和久峻三 短編リスト(仮作成版)

戸田和光 編


本リストについて

 ということで、長編リストを作ってみて、積み残した課題を確認するために、短編も確認してみた。
 例によって、あちこちから資料を切り貼っただけなので、間違いがあるかも知れないが、あくまで、目的は“文庫オリジナル”の確認なので、十分な確認をしていないことを予めお詫びしておきたい。

 誤記等のお粗末なミスがありましたら、ご指摘ください。


和久峻三 短編集リスト

通番タイトル改題シリーズ 刊行年
1 空白の判決書 我が子を盗め 1976
2 疑わしきは罰せよ 赤かぶ検事 1976 文庫オリジナル
3 特捜検事M 1977年12月 文庫オリジナル
4 証拠崩し 猪狩文助 1978年2月
5 呪いの紙草履 赤かぶ検事 1978年4月 文庫オリジナル
6 暗黒山林 1978年8月 文庫オリジナル
7 背の青い魚 弁護士・花吹省吾 1979年1月 文庫オリジナル
8 白の判決 背中から撃たれるな 日下文雄 1979年1月
9 呼吸する死者 弁護士・花吹省吾 1980年1月 文庫オリジナル
10 妻の前科 弁護士・花吹省吾 1980年2月 文庫オリジナル
11 被告人、名無しの権兵衛 赤かぶ検事 1980年4月 文庫オリジナル
12 有罪の二つの顔 弁護士・花吹省吾 1980年4月 文庫オリジナル
13 悪人のごとく葬れ 京都殺人案内 1980年8月 文庫オリジナル
14 長崎居留地二十五番館 赤かぶ検事 1981年1月 文庫オリジナル
15 犯人の画かなかった絵 猪狩文助 1981年11月 文庫オリジナル
16 紅葉の下に猫がいる 赤かぶ検事 1981年11月 文庫オリジナル
17 盗みは愉し 赤かぶ検事 1981年12月 文庫オリジナル
18 盗まれた一族 京都殺人案内 1981年3月 文庫オリジナル
19 裁かれる判事 日下文雄 1981年8月 文庫オリジナル
20 殺人許可します 赤かぶ検事 1981年9月 文庫オリジナル
21 濡れ手に粟 1982年1月 文庫オリジナル
22 円空の鉈 1982年1月 文庫オリジナル
23 悪魔の汚点 弁護士魁夫婦の推理 1982年11月
24 血の償い 京都殺人案内 1982年2月
25 蒼ざめた証人 弁護士・花吹省吾 1982年3月 文庫オリジナル
26 死者への審判 日下文雄 1982年8月 文庫オリジナル
27 二度死ぬ奴は、三度死ぬ 赤かぶ検事 1983年1月 文庫オリジナル
28 赤かぶ検事転勤す 赤かぶ検事 1983年1月 文庫オリジナル
29 偶然防衛 猪狩文助 1983年1月 文庫オリジナル
30 楊貴妃の亡霊 赤かぶ検事 1983年3月 文庫オリジナル
31 片目の蠅 赤かぶ検事 1983年4月 文庫オリジナル
32 賑やかな悲しみ 弁護士・花吹省吾 1983年5月 文庫オリジナル
33 血ぬられた相続人 弁護士・花吹省吾 1984年1月 文庫オリジナル
34 許された殺意 1984年3月
35 法律は家庭に入らず 離婚法廷 1984年4月 文庫オリジナル
36 悪人図鑑 弁護士魁夫婦の推理 1985年1月
37 髑髏盗人 騙すつもりじゃなかったのに 猪狩文助 1985年11月
38 アリバイは両刃の剣 赤かぶ検事 1985年2月
39 悪女の証言 赤かぶ検事 1985年2月 文庫オリジナル
40 復讐の時間割 京都殺人案内 1985年3月
41 蛇淫の精 離婚願望 日下文雄 1985年5月 文庫オリジナル
42 新宿のキリスト 赤かぶ検事 1985年9月 文庫オリジナル
43 悪霊の夜明け 赤かぶ検事 1985年9月 文庫オリジナル
44 死刑台の女 1985年9月
45 私を殺したのは誰? 弁護士魁夫婦の推理 1986年4月
46 あなたの夜と引きかえに 1987年1月 文庫オリジナル
47 おしゃべり地蔵殺人事件 赤かぶ検事 1987年2月
48 転勤みやげは死体付き 赤かぶ検事 1987年7月
49 魚鱗荘の惨劇 弁護士魁夫婦の推理 1987年9月
50 呪殺人形 1988年1月
51 八月十五夜の殺人 赤かぶ検事 1988年6月
52 あなたの前では素敵な女 1989年11月
53 妻が敵にまわるとき 1989年4月 文庫オリジナル
54 殺しのクレジット・カード 赤かぶ検事 1989年5月
55 惨殺の金曜日 1989年6月
56 マイナス百九十六度の相続人 芸者弁護士藤波清香 1989年8月
57 魔女失格 1990年11月 文庫オリジナル
58 迷宮の死者 赤かぶ検事 1990年12月
59 逃げる死体 無効判決 1990年3月 文庫オリジナル
60 容疑者は赤かぶ検事夫人 赤かぶ検事 1990年3月
61 死者が下した死刑宣告 1990年5月 文庫オリジナル
62 殺人者の涙 屋根裏の闖入者 1990年9月 文庫オリジナル
63 大文字五山殺しの送り火 新・京都殺人案内 1991年1月 文庫オリジナル
64 黒ゆりは殺しのメッセージ 赤かぶ検事 1991年11月
65 詐欺破産 1991年4月 文庫オリジナル
66 悪いやつほど女は狂う 1991年5月
67 20時18分の死神 新・京都殺人案内 1991年6月 文庫オリジナル
68 掏摸男の危険な恋 1991年9月 文庫オリジナル
69 ラスベガスから来た脅迫者 芸者弁護士藤波清香 1992年2月
70 信州湯の町殺しの哀歌 赤かぶ検事 1992年3月
71 伊豆大島幽霊船の首縊り 赤かぶ検事 1992年3月 文庫オリジナル
72 京都洛北密室の血天井 赤かぶ検事 1992年5月 文庫オリジナル
73 ロシアンルーレットの女 1992年6月
74 風の盆殺人事件 越中おわら風の盆殺人事件 赤かぶ検事 1992年9月
75 密室のたわむれ 赤かぶ検事 1993年11月
76 蛇姫荘殺人事件 赤かぶ検事 1993年3月
77 京都人形寺の惨劇 赤かぶ検事 1993年4月
78 京都釘ぬき地蔵殺人事件 赤かぶ検事 1993年9月 文庫書下ろし
79 闇からの脅迫者 美人探偵朝岡彩子 1998年11月
80 恥じらうビーナス 氷づめの美女 芸者弁護士藤波清香 1998年7月
81 毒殺法廷 芸者弁護士藤波清香 1999年12月 文庫書下ろし
82 魔界の天使 赤かぶ検事 1999年2月

