石勝線

区 間 南千歳〜追分〜新夕張〜トマム〜新得
新夕張〜夕張
営業キロ 南千歳〜新得  132.4km
新夕張〜夕張   16.9km

 石勝線は、北海道の中央部、南部や千歳空港と、東部地方を直結する意味で建設された。札幌〜新得間でみ
てみると、滝川経由で219.8km、石勝線経由で176.4kmと43.4kmの短縮となり、特急で1時間以上の
時間短縮となった。
 南千歳〜追分までは、北海道らしい広々とした丘陵が続いている。追分〜新夕張は旧夕張線の線路を利用した
区間で、新夕張からは新得方面と夕張方面に分岐する。新得方面で新夕張の次の駅は「楓」だがここに行くには、
新夕張から楓行きの普通列車に乗り換える。新夕張〜楓間はどちらかというと別線になっている。(新夕張〜楓の
列車は朝の一日一往復しかないのでご注意を)
 新夕張から先は昭和56年に開通した新線で、石勝線らしい区間。現在でも通用する当時最新の技術を投入して
作られている。単線・非電化だが最小曲線半径は800メートル、最急勾配は12パーミルにおさえられており、道路
とはすべて立体交差となっていて踏切はない。札幌の指令所で集中制御している。また、信号所などのポイントに
は必ず雪除けのシェルターやポイントヒーターが付いている。
 新夕張〜新得間は、距離にして89.4kmあるが駅は「占冠」と「トマム」の2カ所だけ(楓駅は除いて)。新幹線
並の駅間である。ただし駅がない代わりに信号所が多いが・・・。本来、鉄道は町や集落を線路で結んでいき、駅
を設置していくのだが、石勝線の場合、札幌や千歳空港と道東を短絡する目的で建設されたため、駅よりも信号所
が多くなってしまった。(石勝線は単線だから、行き違い設備が必要なので)
 この新夕張〜新得間は、山間の荒涼とした中を走っていく。新狩勝トンネルに入ると、トンネルの中に「上落合
信号所」があり、ここで根室本線と合流し新得に到着する。
 ちなみに、新夕張〜新得は普通列車が走っておらず、普通乗車券や青春18切符で特急に乗れる特例区間。

 りつぶし時の注意:広内信号所から新得までの区間は、景色が良く有名だが、風の通り道でもある。
              以前ここで特急「おおぞら」が風で脱線したことがあり、それ以来風速25mを越す
              とこの区間の通過が出来なくなっている。私も、特急「おおぞら」に乗っていた時、
              強風に遭遇し広内信号所で4時間足止めされたり、帯広から普通列車で狩勝峠
              を越そうと乗っていたところ、新得駅で前途運休になってしまったことがある。
              この区間を通過するときは、天候も注意したい。

 別線の新夕張〜夕張間は、以前は夕張線として夕張から追分まで、夕張炭を運び出す線路であった。石勝線
開通とともに現在の形になり、石勝線の枝線となっている。
 沼ノ沢・南清水沢と過ぎて清水沢。ここには、三菱石炭鉱業の炭鉱鉄道があり、次の鹿ノ谷からも夕張鉄道が
走っていた。両者とも廃止されてひさしい。終点の夕張駅は3回ほど移転しており、最初は現在の「石炭の歴史
村」あたりにあった。
 石炭で、活況を呈したころの面影はなく、夕張は町も鉄道も大きな変貌をとげている。


石勝線の風景

追分駅 新夕張駅 旧「紅葉山駅」駅名表 楓駅


夕張駅 狩勝峠を越す特急「おおぞら」


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