![]() The Golden Wire 1989年発表 |
名作の登場! ソロ・キャリアの集大成とも言える作品! |
アルバム紹介 前作『Mysterious Barricades』に於けるニュー・エイジ・ミュージック、 環境音楽的なアプローチとは一線を画してよりパーソナルで彼独自の音世界を築き上げている。 前作ではヘンチェル(シンセ)との二人によるコラボ的なアプローチで静的な作風を示したが、 今作ではジミー・ハスリップ(ベース)、カート・ウェートマン(ドラム)、 ポール・マッキャンドレス(オーボエ)などが参加してより動的で多彩な演奏を繰り広げている。 インドの女性シンガー、ナジマが「Piya Tose」にヴォーカルで参加しており、 アルバム全体を覆っているモノトーンな世界に美しく咲く一輪の花の様に彩りを添えている。 前作を”静の中の動”とすれば今作は”動の中の静”と例えても差し支えないのだろうが、 バンド形式をとり、アンディーのギターがメインに据えられ多彩な音作りが為されていても、 聞こえてくる音がモノトーンな弾きに聞こえてくるのはなぜだろうか? 前作のニュー・エイジ的な要素に加えて、彼のバック・ボーンでもあるジャズ・ロック的なもの、 そしてフリップとのコラボからの収穫とも言えるプログレシブな趣なども加味されているが、 楽曲が纏っている雰囲気はあくまでもアンビエントなものであり内省的である。 前作『Mysterious Barricades』での二人のコラボから始まり、 今作はバンド・スタイルの形態をり作品の趣は違っているものの、 ロック・フィールドからニュー・エイジ、アンビエント、そしてヒーリングへアプローチをした、 一連の作品の集大成と言うべき傑作と捉えて考えても差し支えないのではないだろうか? この作品で完全復調したアンディーは、 その勢いに乗って新たな表現の場としてジャズ/フュージョンの世界に身を投じる事になる。 その意味ではアーティストとしての過渡期に生み出された名盤と言えるだろう。 さて、さて、アルバム収録曲に耳を傾けると、 前述の様にサウンド的にはこれまでに無いくらい幅広い物になっており、 プログレ風な作風に加えてエスニックな趣も加味されており味わい深い物になっている。 バンド形式を取っているものの、 必要な素材を集めてより繊細で鮮明な音作りに専念していると言った方が良いだろう。 冒頭の2曲「A Piece Of Time」「The Golden Wire」で、 アルバムの全体像を取られる事が出来るように感じる。 ナジマの「Piya Tose」や「Rain Foreat」がエスニックな趣で素晴らしい。 加えて「Blues For Snake」「Manhettan」などもお気に入りだ。 しかし、あくまでもサウンドの中枢はアンディーの本領であるギターだ! 『XYZ』で始まったソロ活動の中で、 最もギターが全面に打ち出された傑作とも言える。好きじゃ!! ソロ活動を始めてからいろいろな方向性を示しながら迷走していた感もあるが、 ポリス時代から良く言われているヴォイシング、エフェクトの妙を例に出すまでもなく、 アンディーの魅力は早弾きギターでも泣きのギターでもない事は明らかだ。 この作品はアンディーのワン・アンド・オンリーな独自スタイルが凝縮されており、 彼が貫き通した演奏スタイルの一端が美しく結実している集大成の様に思われる。 まさに過渡期に生まれた名盤じゃ。 お勧め盤です。 |
収録曲 1 A Piece Of Time 2 The Golden Wire 3 Earthly Pleasures 4 Imagine You 5 Vigango 6 Blues For Snake 7 The Island Of Silk 8 Journey Through Blue Regions 9 Piya Tose 10 Rain Forest In Manhattan 11 A Thousand Stones |