 こちらは、ほぼ予想通りだった。ごく初期から、特に短編集では、文庫オリジナルとして刊行されていたのである。

 角川書店以外からの刊行が減ってきたため、途中から数が減るが、代わりに末期には、長編同様に文庫書き下ろしとなるのが面白いところだ。

 更に、特筆すべきなのは――。これは、著書ごとの短編リストを見れば、一目瞭然であろう。

和久峻三 短編リスト

著書タイトル初出誌掲載年月連載終了年月初出題
悪人のごとく葬れ 悪人のごとく葬れ
白尤火に消えた女 京都民報 1979年9月16日 1979年12月23日
盗まれた一族 盗まれた一族 京都民報 1980年7月20日 1980年10月12日
氷点下の淑女 京都民報 1980年1月1日 1980年7月13日
血の償い 血の償い 野性時代 1982年1月
龍馬の遺産 野性時代 1981年5月
復讐の時間割 夕顔の女 野性時代 1984年7月 1984年9月
復讐の時間割 野性時代 1983年7月
大文字五山殺しの送り火 大文字五山殺しの送り火 書き下ろし 1991年10月
南楼門の女 別冊小説宝石 1991年9月
レイプ犯人の聖書 週刊小説 1991年7月19日
20時18分の死神 20時18分の死神 書き下ろし 1991年6月
掏摸男ニ正義アリ 小説NON 1991年5月
誰も悪くない? 問題小説 1990年8月
黄金取引 小説宝石 1990年10月
宿命の絆 小説宝石 1991年3月
疑わしきは罰せよ 疑わしきは罰せよ 野性時代 1975年3月
火魔走る 野性時代 1975年10月
古銭はもの言わぬ証人 野性時代 1976年2月
片眼のジャックを追え 野性時代 1975年6月
呪いの紙草履 雨降って地固まる 野性時代 1977年7月
残酷な高原の朝 野性時代 1976年7月
呪いの紙草履 野性時代 1977年4月
躓きの石 野性時代 1976年5月
被告人名無しの権兵衛 蝸牛庵の遺産 野性時代 1979年12月
小糸坂の白骨 野性時代 1979年4月
陰毛 野性時代 1978年12月
被告人名無しの権兵衛 野性時代 1978年5月
殺人許可します 殺人を許可します 野性時代 1980年2月
ミツコは犯人の香り 野性時代 1981年7月
狸を燻し出せ 野性時代 1980年11月
鬼ころし 野性時代 1980年4月
長崎居留地二十五番館 ゼンゼノコ・マンマノコ 野性時代 1981年8月
死人の口 野性時代 1981年8月
長崎居留置二十五番地 野性時代 1981年9月
紅葉の下に猫がいる 紅葉の下に猫がいる 野性時代 1981年10月
蛤の秋 野性時代 1981年9月
悪女の手ざわり 野性時代 1981年10月
盗みは愉し 土蔵のなかに棲む女 野性時代 1981年11月
盗みは愉し 野性時代 1981年11月
魔弓 野性時代 1981年12月
九官鳥は偽証する 野性時代 1982年1月
二度死ぬ奴は三度死ぬ 二度死ぬ奴は三度死ぬ 野性時代 1982年2月
盗人神様 野性時代 1982年4月
墓石が哭く 野性時代 1982年5月
殺して、なぜ悪い 野性時代 1982年3月
赤かぶ検事転勤す 藍場川の鯉は見ていた 野性時代 1982年11月
赤かぶ検事転勤す 野性時代 1982年11月
海峡の狐 野性時代 1982年12月
おかしな年頭問答 野性時代 1983年1月
楊貴妃の亡霊 楊貴妃の亡霊 野性時代 1983年1月
ささやきの小道 野性時代 1983年2月
大断層 野性時代 1983年3月
片目の蝿 蝮の五郎 野性時代 1983年4月
キリシタン隠れ墓 野性時代 1983年4月
片目の蝿 野性時代 1983年4月
