒・らせん曲面などを組みあわせた曲面でほぼ撥土板を逆方向に置いた形状をなし、撥土板から飛ばされたれき土を受けて、曲面に沿つてれき土を滑り落し、所期の目的を達成する。
次にこの発明の作用を説明する。
第1、2図において、刃先1と犂刀6で切削されたれき土断面中央線をA1,B1とすると、れき土A1,B1は撥土板2に沿つて上昇され、やや反転されながら側方へ流されA2,B2遂に落下を始めるA3,B3、そこで復元板7が案内装置として働き、れき土をさらに反転させながらA4、B4元のれき溝へ滑り落すものであるA5,B5。従つて耕起されたれき土は完全に天地返しされ、しかも連続的に元の位置へ復元されるので、この復元耕プラウで耕うん作業を行うと土壌の片寄りはないことになる。
以上のように、この発明は簡単な装置により、従来のプラウや犂と同様に土壌を耕起反転し、しかも土壌を元の位置へ返すので、口割り・すき寄せ作業が消略され、そして耕起による土壌の片寄りがなくなるので均平作業を必要としないという大きな利点がある。さらにこの復元耕プラウを用いると耕うん作業において必ずしも連接耕を行わなくてもよく、またこの復元耕プラウの牽引抵抗の側方分力は撥土板2と復元板7との抵抗が互いに打消すように働くので小さくなり、トラクタで牽引する場合にその操縦性をよくするなどの待徴を有する。
なお、第1,2図において、A1B1、A2B2,……、A5B5は、れき土の耕起反転の移動過程を示すものである。
特許請求の範囲
1 プラウあるいは犂の斜め後方に、曲面状の復元板を装着し、土壌を耕起反転ししかも元の位置に復元する機構を有する復元耕プラウ。