二日前、森昌子の歌BEST二十を書きましたが、これはどうも片手落ちな感じがしました。というのは、やはり演歌を触れずに森昌子を語れないと思うからです。取り上げた曲は十代の恋心を歌った曲が多く、こればかり聞いていると辟易(へきえき)としてくるからです。かといって、彼女の演歌ばかり聞いていると、これも辟易としてきます。彼女の最大のヒット曲である「越冬つばめ」や「哀しみ本線日本海」は過去において聞いた記憶があるからか、潜在意識として残っているからなのでしょうが、聞いても新鮮味が無いですね。僕が彼女の演歌として好きな曲は、ポニーキャニオン移籍後のシングルコレクションABに含まれるB面の曲です。僕は特に、パソコンでB面のみ集めて聞くことが多いのですが、最初の曲からして、すばらしい曲が並んでいます。これらの曲は、演歌と言えるか言えないかの中間的な曲です。二十代前半から半ばにかけての結婚適齢期の女性の心理を歌った曲に、秀逸なものが多くあります。例えば、「夕焼けの空」は失恋した娘に母親がお見合いを勧める話です。とても綺麗な歌です。「手紙」は一年前に旅行した友人が突然婚約したという手紙を貰い、取り残されたような寂しさを感じながらも、これからも変わらず一緒に過ごしていきたいという気持ちを手紙に託した曲です。女性の綺麗な心理を丁寧に表現しています。「古都の春」は結婚を控えた女性が、父親と鎌倉を歩きながら、昔父親に背負われた記憶を懐かしんでいる曲です。このほか、YouTubeで見る「季節(とき)を抱いて」も同じような結婚まじかの父と娘のいい曲ですね。
演歌というのは恨み・つらみの歌が多いようですが、B面はかなりさわやかです。「春日和」はその典型で清潔感のある、伸びやかな曲です。
彼女の映像もそうなのですが、歌も、特徴的なのは清潔感ではないでしょうか。二十代後半の映像を見ていますと、本当にいい娘さんって言う感じですね。結婚と言うものに憧れ、家庭というものに憧れ、恋愛と言うものにあこがれている、典型的な純朴な女性がそこにいると言う感じです。レコードも映像も三十年も前のものですが。
YouTubeから
シングルB面 (シングルA面)
1、冬の部屋(ためいき橋)
2、春日和 http://youtu.be/rX_t669jKOI(故郷ごころ)
3、夕焼けの空 YouTubeになし(信濃路 梓川)
4、雨の港町 http://youtu.be/hHXpfw-m1T0(
波止場通り港町 )
5、翼 http://youtu.be/EfJfrbEcpjQ(北寒港)
6、妹 YouTubeになし(哀しみ本線日本海)
7、花暦 (シクラメン)https://youtu.be/1P1yzUHkbK8(鴎歌)
8、手紙(B面) http://youtu.be/vwIZkd3-whY(ふるさと日和)
9、紅花になりたい http://youtu.be/2HfkmoM4Jjw(越冬ツバメ
)
10、古都の春 http://youtu.be/jpd_udrrt-8(寒椿)
11、涙雪 https://youtu.be/RCB42uUoCtg (紅白) https://youtu.be/CR9l6WZPsRQ(ほお紅)
12、駅 https://youtu.be/1O9TkOggpB8(恋は女の命の華よ)
13、恋きずな https://youtu.be/LEtDqlUOZUg (愛傷歌)
14、二人づれ https://youtu.be/fb-mAUmyq8k (孤愁人)
15、幸せありがとう YouTubeになし (いつまでも〜愛彩川〜)
16、雁来紅 YouTubeになし(ありがとう〜雛ものがたり〜
17、涙暦 https://youtu.be/vmpD-5PoB1c (そして、今…哀しみの終着駅)
18、初秋 https://youtu.be/uS3tnxkwZew (〜さようなら〜)
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