アリバイは両刃の剣 夫婦間レイプ 小説現代 1985年1月
アリバイは両刃の剣 小説現代 1984年7月 アリバイは剣
破戒尼 小説現代 1983年8月
涙松の怪 野性時代 1983年5月
悪女の証言 悪女の証言 野性時代 1985年3月
奇妙な金メダル 野性時代 1985年3月
老嬢の呪い 野性時代 1985年3月
新宿のキリスト 夜間金庫殺人事件 野性時代 1985年8月
近親相姦 野性時代 1985年9月
新宿のキリスト 野性時代 1985年7月
悪霊の夜明け 悪霊の夜明け 野性時代 1985年9月
少女の血文字 別冊小説宝石 1985年9月
手がかりは死者の掌にあり 野性時代 1985年10月
黒ゆりは殺しのメッセージ  マドンナの涙 野性時代 1991年9月 1991年12月
死をつむぐ女 書き下ろし 1991年11月
黒ゆりは殺しのメッセージ 野性時代 1991年7月 1991年8月
伊豆大島幽霊船の首縊り 伊豆大島幽霊船の首縊り 書き下ろし 1992年3月
復讐鬼 小説宝石 1992年1月
京都洛北密室の血天井 悪霊のワードプロセッサ 週刊小説 1989年11月10日 1989年11月24日
電話ギャルの危険なゲーム 別冊小説宝石 1992年5月
京都洛北密室の血天井 書き下ろし 1992年5月
風の盆殺人事件 風の盆殺人事件 小説フェミナ 1992年2月
宝くじ殺人事件 小説宝石 1992年7月
蛇姫荘殺人事件 蛇姫荘殺人事件 小説現代 1992年6月
七千万分の一 小説現代 1992年10月 七千万分の一の有罪
悪魔の取引 小説現代 1992年1月
おしゃべり地蔵殺人事件 深紅の薔薇は殺しのサイン 週刊小説 1986年5月16日
色情症 小説新潮 1986年1月
分身殺人 週刊小説 1986年9月22日
夢占い入門 週刊小説 1986年11月28日
おしゃべり地蔵殺人事件 週刊小説 1986年1月10日
転勤みやげは死体付き 転勤みやげは死体付き 週刊小説 1987年4月3日 1987年4月17日
妖魔のような少女 週刊小説 1987年5月1日 1987年5月15日
赤ちゃんを産んだ男 週刊小説 1987年5月29日 1987年6月12日
道祖神は死の匂い 週刊小説 1987年6月26日 1987年7月10日
八月十五夜の殺人 死のひそむ家 週刊小説 1988年4月1日 1988年4月15日
絵島屋敷の亡霊 週刊小説 1988年3月4日 1988年3月18日
八月十五夜の殺人 週刊小説 1988年2月5日 1988年2月19日 男は月を見ず
巴ケ淵の鬼神 週刊小説 1988年1月8日 1988年1月22日
殺しのクレジット・カード 殺しのクレジット・カード 週刊小説 1988年12月9日 1988年12月23日 クレジット・ドクター
骨董品カメラは死の香り 週刊小説 1988年11月11日 1988年11月25日
人質は眠る 週刊小説 1989年1月6日 1989年1月20日
悪魔の取引 週刊小説 1989年2月3日 1989年2月17日
迷宮の死者 迷宮の死者 週刊小説 1990年10月12日 1990年10月26日
醜聞を売る男 週刊小説 1990年9月14日 1990年9月28日
妄執の罠 週刊小説 1990年8月17日 1990年8月31日
狙われた白鳥 週刊小説 1990年7月20日 1990年8月3日
容疑者は赤かぶ検事夫人 切り裂き女 週刊小説 1989年8月18日 1989年9月1日
ソクラテスの毒薬 週刊小説 1989年10月13日 1989年10月27日
容疑者は赤かぶ検事夫人 週刊小説 1989年9月15日 1989年9月29日
