若さま侍 作品書誌

戸田和光 編


はじめに

 はじめに、お断りしておく。私は、下記に挙げる作品を、系統だって読んだことがない。若さま侍(城昌幸)について、全くの門外漢がまとめた資料であることを、予め、御諒解しておいていただきたい。従って、特に改題等については、初歩的な間違いをしている可能性もあるだろう。気付いた点があれば、ご指摘ください。
 では、何故まとめたのか、というと、300編近い作品があるのに、私自身が今までに綺麗にまとめられたリストを見たことがない、ということがあったからだ。不完全でも、一度形にしておけば、後の人の参考になるかも知れない、と思ったためである。加えて、友人に城昌幸のファンがおり、かなりの数の情報を教えてもらえた、ということもある。後は、楽しみながら、データをこねくり回した結果に過ぎない。
 試供品といいながら、書誌データとしては、それなりに実見したものも多く、一定程度の確度はあるつもりだ。友人に教えてもらった情報のウラは取り切れていないが、そこに誤りがあれば、確認せずに引用した私の間違いであることを、お断りしておく。

本リストについて

 若さま侍は、城昌幸が創造した、捕物帳の主人公である。昭和14年に第一作が書かれ、昭和40年代まで書かれ続けたシリーズで、城を代表するものなのは間違いない。
 城は、多くの捕物小説を書いている。若さま侍が圧倒的に多いが、他に、新十郎、裏の先生(御隠居)、といったオリジナルキャラクターを創造しているし、捕物作家クラブによる合作の伝七捕物帳でも十数編担当している。他にも、単発のキャラクターによる捕物小説もあり、全貌をつかむのは困難である。
 ただでさえ、戦後間もない時代、城は媒体を選ばずに執筆していた。それらカストリ新聞・雑誌は、現存しているものが少なく、確認は容易ではない。更に、昭和20年代から30年代にかけてはクラブ雑誌全盛であり、作品の再録が頻繁に行われていた。当時人気だった若さま侍も例外ではなかったし、その際にタイトルが変えられることも多く、どれが初出なのか、特定は容易ではない。
 私に出来る限りで、帳尻を合わせたものになっていると思うが、誤りがあれば、下記のアドレス宛てにご指摘ください。

gokusiteki.shuuishu@gmail.com    (@を半角に修正してください)    


長編

通番タイトル別題など雑誌・新聞名掲載年月連載終了年月 備考
1双色渦紋 別題:べらんめえ活人剣/宗十郎頭巾 埼玉新聞 1948年3月31日 1948年8月8日
2くれない系図 別題:くれない夜叉/女幻術師 日本夕刊 1950年8月2日 1951年3月14日
3幻妖七姫伝 別題:七姫伝奇 日本夕刊/新夕刊 1952年6月22日 1953年1月30日 10
4おえん殿始末 別題:魔の死美人屋敷/迷い駕籠 河北新報(夕刊) 1955年3月25日 1955年12月16日 16
5人魚鬼 河北新報(夕刊) 1955年12月17日 1956年7月19日 17
6天を行く女 デイリースポーツ 1956年11月4日 1957年3月31日 18
7月光の門 大阪新聞 1957年4月16日 1958年2月10日 20,21
8虚無僧変化 別題:梵論字なだれ 内外タイムス 1959年6月21日 1959年12月28日 24
9卍むらさき 書き下ろし 1965年3月 26
10かんなぎ崩れ 書き下ろし 1965年4月 27
11影姫道中 書き下ろし 1965年6月 28
12しぐれの伝八 書き下ろし 1965年8月 29
13牡丹に唐獅子 書き下ろし 1965年10月 30
14百鬼夜行 千葉日報 1966年12月18日 1968年1月27日 31,32

