廿七年度東大教養学部 理二 六B 1953.5.28           戻る

追思  5p          復刻 by 林尚孝

「生きている」ということに関連して
     安井 宏
 マルクスが「資本論」中で意図した「近代社会の経済的運動法則」の発見は少なくとも、社会の考え方に一つの方向を与えた点で重要であります。この「近代社会の経済的運動法則」は「自然法則」であるとマルクスは主張するのでありますが、「ヴェーストニック・エヴローピィ」の評言によれば、それは「諸現象の変動の−その発展の−法則であり、一つの形態から他の形態への−一つの秩序から他の秩序への−推移の法則」であって、「現在の秩序が必然的なもの」であり、それと同時に「この現在の秩序は不可避的にそれへ推移せねばならぬところの或る他の秩序が必然的に生まれてくる」ものであった、しかも「そのことを人間が信じるかどうかは全くどうでもよく、マルクスはかかる社会の運動を、一つの自然史的過程−それは只に人間の意志、意識及び意図から独立しているばかりでなく、むしろ逆にその意 2000/12/25

6p

9p
のですから。種本は次の通り。
「資本論入門−川上肇著 青木文庫」
「生命の起源−J・D・バナール 岩波新書」