信州湯の町殺しの哀歌 恍惚の媚薬 週刊小説 1991年12月6日 1991年12月20日
鏡の向こうに誰かいる? 週刊小説 1991年11月8日 1991年11月22日
信州湯の町殺しの哀歌 週刊小説 1991年10月11日 1991年10月25日 湯の町殺人哀歌
悪魔が消えた夜 週刊小説 1991年9月13日 1991年9月27日
密室のたわむれ 被告人・柊春子の変身 週刊小説 1992年5月22日 1992年6月5日
法廷の狙撃犯 週刊小説 1992年2月14日
密室のたわむれ 週刊小説 1993年5月14日
赤かぶ検事夫人の告発 週刊小説 1992年8月14日
京都人形寺の惨劇 番くるわせの「無罪」 週刊小説 1993年2月5日 1993年2月19日
湯の町ドラキュラ伝説殺人事件 週刊小説 1993年1月8日 1993年1月22日
京都人形寺の惨劇 週刊小説 1992年12月4日 1992年12月25日 人形寺の惨劇
偽りのシンデレラ 週刊小説 1992年11月6日 1992年11月20日
京都釘ぬき地蔵殺人事件 京都釘ぬき地蔵殺人事件 書き下ろし 1993年9月
華麗なるペテン師 小説宝石 1993年9月
天下に恥じず 小説宝石 1993年2月
魔界の天使 法廷の抜け穴 週刊小説 1998年12月11日 1998年12月25日
魔界の天使 週刊小説 1997年10月31日 1997年11月14日
伯爵夫人の三つの顔 週刊小説 1998年6月12日 1998年6月26日
マイナス百九十六度の相続人 法廷の鍵 小説現代 1988年11月
共犯者の自白 増刊小説現代 1989年1月
時の魔法 小説現代 1988年8月
マイナス百九十六度の相続人 小説現代 1989年4月
ラスベガスから来た脅迫者 ラスベガスから来た脅迫者 小説現代 1991年7月
罪のおののき 小説現代 1991年4月
愛しき標的 小説現代 1991年1月
教唆する弁護人 小説現代 1990年10月
恥じらうビーナス 代理母 オール読物 1998年4月
恥じらうビーナス オール読物 1997年11月
目撃者 オール読物 1997年7月
毒殺法廷 毒殺法廷 書き下ろし 1999年12月
沈黙の目撃者 書き下ろし 1999年12月
闇からの脅迫者 闇からの脅迫者 小説NON 1998年2月
柳刃の罠 小説NON 1998年4月
「裏窓」殺人事件 小説NON 1997年10月
死を呼ぶテレホンコール 小説NON 1997年12月
証拠崩し 破綻裁判 小説現代 1977年9月
手の白い悪魔 小説現代 1976年6月
ペテン師の遺産 別冊小説club 1975年12月
黄昏どきにベルが 月刊小説 1977年6月
殺人者がやってくる日 月刊小説 1977年11月
犯人の画かなかった絵 異常性欲者 月刊小説 1978年7月
四十五分間の壁 別冊小説宝石 1981年5月
犯人の画かなかった絵 週刊小説 1981年5月22日
偽囚犯 小説推理 1981年6月
ある経営者の死 小説club 1978年2月
幼児引渡し請求事件 別冊婦人公論 1980年10月
偶然防衛 偶然防衛 小説推理 1982年5月
悪い種子 野性時代 1983年8月
借金は踏み倒せ 小説推理 1983年2月
誤想防衛 小説推理 1983年5月
捕われの男 小説推理 1982年8月
ぜいたく病 小説推理 1982年11月
髑髏盗人 髑髏盗人 別冊小説宝石 1983年9月
眠られぬ死者 小説推理 1983年8月
騙すつもりじゃなかったのに 問題小説 1985年9月
売春容疑 問題小説 1984年10月
強姦容疑 問題小説 1985年6月
背中から撃たれるな 背中から撃たれるな 別冊小説新潮 1978年7月