中編

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通番タイトル別題など雑誌・新聞名掲載年月連載終了年月主な収録書備考
1五月雨ごろし 別題:仮面の男 書き下ろし 1947年6月 『紅鶴屋敷』
2狂い恋 神戸新聞 1951年11月1日 1951年12月14日 『若さま侍捕物やなぎ橋』
3心中くずれ 神戸新聞 1951年12月15日 1952年1月22日  
4かいやぐら 神戸新聞 1952年2月27日 1952年3月26日 桃源社5
5神かくし 北陸新聞(夕刊) 1953年9月26日 1953年11月2日 桃源社6 12
6浮世やみ夜 北陸新聞(夕刊) 1953年11月3日 1953年12月17日 『まんじ笠』 12
7まぼろし力弥 中日スポーツ 1954年2月25日 1954年4月24日 桃源社9 13
8だんまり闇 中日スポーツ 1954年4月25日 1954年6月14日 桃源社7 14
9まんじ笠 中日スポーツ 1954年6月15日 1954年8月5日 『まんじ笠』 14
10変化恋 面白倶楽部 1958年6月 1958年7月 桃源社4 22
11紅鶴屋敷 書き下ろし 1959年3月 『紅鶴屋敷』 23
12女化け市 日本農業新聞 1968年10月1日 1968年11月30日 『江戸悪人囃子』 33
13千姫万姫 日本農業新聞 1968年12月2日 1969年1月31日 『若さま侍殺生剣』 34
14謎文がらみ 日本農業新聞 1969年2月1日 1969年5月31日 『江戸悪人囃子』 33
15おどろ踊り 日本農業新聞 1969年6月2日 1969年9月30日 『若さま侍殺生剣』 34

