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ドリーム交通
大船駅

区間 大船〜横浜ドリームランド
距離 5.3km
開業 昭和41年 5月 2日
休止 昭和42年 9月24日

1.ドリーム交通の概要

  このモノレールは昭和41年5月2日に「大船〜横浜ドリームランド」の区間に開業した。しかし、
 車両重量超過、橋脚の強度不足からその安全性を指摘され、関東運輸局の運転休止勧告を受
 け昭和42年9月24日以来運転休止となった。1年5ヶ月間運転したのみで、現在まで30年以
 上、放置されている。
  大船〜横浜ドリームランド間に駅は無く、一カ所交換設備があるのみで(小雀町付近)、東芝
 跨座式モノレール3両×2編成(ドリーム号・エンパイア号)の6両が15分間隔で、大船駅〜横
 浜ドリームランド駅間を8分で運行していた。
  当時の運賃は、片道170円、往復300円だったが、当時国鉄の初乗りが20円だったこと考え
 ると高額な運賃である。(ちなみに国鉄運賃170円だと46kmも乗れた、また現在で46kmは、
 JR東日本の幹線運賃で820円!)

2.現在の状態

  ドリーム交通は「廃止」ではなく「休止」状態であるため、ほとんど当時のままの姿を見ることが
 できる。ただ、大船駅は老朽化のため平成2年に取り壊されている。(上の写真)また、車両6両
 もすでに解体済みである。

3.沿線を歩く

 @大船駅跡
   平成2年に駅舎を解体され。中空からいきなりコンクリートレールが現れる。(上の写真参照)

雑木林へ

 A大船駅を出発したモノレールは、左に大きく曲がり柏尾川を渡った後、高度を上げ住宅街を横目
 に見ながら雑木林の中に入っていく。(写真@)



写真@


自動列車速度制御装置

 Bそのまま、レール上を歩き林の中を入っていくと、フェンスに囲まれたボックスを発見(写真A)
  何の箱かと思い確認すると、「自動列車速度制御装置 送信機 下り線用」。全線5.3km、車
  両6両しかないモノレールだが、こんな立派な装置が付いていたとは知らなかった。
   さらに進むと、なにやらフェンスに看板が付いていた(写真B)。錆びていて見づらいが、左が「
  立入禁止」、右が「高電圧注意」と書いてある。


立入禁止

上:写真A
右:写真B



 



小雀信号所ホーム

 C林の中を歩き、道路を跨ぎしばらく歩くと小雀浄水場に出る。浄水場を左手に見ながら、さらに進
  むと唯一の交換設備「小雀信号所」が現れる。全線単線だったため、ここの信号所で上下線の行
  き違いをしていた。ホームみたいなものがあるが、客扱いはしていなかった。(写真C)
  この交換設備は、現存するドリーム交通の設備で最大級の物である。ポイント(写真D)もその
  まま残っているし、全体的にレールの高さが低いので、下からでも十分観察可能である。
  新情報(H13/5/7訂補)・・・信号機が小雀浄水場の脇に設置されていが、訪れたときは
                     発見できなかった(老朽による落下を恐れて撤去されたのか?)。
                     (情報有難うございました)

写真C

   
ポイント

  


写真D

 D 小雀信号所を後にすると、レールは大蛇のよう上下にクネクネしながら(写真E)ドリームランド
  に向かう。うねるレール
   

   

写真E


ドリームランド入り口写真F

 E  国道1号線を越え、ここから先は住宅街を通っていく。モノレールが休止してから建った家が多く、
   レールから1mと離れていないところに家を建てていたり、橋脚が庭から出ていたりと、「今後、絶対
   にモノレールは走らない」という前提で建てられた住宅が目立つ。しかし、 廃止と変わらないようなモ
   ノレールでも、あくまで「休止」状態である。こんなレールの側に住宅を建てて良いのだろうか?
    住宅街を歩いていくと、レールは宇田川沿いに出る。ここまで単線用の橋脚が、複線用の橋脚に変
   わる。将来は複線にするつもりだったらしい。
    ここまで来るといよいよドリームランドの入り口が見えてくる。(写真F)

 F いよいよ終点の横浜ドリームランド駅に着く。駅付近はこちらのページへ。



                                                

お疲れさまでした。


4.ドリーム交通の今後

  現在、このモノレールを「HSST」で復活させる話が持ち上がっているが、電磁波の問題等地元との交
渉に難航、また現在の経済不況で、話が進んでる様子はないようだ。ただし、大船駅周辺は再開発で、
西口も大規模工事が予定されており、今後注目されそうだ。


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