最新作から年代物までお薦めの作品を紹介します 〜ロック・ポップス編〜 ・ ハニードリッパーズ / ボリューム・ワン |
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・ ドナルド・フェイゲン ナイトフライ お薦め度 ★★★☆☆ スティーリー・ダンの頃から質の高い作品を発表していた彼ですが、この作品ではさらに洗練された音を聴かせてくれます。 「ナイトフライ」と云うだけに、都会の夜の風景にとけ込む様なサウンドに仕上がっています。 フュージョン・ライクなサウンドの様にも感じますが、わかりやすいメロディーと洒落たアレンジを随所に盛り込み、 質の高いポップス・ロック・アルバムに成っています。いわゆるフェイゲン節ですね。 アメリカのミュージッシャンの中でも堅物で通っている彼のいぶし銀の音がギュッと詰まっています。 AOR系のサウンドが好みの方にはお勧めの作品です。この作品は既にロックのクラシックになっていますね。 「I・G・Y」、「グリーン・フラワー・ストリート」、等々の作品を収録しています。1982年度発表作品。 |
・ ロキシー・ミュージック アヴァロン お薦め度 ★★★★☆ ロキシー・ミュージックのラスト・アルバムにして最高傑作。 ブライアン・フェリーのインテリジェンス溢れる音楽センスが開花した、ロック史上に燦然と輝く名作です。 どの楽曲もディテールまで理知的にコントロールされており、彼の音楽主義的なところが余すことなく見て取れます。 にもかかわらず其処には息苦しさなど全く存在せず、みずみずしい躍動感に溢れています。 アヴァロンという聖地にたどり着いた彼らは、聴くもの誰しもを大いなる感動へ誘う「モア・ザン・ディス」と云う 大いなる確信を持って我々にその存在の偉大さを呈示しています。 フェリーは歌う、「探し求める聖地など何処にも存在しない。此処こそが聖地なのだ!」 こんなにも美しく力強い世界観を描き出しているロック・アルバムにはそう簡単には出会えません。 フェリーのダンディズムもここに極まれりといった感じです。ソロになってからのフェリーも相変わらすダンディーしてます。 「アヴァロン」、「モア・ザン・ディス」、等々の名曲を収録しています。1982年度発表作品。 |
・ ABC ハウ・トゥ・ビー・ア・ジリオネイア お薦め度 ★★★☆☆ デビュー・アルバム『ルック・オブ・ラブ』でセンセイショナルなデビューを飾った彼らは当時、 ロマンティック&センチメンタル、ビター&スウィート、エレガンス、などと絶賛されていましたが、 このアルバムは洒落た感じのファンキーなダンス・ビートを、これでもかというくらいに聴かせてくれます。 『ルック・オブ・ラブ』ほどドラマティックでキャッチーな作品ではありませんが、ファンキー・ビート派の人にはお勧めです。 「ビー・ニア・ミー」、「フィアー・オブ・ザ・ワールド」、等々の作品を収録しています。1985年度発表作品。 尚、『ルック・オブ・ラブ』には「ルック・オブ・ラブ」、「ポイズン・アロー」、 「涙はまだまだ」、等々のヒット曲を収録しています。 こちらもポップス・ファンは必聴の作品です。ちなみに、1982年の作品です。 |
・ シンプリー・レッド ピクチャー・ブック おすす度 ★★★☆☆ 私は基本的にUKアーティストの作り出すお洒落なポップス・サウンドが大好きです。 UKアーティストの中には黒人音楽に強い影響を受け、それをモダン・ポップ調に洗練させる、 「ホワイト・ソウル・」と呼ばれるサウンドを聴かせる人が多くいますが、シンプリー・レッドもその代表格です。 ソフト・タッチでムーディー、さらにはブラックっぽいファンキーなリズム、知的な詞、それが彼らの持ち味です。 このアルバムにはポップス史に残る名曲「ホールディング・バック・ザ・イヤーズ」を収録しています。 この曲は既にクラシックに成りつつありますね。誰しも一度は耳にした事が有るのではないでしょうか。 「カム・トゥ・マイ・エイド」、「マネー・トゥ・タイト」、と云った作品も収録しています。1985年度発表作品。 |
・ スザンヌ・ヴェガ 孤独(ひとり) お薦め度 ★★★★☆ このアルバムは都会(町)の情景を歌った作品である。 日曜日の朝、珍しく目が早く覚めて窓辺から見る見慣れた町の情景である。 其処にはそれまで気付かなかった町の表情が姿を現している。あくせく客の相手をしている食堂の亭主の表情、 虐待を受けている近所の少年の姿、薄汚れた広告の散乱している町の様、 まどろみの中に現れるかつての恋人の姿、そして昨晩耽っていた妄想の数々・・・。 このアルバムはやはり、週末の気だるい午前中に部屋から外を半覚醒のまま眺めながら聴くのが良いと思います。 深夜に一人で聴くのが良いという人も中にはいるかも知れませんが・・・。 非常に洗練されたアコースティック・サウンドで、都会(町)の風景にとけ込む様な音世界の様に思います。 「トムズ・ダイナー」、「ルカ」、「ジプシー」、等々の作品を収録。1987年度発表作品。 |
・ UB40 レイバー・オブ・ラブ お薦め度 ★★★☆☆ この作品はUB40のメンバーがまだほんの子供だったころ(1969〜1972)流行った楽曲をリメイクしたものです。 ジミー・クリフの代表作の一つ「ハーダー・ゼイ・カム」に収録されている、「メニー・リバース・トゥ・クロス」、 「スウィート・センセイション」、「ジョニー・トゥー・バッド」、 ボーカル・トリオ時代のウェイラーズの曲「キープ・オン・ムービング」、 エリック・ドナルドスンの「チェリー・オー・ベイビー」は、 ローリング・ストーンズも「ブラック・アンド・ブルー」の中でカバーした名曲、 その他の収録曲もレゲエを聴く人なら一度は聴いたことのある名曲のカバー・バージョンです。1983年度発表作品。 レゲエを聴き始めの頃は、いきなり大御所さんの作品を聴くよりも、聴きやすくポップス仕立てになっている UB40、アスワド、マキシー・プリースト、スノー、などから聴き始めてみては如何でしょうか。 |
・ スタイル・カウンシル カフェ・ブリュ お薦め度 ★★★★☆ ジャムを人気絶頂期に解散させたポール・ウェラーがミック・タルボットと始めたグループのデビュー・アルバム。 ジャム時代のパンクライクなサウンドとは全く対照的な軽めの音を出しています。 ポールから滲み出ている潔癖性、少年性、そして青臭さをお洒落なサウンドで覆い隠しているところが心憎いです。 又、相も変わらずメッセージ性の強い詩を書いているところも格好いいでね。 ファンキー・ジャズ、ビー・バップ、シャンソン、ラップ、と云ったサウンドでポップな音作りをしていますが、 ポールのヴォーカルはあくまでもソウルフルです。彼の中では黒人音楽の存在がかなり大きい様です。 「マイ・エバー・チェンジング・ムーズ」、「ユー・アー・ザ・ベスト」、「ゴスペル」、等々を収録。1983年度発表作品。 |