短編

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通番タイトル別題など雑誌・新聞名掲載年月連載終了年月主な収録書備考
1舞扇の謎初出題:舞扇三十一文字週刊朝日特別号1939年4月桃源社1
2おんな白浪初出題:艶姿女装白浪/別題:煙り夜叉増刊週刊朝日1939年5月桃源社1
3猿まわし初出題:恩愛猿人真似/別題:狂女お藤の死増刊週刊朝日1939年6月桃源社1
4恋は曲者初出題:隅田川恋魔者/別題:幽霊駕籠/愛怨恋魔地獄/隅田川心中増刊週刊朝日1939年7月桃源社1
5かすみ八卦初出題:娘八卦澤火革週刊朝日特別号1939年9月桃源社1
6謎の封筒初出題:碁解謎封筒増刊週刊朝日1939年9月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
7もののけ娘別題:つきもの娘増刊週刊朝日1940年1月桃源社1
8甘利一族初出題:偽片輪美女仇討ち/別題:変化片輪美女増刊週刊朝日1940年1月桃源社3
9声でない声初出題:女心不言不語増刊週刊朝日1940年4月桃源社1
10曲輪奇談初出題:苗売り曲輪綺談週刊朝日特別号1940年6月桃源社1
11鬼仏往生新青年1940年6月桃源社1
12尺八巷談初出題:雲取山尺八奇談/別題:雲取山尺八巷談/尺八を吹く天狗増刊週刊朝日1940年8月桃源社1
13埋蔵金お雪物語初出題:埋蔵金於雪物語/別題:お雪物語増刊週刊朝日1940年10月桃源社6
14うんてれがん初出題:諜僧・伴天連稲荷増刊週刊朝日1941年1月桃源社7
15霊亀香人形供養慰問読物1941年5月春陽文庫4
16双面黄楊の小櫛別題:黄楊の小櫛/ふたつ面増刊週刊朝日1941年7月桃源社3
17金梨子地空鞘判断別題:空鞘判断/娘殺し謎の名刀増刊週刊朝日1941年9月桃源社9
18卅石夜船詮議別題:三十石夜船増刊週刊朝日1941年11月桃源社3
19暗闇まつり宝石1946年6月桃源社1
20お年貢金五百両<戯曲>宝石1946年8月春陽文庫5
21身代り傷読物と漫画1947年2月 ※2
22亡者ごろし宝石1947年4月桃源社8
23心中歌さばき妖奇1947年9月桃源社4
24尻取り経文別冊宝石1948年1月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
25黒装束実話と読物1948年1月『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
26ぶらぶら小袖真珠1948年3月『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
27歩く首吊り東京1948年5月『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
28振袖猫別題:振り袖猫ストーリー1948年6月桃源社72/30
29三人甚内ストーリー1948年6月桃源社4
30二本傘の秘密小説の国別冊1948年8月『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
31あやめかきつばた女性増刊1948年8月『若さま侍捕物手帖 天の巻』※6
32土牢人ストーリー1948年9月『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
33きき酒道中ストーリー1948年10月
34十六剣通し旬刊ニュース増刊1948年11月春陽文庫5
35お手討ち文ストーリー1949年1月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
36人化け狸太陽1949年1月桃源社5
37からくり蝋燭天狗1949年1月1949年3月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
38嘘から出た真モダン小説1949年1月
39南蛮秘夢ストーリー1949年2月桃源社12
40風来坊にっぽん1949年2月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
41通り魔富士1949年2月
42ふたつ姿太陽1949年3月桃源社8
43地獄図絵ストーリー1949年4月桃源社8
44身代り騒動ストーリー1949年6月桃源社3
45菖蒲狂い太陽1949年6月春陽文庫2
46狂女失踪読切雑誌1949年6月
47嘘と嘘月刊読売1949年7月桃源社7
48生霊心中太陽1949年8月春陽文庫4
49石見銀山太陽1949年9月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
50消え失せた死骸第一読物1949年9月春陽文庫4
51白浪商人オール小説1949年10月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
52お色屋敷別冊太陽1949年10月桃源社3
53お慈悲裁きオール小説1949年12月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
54鳥追い地獄オール小説1950年1月桃源社9
