apx.253a. 凸集合,端点,最適値  目次(第5章)へ

 

 凸集合 n次元空間における点集合Sがあるとき,このSに属する任意の2点x1 ,x2 に対し,0≦α 1 なる任意のαに対し

   x=αx 1 (1−α) 2                (1)

が再びSに属するとき,この集合Sが凸( convex )であるとよぶ.

 端 点  凸集合Sに属し,かつその点xが,Sに属する互いに異なる2点x1 ,x2によって上式のごとく表されないとき,その点xを端点とよんでいる.

 端点で最適値  線形計画問題において,目的関数は制約領域の端点において最小 (または最大)となる.また二つの端点xt 1,xt 2 において同じ最小値 (最大値) をもつならば, t 1 ,xt 2 を結ぶ線上のすべての点において同じ値をとる.

 いま,目的関数

   f(x)=c11+c22+…+cnn           (2)

が端点以外の点x 0 において最小値 ( 最大値 ) をとるならば,この点は制約領域の (有限値の)端点 t 1,xt 2 t k により,

   x0=α1t 1+α2t 2+…+αkt k         (3)

ただし,

   α1+α2+…+α k=1,α i 0,i=12,…,k

と表すことができるから,個の点における目的関数の値は

   f(0 )=cx0

       =c(α1t 1+α2t 2+…+αkt k )

       =α1cxt 1+α2cxt 2+…+α kcxt k

       =α1(t 1 )+α2(t 2 )+…+α k(t k )   (4)

したがって,いま

   f(t 1 ) (t 2 )≧…≧f(t k )

とすれば

   f(t 1 ) (0 )≧f(t k )             (5)

となり,等号はすべてのf( t i )が等しいとき成り立つ.(5)はf(x) x 0において最小 (最大) になるという仮定に反しており,結局,目的関数f(x)は端点において最適値をとることが証明されたわけである.また二つの端点 x t 1x t 2 において同じ値を取るならば,この線分上の任意の点

   x=αxt 1(1−α ) t 2               (6)

において目的関数が等しい値をもつことも(4)から明らかである.