apx.244a. ポアソン分布 目次(第5章)へ
ポアソン分布( Poisson distribution )は,二項分布で平均 n p = mを一定とし,p → 0としたときの極限の分布である.したがって希現象の生起回数の確率として有用である.ここで,二項分布とは,毎回の試行において事象Eの起こる確率を pとするとき,n 回の独立試行中に事象Eが x 回起こる確率のことで,
(x= 0,1,…,n)である.
平均 m 回起こるはずのところが,ちょうどx回だけ起こる確率P(x)は,
x=0,1,…,m,…
で与えられる.このとき平均 m,分散 mである.
図5.8左は m = 1または 2の場合のポアソン分布である.
図 5.8 ポアソン分布と指数関数
[例] あるライスセンターは平均10回 / 時の籾の荷受けを行うが,1時間に荷受けできる最大回数は20であるという.このライスセンターで,1日 ( 10時間 ) の間に負担過重の生ずる確率を求めよ.
籾の到着はポアソン分布に従うものとすれば,m = 10として1時間にK回の籾の到着の生ずる確率P(k) は
である.したがって1時間に生ずる籾の到着回数が20以下である確率はであり,10時間引続いて,毎時の到着数が20以下である確率はで表 される.求める確率は
と得られる.