55捕物道中太陽1950年1月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
56悪鬼羅刹増刊講談雑誌1950年2月春陽文庫4
57幽霊泥棒※1報知新聞1950年2月16日1950年2月28日春陽文庫4
58花見茶番オール小説1950年3月桃源社5
59けむり騒動月刊読売1950年3月桃源社8
60お高祖頭巾初出題:お高祖頭巾の女講談雑誌1950年3月桃源社6
61藤八拳ごろし富士1950年4月桃源社7
62恋慕ごろし小説の泉1950年4月桃源社6
63悪心善心講談雑誌1950年5月春陽文庫5
64お神楽化け別題:あの世の話キング1950年7月『江戸風流剣』
65金の実る木講談雑誌1950年7月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
66奥州安達ヶ原富士1950年7月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
67娘の行方1950年以前『若さま侍捕物帳』(大衆読物社版)
68小唄からくり初出題:小唄で口説く女講談雑誌1950年10月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
69あやふや人形小説の泉臨時増刊1950年10月桃源社6
70両国橋・天満橋宝石1950年10月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
71禅問答別題:茂兵衛の死別冊読物と講談1950年10月桃源社7
72どんどろ闇講談雑誌1950年11月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
73恋の生首講談雑誌1950年12月『若さま侍颯爽剣』
74面妖殺し1950年以前春陽文庫4
75愛憎二ツならず初出題:裸身愛憎講談雑誌1951年1月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
76艶姿人妻しぐれ夫婦生活1951年1月
77風の神お宿講談倶楽部1951年2月桃源社5
78くぜつ幽霊講談雑誌1951年2月『若さま侍捕物手帖 天の巻』
79さくら船講談雑誌1951年4月『江戸風流剣』
80花見ながれ宝石1951年4月桃源社9
81手長島富士1951年6月桃源社5
82袈裟御前講談倶楽部1951年7月桃源社4
83川供養別冊モダン日本1951年8月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
84太公望別題:謎を釣る人別冊モダン日本1951年9月『若さま侍捕物手帖(河出新書
85女ごころ別題:秋草幽霊増刊実話講談の泉 1951年9月桃源社8
86幽霊ごろし中日ウィークリー1951年9月5日1951年9月26日桃源社4
87女ごろし屋敷<探偵放送劇> 初出題:若さま侍捕物手帳増刊宝石1951年10月春陽文庫619※5
88影の恋人中日ウィークリー1951年10月3日1951年10月10日桃源社4
89小一郎変化原題:死人化け中日ウィークリー1951年10月31日1951年11月14日『若さま侍捕物手帖 天の巻』
90あの世からの落し物1951年10月以前『若さま侍捕物手帖 天の巻』11 ※3
91貧乏神別題:身投げ騒ぎ中日ウィークリー1951年12月5日1951年12月19日『江戸風流剣』
92鳥追い噺別冊宝石1952年1月『江戸風流剣』
93お色検校読切倶楽部1952年2月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
94なすな恋富士1952年2月
95死骸かくし講談雑誌1952年2月
96化けもの市講談倶楽部1952年2月
97出合茶屋1952年2月以前『若さま侍捕物手帖 地の巻』11 ※3
98怨み返し講談雑誌 1952年3月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
99手妻はだし読切倶楽部1952年3月『べらんめえ剣法』
100天狗隠し読切倶楽部1952年4月『べらんめえ剣法』
101隣り座敷講談雑誌1952年4月
102仙人仙薬読切倶楽部1952年5月『べらんめえ剣法』
103春雨娘別題:おぼろ夜娘講談雑誌1952年5月
104情狂い面白倶楽部1952年6月桃源社4
105金怨み講談雑誌1952年6月桃源社2
106宙ぶらりん富士特別号1952年6月桃源社11
107百両壺読切倶楽部1952年6月『べらんめえ剣法』
108ろくろッ首問答初出題:ろくろっ首別冊宝石1952年6月桃源社4
109夕立傘講談雑誌1952年7月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
110ながれ舟読切倶楽部1952年7月『べらんめえ剣法』
111人魚初出題:人魚ばなし講談雑誌1952年8月桃源社6
112千姫狐実話講談の泉1952年8月桃源社12
113あれこれ違い読切倶楽部1952年8月『べらんめえ剣法』
114名指し幽霊読切倶楽部1952年9月『べらんめえ剣法』
115生きている幽霊読切小説集1952年9月桃源社6
116お化け伍兵衛原題:念仏坂神隠し講談雑誌1952年9月『若さま侍捕物手帖 地の巻』