砂の未亡人 小説現代 1978年10月
悪い依頼人 週刊小説 1978年10月27日
歪んだ火輪 別冊小説宝石 1978年12月
魚が目覚めるとき 増刊問題小説 1978年12月
強欲の代償 問題小説 1979年3月
幽霊会社 増刊問題小説 1979年8月
髑髏を抱いて寝る男 小説現代 1979年10月
裁かれる判事 一秒間の目撃者 週刊小説 1980年11月14日
残酷な愛の証 小説現代 1980年6月
街の牙 小説宝石 1980年4月
失踪宣告 増刊小説現代 1986年8月
人形の爪 小説宝石 1980年8月
壁の中に潜む男 別冊小説宝石 1980年9月
裁かれる判事 別冊婦人公論 1981年1月
柩からの声 小説推理 1980年12月
死者への審判 女の絵心 週刊小説 1982年1月29日
首のない女 別冊小説宝石 1981年12月
炎の宴 小説現代 1981年10月
妄執の女 小説宝石 1982年4月
嘘の壁 小説新潮 1982年3月
死者への審判 小説現代 1982年4月
離婚願望 処刑執行人 法学セミナー 1984年11月 1985年2月
離婚願望 小説現代 1984年10月
女の意地 法学セミナー 1984年9月 1984年10月
骨肉の争い 週刊小説 1985年2月12日
蛇淫の精 別冊小説宝石 1984年9月
背の青い魚 フグ中毒死事件 書き下ろし 1979年10月
背の青い魚 書き下ろし 1979年10月
女心と秋の空 週刊小説 1979年9月14日
女相続人 書き下ろし 1979年10月
呼吸する死者 保険金相続人 書き下ろし 1980年1月
猟銃魔 週刊小説 1979年10月25日
黄昏の死角 月刊小説 1979年12月
呼吸する死者 書き下ろし 1980年1月
妻の前科 妻の前科 週刊小説 1979年12月7日
殺意のない殺人者 書き下ろし 1980年2月
別件勾留 書き下ろし 1980年2月
百日の殺意 書き下ろし 1980年2月
有罪の二つの顔 有罪の二つの顔 書き下ろし 1980年4月
千金の罠 書き下ろし 1980年4月
慟哭の未亡人 月刊小説 1980年3月
鮫の口 週刊小説 1980年3月21日
蒼ざめた証人 妻の弁護 赤旗 1981年9月2日 1981年9月23日
蒼ざめた証人 赤旗 1981年11月1日 1981年12月6日 影の証人
幻の遺産 赤旗 1981年9月25日 1981年10月31日
翳る顔 赤旗 1981年6月1日 1981年7月15日 離婚の条件
賑やかな悲しみ 小指の証し 小説新潮 1982年10月
妻の秘密 小説宝石 1982年7月
愛の裏道 赤旗 1981年7月16日 1981年9月1日
伸び縮みする物差し 週刊小説 1982年11月19日
身銭は切るな 週刊小説 1982年5月21日
賑やかな悲しみ 別冊小説宝石 1982年12月
血ぬられた相続人 血ぬられた相続人 小説宝石 1983年11月
女とミンクと、そして… 週刊小説 1983年2月25日
火の壁 法学セミナー 1984年5月 1984年8月
浮気の価値 週刊小説 1983年9月9日
悪魔の汚点 人買い 別冊婦人公論 1982年4月
悪知恵の輪 別冊婦人公論 1982年1月
夫の前科 別冊婦人公論 1981年10月
女の算段 別冊婦人公論 1981年4月
悪魔の汚点 別冊婦人公論 1982年10月
妻の借金 別冊中央公論 1981年7月
悪人図鑑 身勝手な錯覚 別冊婦人公論 1983年4月
月を求めて歩く女 別冊婦人公論 1983年10月 夢遊する女
嘘つきゲーム 増刊婦人公論 1983年12月
罪な女 別冊婦人公論 1984年1月
