室蘭本線

区 間 長万部〜伊達紋別〜東室蘭〜苫小牧〜追分〜栗丘〜岩見沢
東室蘭〜母恋〜室蘭
営業キロ 長万部〜岩見沢  209.3km
東室蘭〜室蘭     8.1km

北海道の路線は、同一路線でも区間によってイメージが異なる場合が多いが、室蘭本線もその一つ。
もともとは、道央で採れる豊富な石炭を室蘭港まで運搬するために建設された路線であり、石炭列車
がひっきりなしに走っていた。

室蘭本線を分けると下のようになる。
石炭輸送全盛時代には、数多くの石炭列車が走った沼ノ端〜岩見沢。
函館〜札幌間のメインルートの一部としての長万部〜沼ノ端。
たった8kmの枝線だが、札幌から直通特急(東室蘭〜札幌間普通)が走る東室蘭〜室蘭。


@沼ノ端〜岩見沢間

石炭輸送全盛期には多くの石炭列車が走っていたが、現在ではキハ40による普通列車が
1日数往復するだけのローカル線になってしまった。
「沼ノ端」(列車は苫小牧発着)を出て、「追分」までは「これぞ北海道」という風景を見ることが
出来る。「追分」は石勝線と室蘭本線の乗換駅であり、日本で最後まで蒸気機関車が働いていた
「追分機関区」があった場所でもある。
「追分」からは、夕張川流域の水田地帯が広がる平地にでる。列車は「三川・古山・由仁」とすぎ、
「栗山」に到着する。「栗山」からは上下線に分かれていたが、平成2年に栗山トンネルが土砂崩れ
により崩壊し、現在では旧下り線をうち捨て、旧上り線を使用し単線運転をしている。
終点「岩見沢」で函館本線と接続する。

追分駅 苫小牧行きキハ40


A長万部〜沼ノ端間

函館〜札幌間の幹線の一部として、本州からの寝台特急、貨物などが走る路線。
「洞爺」・「伊達紋別」・「登別」といった観光地から、「東室蘭」・「苫小牧」といった工業地帯など
この区間の沿線は変化にとんでいる。
「長万部」から噴火湾沿いに走り、トンネルに挟まれ、周辺8kmは道路が通じていないという
鉄道以外で行くことが難しい駅「小幌」を通過する。洞爺湖の入り口「洞爺」、有珠山を間近に
望む「伊達紋別」を過ぎ、東室蘭に着く。ここから沼ノ端間は電化されており、町並みも変わる。
北海道有数の温泉地「登別」を出ると、日本一長い直線がある「白老」〜「沼ノ端」(28.7km)に
さしかかり、列車は太平洋を見ながら直線区間を快調に走り「苫小牧」に到着する。
「苫小牧」からは、千歳線経由の札幌方面優等列車・室蘭本線経由「岩見沢」行き・日高本線に
乗り換えられる。

東室蘭 キハ150 白老駅


B東室蘭〜室蘭

「東室蘭」から「室蘭」までは、明治30年に北海道炭礦鉄道が建設した路線である。
現在は枝線的な存在になっているが、室蘭本線は本来、石炭を室蘭港まで輸送するために建設された
路線なので、かつてのメインルートである。また線名も「室蘭市」の室蘭からきている。
この区間は、札幌からの特急「すずらん」が乗り入れる。しかも「東室蘭〜室蘭」間は普通列車として
運転されるので、特急料金を払わなくても特急車両に乗れるオトクな区間である。
「東室蘭」を出ると列車は左側にカーブしながら本線と分かれていく。途中「輪西」・「御崎」・「母恋」と
無人駅に停車し、短いトンネルを越すと「室蘭」に到着する。
室蘭駅は97年9月まで道内最古建築として有名だった駅舎だったが、室蘭市の区画整理計画
により、600mほど東室蘭よりに移動した。新駅舎は近代的建物となったが、旧駅舎も文化財として
保存される。

室蘭駅 室蘭駅ホーム 旧室蘭駅 旧室蘭駅舎内


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