117だんまり勘定講談雑誌1952年10月『災難づくり』
118辻琴人情読切倶楽部1952年10月『べらんめえ剣法』
119狐つき娘少年少女譚海1952年10月
120女心の一念別題:お百度女心講談雑誌1952年11月『若さま侍颯爽剣』11
121五両執念読切倶楽部1952年11月『べらんめえ剣法』11
122暗がり問答別冊読切小説集1952年11月桃源社211
123大屋根思案講談雑誌1952年12月桃源社1111
124天下一の人読切倶楽部1952年12月『べらんめえ剣法』11
125雪見酒読切倶楽部1953年1月(新春特別号)『べらんめえ剣法』11
126福の神行状読切倶楽部1953年1月『べらんめえ剣法』11
127百両なさけ講談雑誌1953年1月11
128袈裟女郎講談雑誌1953年2月『災難づくり』11
129紅梅月夜読切倶楽部1953年2月11
130嘘つき人情読切読物倶楽部1953年2月桃源社711
131剣妖鬼講談雑誌1953年3月『江戸ッ子千両裁き』11
132色恋の道読切倶楽部1953年3月桃源社311
133花見囃し読切倶楽部1953年4月桃源社911
134半分幽霊読切倶楽部1953年5月桃源社911
135月夜笛増刊講談倶楽部1953年6月桃源社1111
136別れ言葉別冊宝石1953年6月桃源社1011
137首つり榎読切倶楽部1953年6月桃源社812
138ぶらぶら鳥居別冊読切小説集1953年6月『若さま侍颯爽剣』12
139見えない幽霊富士1953年7月『災難づくり』12
140千姫もどき読切倶楽部1953年7月桃源社312
141呪えば穴二つ読切倶楽部1953年8月桃源社812
142笛恋い狂い別題:笛恋い別冊読切小説集1953年8月『江戸風流剣』12
143雨夜の尋ね人別冊宝石1953年9月『若さま侍捕物手帖 地の巻』12
144みけんじゃく読切倶楽部1953年9月『若さま侍無双剣』12
145用心棒読切倶楽部1953年10月桃源社512
146猫の弁当読切倶楽部1953年11月桃源社512
147巡礼女房別冊読切小説集1953年11月桃源社1113
148二人こうすけ読切倶楽部1953年12月桃源社413
149身代り口説捕物倶楽部1954年1月『若さま侍 捕物十三変化』13
150乙女の瞳別冊宝石1954年1月桃源社313
151濡衣神読切倶楽部1954年1月桃源社413
152地獄変相図読切倶楽部1954年2月桃源社1013
153二分割れ殺し読切倶楽部1954年3月13
154人形恋慕別冊読切小説集1954年3月桃源社1013
155糸くず感状初出題:糸くづ感状別冊宝石1954年4月13
156おちよ影二ツ増刊講談倶楽部1954年4月『若さま侍無双剣』13
157大べら棒講談雑誌1954年4月桃源社1013
158花見船小説と読物1954年4月桃源社1013
159千両河童読切倶楽部1954年4月桃源社1013
160だんまり絵解き講談雑誌1954年5月桃源社1114
161浮気な浦島捕物倶楽部1954年5月桃源社1114
162めくら駕篭読切倶楽部1954年5月桃源社1114
163狸の花嫁読切倶楽部1954年6月桃源社1114
164一夜妻講談雑誌1954年7月桃源社214
165千里眼別題:情婦ごろし千里眼読切倶楽部1954年7月桃源社1114
166身売り殺し講談雑誌1954年8月桃源社214
167通い幽霊読切倶楽部1954年8月桃源社1114
168一文惜しみの百知らず原題:百知らず別冊読切小説集1954年8月桃源社215
169怪談くずれ増刊講談倶楽部1954年9月『若さま侍 捕物十三変化』14※4
170威しぶみ講談雑誌1954年9月桃源社215
171好色罪有り別冊宝石1954年9月『若さま侍 捕物十三変化』15
172天狗ヒヨツトコ読切倶楽部1954年9月桃源社1115
173浮気かくし講談雑誌1954年10月15
174人身御供読切倶楽部1954年10月桃源社1015
175乱れ五菊読切倶楽部1954年11月桃源社1015
176ビルゼン昇天読切倶楽部1954年12月桃源社1015
177箪笥かがみ講談倶楽部1955年1月桃源社1015
178天狗矢ごろし読切倶楽部1955年1月『災難づくり』15
179三つ巴討ち別冊宝石1955年1月15
180金づる駕籠増刊キング1955年2月『若さま侍捕物手帖 天の巻』15
181武者絵隠し初出題:参すくみ隠し/ 別題:神隠し読切倶楽部1955年2月桃源社815
182妻恋い凧初出題:こども凧読切倶楽部1955年3月桃源社815
183やさしい女読切倶楽部1955年4月桃源社715
184下手人作り読切倶楽部1955年5月『災難づくり』15
185のっぺらぼう大衆小説1955年9月1955年10月『若さま侍捕物手帖 地の巻』15
186千両箱のみがわりぼくら1955年10月15
187天守閣の狸講談倶楽部1955年11月桃源社518
188娘太夫初出題:娘太夫ごろし大衆小説1955年11月1955年12月桃源社318
189恋の投げ銭明星1955年12月桃源社318
190まぼろし心中別冊講談倶楽部1956年2月『災難づくり』18
191お影さま明神別冊キング1956年5月『若さま侍無双剣』19