春笑う 別冊婦人公論 1984年4月
異教徒の鎖 別冊婦人公論 1983年1月
私を殺したのは誰? 浮気指南 別冊婦人公論 1984年10月
過食の罪 別冊婦人公論 1985年1月
偽りの美徳 別冊婦人公論 1985年4月
まぼろしの証人 別冊婦人公論 1985年10月
私を殺したのは誰 別冊婦人公論 1986年4月
魚鱗荘の惨劇 魚鱗荘の惨劇 別冊婦人公論 1986年10月
偽証弁護士 別冊婦人公論 1986年1月 夫が危い
代理母消失 別冊婦人公論 1987年1月
離婚の後遺症 別冊婦人公論 1987年4月
不倫のツケ 別冊婦人公論 1987年7月
我が子を盗め 我が子を盗め 別冊小説現代 1973年9月
性倒錯者 小説現代 1974年5月
魔淫の罠 小説現代 1976年1月
倒産の罠 小説現代 1972年10月
負け犬の凱歌 小説宝石 1974年3月
死を招く倒産 小説推理 1975年1月
特捜検事M さわ師を葬れ 小説宝石 1975年5月
高利貸変死事件 別冊小説現代 1973年1月
法服の黒袖の下 小説推理 1977年4月
倒産仕掛人 別冊小説宝石 1974年11月
妖虫の棲む家 小説現代 1976年10月
訴訟詐欺 小説宝石 1977年1月
特捜検事M 小説現代 1977年2月
暗黒山林 暗黒山林 小説推理 1973年1月
死者からの電話 小説推理 1975年12月 別題:逆転法廷
死者の家 小説推理 1973年5月
背徳の顔 小説宝石 1976年5月
三年目の疑惑 増刊小説club 1975年2月
安楽死 別冊小説club 1976年6月
還らざる海 小説推理 1973年10月
濡れ手に粟 空白の軌跡 週刊小説 1972年12月8日
手張り 週刊小説 1973年4月27日
背徳の巣 別冊小説宝石 1973年5月
氷点下の証人 小説推理 1974年3月
赤い情事の日記 小説club 1976年11月
三億円の紙吹雪 カッパまがじん 1977年5月
異人館の遺言書 小説宝石 1977年9月
濡れ手に粟 小説推理 1977年12月
円空の鉈 紅い月 増刊宝石 1960年2月
飢えた魂 推理ストーリー 1969年1月
円空の鉈 EQMM 1963年9月
ブルーナムバー 推理 1969年11月
金の卵 増刊宝石 1963年1月
巷に雨が降る如く 推理ストーリー 1968年9月
死刑台の女 死刑台の女 小説現代 1985年6月
完璧すぎたアリバイ オール読物 1985年7月
髪切り魔 別冊小説宝石 1985年5月
時の楔 法学セミナー 1985年3月 1985年4月
あなたの夜と引きかえに 妖精の指輪 小説現代 1985年11月
法廷結婚 問題小説 1986年9月
レイプ・ザ・トライアル 小説春秋 1987年1月
あなたの夜と引きかえに…… 小説宝石 1987年7月
裁く女 オール読物 1987年8月
呪殺人形 呪殺人形 別冊婦人公論 1987年10月
闇からのメッセージ 別冊婦人公論 1988年1月
悪女のベッド 別冊婦人公論 1988年4月
ひとりでは死ねない 別冊婦人公論 1988年7月
あなたの前では素敵な女 猫夫人の復讐 別冊婦人公論 1989年7月
あなたの前では素敵な女 別冊婦人公論 1988年10月
悪意の第三者 別冊婦人公論 1989年4月
真夜中の埋葬者 別冊婦人公論 1989年1月
すげ替えられた時間 別冊婦人公論 1989年10月
妻が敵にまわるとき 妻が敵にまわるとき 小説宝石 1989年3月
復讐夫人 書き下ろし 1989年4月
法廷の死角 問題小説 1988年11月
汚れなき死 小説宝石 1988年12月
破産者の鎖 問題小説 1989年3月
惨殺の金曜日 真夜中のめぐり逢い 小説宝石 1988年8月
蛇の棲む女 小説現代 1988年3月
翔け上る女 問題小説 1988年5月
惨殺の金曜日 小説現代 1987年12月
悪い虫の知らせ 小説宝石 1988年4月
危険を買う女 小説宝石 1987年12月
魔女失格  残酷な埋葬 増刊小説club 1975年6月
さそりの女神 推理文学 1973年7月 1973年12月
鸚哥は知っていた 別冊小説宝石 1972年12月
淫獣の寺 別冊小説宝石 1977年12月
尊属殺人事件 別冊小説現代 1972年11月
魔女失格 増刊小説club 1973年5月
残忍な天使 小説宝石 1978年9月
無効判決 女の一〇〇日間の挑戦 問題小説 1989年10月
ロマノフ王朝の金塊 小説NON 1989年8月
無効判決 小説宝石 1989年7月 逃げる死体
重婚 小説宝石 1989年11月
おかしなアリバイ証人 増刊小説宝石 1989年12月
街は千の目をもつ 週刊小説 1990年2月16日
死者が下した死刑宣告 死者が下した死刑宣告 書き下ろし 1990年5月
告発の豊かな代償 問題小説 1990年3月
ペテン師の花束 小説宝石 1990年3月
殺人者の涙 殺人者の涙 別冊小説宝石 1990年9月
夜を待つ溜め息 小説宝石 1990年7月
屋根裏の闖入者 書き下ろし 1990年9月
詐欺破産 詐欺破産 問題小説 1978年2月
危険な自白 別冊問題小説 1977年1月
倒産の苦い果実 問題小説 1978年6月
冷血 別冊小説宝石 1979年9月
土蜘蛛に飼われた女 小説現代 1980年3月
悪いやつほど女は狂う 悪いやつほど女は狂う 別冊婦人公論 1990年1月 騙されっぱなしは嫌よ
古井戸の怪 別冊婦人公論 1990年4月 裸の街
愛のかけら 別冊婦人公論 1990年7月
裁判官はレディに弱い 別冊婦人公論 1990年10月
罪深い女 別冊婦人公論 1991年1月 罪ある女
ロシアンルーレットの女 ロシアンルーレットの女 別冊婦人公論 1991年7月
たそがれの殺意 別冊婦人公論 1991年4月
密室の短剣 別冊婦人公論 1991年10月 密室の剣
悪女のたしなみ 別冊婦人公論 1992年4月
許された殺意 許された殺意 法学セミナー 1983年5月 1983年6月 殺意
枕捜し 法学セミナー 1983年10月 1984年1月
誘拐 法学セミナー 1983年7月 1983年9月
離婚法廷 法律は家庭に入らず ビッグ・サクセス 1983年8月 1983年9月
虻と蜂 ビッグ・サクセス 1983年10月 1983年12月 女と小切手
朝の鍵 ビッグ・サクセス 1984年1月 1984年3月 見知らぬ乗客
掏摸男の危険な恋 美人検事に別れのキスを 小説宝石 1981年5月
詐欺師の涙 小説宝石 1981年7月
掏摸男の危険な恋 書き下ろし 1991年9月
<単行本未収録> 翼のない鷹 時代小説 1969年8月
女を犯した女 増刊小説club 1973年2月
かまきり 小説現代 1977年10月
微笑は死の匂い 月刊小説 1979年10月
法廷の淑女 月刊小説 1979年11月
「大いなる幻影-仙台9億円事件」 サンデー毎日 1979年12月 1980年1月
呪われた卒業式 月刊小説 1980年1月
ジョギング殺人事件 月刊小説 1980年2月
利益窃盗 週刊小説 1980年2月8日
欲望の黄金地獄 月刊小説 1980年4月
招かれざる客 問題小説 1981年11月
10月X日、東京地裁「被告田中を懲役四年に処す」 週刊読売 1983年2月1日
記憶の旅路 小説宝石 1992年3月

 分かり易さを考慮して、刊行順ではなく、シリーズ別、かつ出版社を考慮した並びにしてみた。ある程度、初出雑誌が揃うようにしたかったのである。
 「悪人のごとく葬れ」だけ、初出が分からなかった。これも書き下ろし収録だった可能性があるが、判断する根拠がないので、例によって初出不明としている。
 また、改題された作品については、初出誌と単行本を比べていないので、組み合わせが間違っているものもあるかも知れない。間違いがあれば、ご指摘ください。

 ということで、分かるのが、書き下ろしの多さである。初期には、文庫オリジナルの短編集に、複数の短編集書き下ろしの作品が掲載されていることがあった。これが、和久の初期作品に文庫書き下ろしが多かった――と勘違いした原因かも知れない。
 特に目立つのが、『背の高い魚』に始まる、“弁護士・花吹省吾”で――。表をよく見れば分かるが、全作品書き下ろしの著書ことないが、よくよく見ると、雑誌初出の年月と著書刊行の年月(=短編集書き下ろしの年月)がほぼ同じことが分かる。つまり、短編集用に書き下ろしで準備していた短編を、原稿依頼に応じて提供し、並行してそのまま短編集に収めただけ(つまり、作者の意識では、全作品書き下ろしのようなもの)――という可能性すら感じてしまうのである。
 なお、同シリーズでもう一つ興味深いのが、短編集書き下ろしの作品が多い一方で、単行本未収録の作品も多いことだろう。単行本未収録のうち、月刊小説と週刊小説に載った6編は、いずれも同シリーズの作品なのだ。これは、同シリーズが、テレビドラマ放映と並行して小説が書かれていて、単行本の刊行が間に合わなくなったせい――なのかも知れない。しかし、ドラマ放映が終わってから単行本だけ刊行するのも不自然、ということで、こんな形になった……というのは穿ち過ぎだろうか。
 他の単行本未収録の作品は、和久一名義で発表されたアクション小説「翼のない鷹」やショートショート「かまきり」など、確かに単行本にしにくいわな、というものだったりするので、これらの異質性だけが、やけに目につく。

 こんな結果を見ると、少なくとも著書刊行に関しては、和久は早過ぎた作家だったのかも知れない。現在のように、文庫レーベルが更に増えた時代であれば、より活躍していた気もしてくるのだ。


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戸田和光

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