192刺鳥竿がらみ別冊講談倶楽部1956年6月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
193勘兵衛参上講談倶楽部1956年8月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
194ひたひた闇明星1957年1月1957年2月『勘兵衛参上』19
195一寸先の闇講談倶楽部1957年2月『若さま侍捕物手帖 地の巻』19
196乙姫女房講談倶楽部1957年4月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
197命の恋夫婦生活1957年5月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
198女狐ごろし面白倶楽部1957年6月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
199嘘つき長屋増刊講談倶楽部1957年6月『若さま侍捕物手帖 天の巻』19
200友二カ幽霊面白倶楽部1957年7月『若さま侍捕物手帖 地の巻』19
201薄ボケ侍參上小説倶楽部1957年7月『若さま侍捕物手帖 地の巻』19
202恋の闇路別冊平凡1957年7月桃源社219
203罪つくり1957年8月以前桃源社522
204恋慕裁き初出題:恋の空鞘面白倶楽部1957年9月『災難づくり』22
205無筆の恋文講談倶楽部1957年9月『江戸風流剣』22
206恋慕すがかき増刊講談倶楽部1957年10月『若さま侍颯爽剣』22
207浪人の娘1957年10月以前『若さま侍天下剣』22
208死神おりん面白倶楽部1957年11月桃源社1022
209首くくり指南講談倶楽部1958年1月桃源社222
210おきん狐読切倶楽部1958年1月桃源社222
211殺され手紙平凡増刊1958年2月桃源社222
212きつね女房別冊平凡1958年2月桃源社222
213怨積お化け講談倶楽部1958年3月桃源社222
214幽霊の足どり読切倶楽部1958年4月桃源社322
215玉の肌地獄講談倶楽部1958年6月桃源社322
216春信えがく講談倶楽部1958年8月桃源社522
217艶福寺ばなし面白倶楽部1958年9月桃源社623
218狂い心中週刊ロマンス1958年10月2日不明桃源社823
219濡れごと幽霊面白倶楽部1958年12月桃源社923
220災難づくり小説の泉1959年5月『若さま侍天下剣』23
221だんまり裁き中日新聞1959年5月10日23
222忍術泥棒講談倶楽部1959年12月『忍術泥棒』23
223天下の名物週刊大衆1960年1月18日『若さま侍仁侠剣』23
224死骸盗人週刊大衆1960年3月28日1960年4月4日『若さま侍風流剣』23
225人情地獄週刊大衆1960年4月11日1960年4月18日『若さま侍仁侠剣』23
226仇討くずれ週刊大衆1960年4月25日1960年5月2日『若さま侍風流剣』25
227めくらまし週刊大衆1960年5月9日1960年5月16日『若さま侍風流剣』25
228酔いどれ騙し増刊週刊漫画TIME1960年5月11日25
229一宿一飯週刊大衆1960年5月23日1960年5月30日『若さま侍風流剣』25
230暗やみ行燈週刊大衆1960年6月6日1960年6月13日『若さま侍風流剣』25
231行徳の清七週刊大衆1960年6月20日1960年6月27日『若さま侍風流剣』25
232おぼろ草紙週刊大衆1960年7月4日1960年7月11日『若さま侍仁侠剣』25
233命の恋人週刊大衆1960年7月18日1960年7月25日『若さま侍仁侠剣』25
234化けこみ店週刊大衆1960年8月1日1960年8月8日『若さま侍仁侠剣』25
235生首人形週刊大衆1960年8月15日1960年8月22日『若さま侍仁侠剣』25
236娘さがし週刊大衆1960年8月29日1960年9月5日『若さま侍仁侠剣』25
237謎唄くずし週刊大衆1960年9月12日1960年9月19日『若さま侍仁侠剣』25
238白羽の矢週刊大衆1960年9月26日1960年10月3日『若さま侍仁侠剣』26
239美男かずら週刊大衆1960年10月10日1960年10月17日『若さま侍仁侠剣』26
240鳥追い化粧愛媛新聞1962年1月1日27
241逃げた女エロチックミステリ1962年1月1962年2月『若さま侍仁侠剣』27
242文使い姫エロチックミステリ1962年4月1962年5月『江戸風流剣』28
243どんどろ舟エロチックミステリ1962年6月『若さま侍仁侠剣』28
244さつき闇エロチックミステリ1962年7月『江戸風流剣』28
245女難かなわ面エロチックミステリ1962年8月『江戸風流剣』29
246生霊ばなしエロチックミステリ1962年9月『江戸風流剣』29
247袈裟掛け榎エロチックミステリ1962年10月『江戸風流剣』29
248悪洒落ごろしエロチックミステリ1962年11月『江戸風流剣』29
249色豪伝エロチックミステリ1962年12月『江戸風流剣』30
250待ちぼうけ文芸朝日1965年9月『若さま侍天下剣』30

 ※1 初出時は、若さま侍捕物手帳≠フタイトルのみで掲載(幽霊泥棒は、章題にあった)。その後、『捕物講談』に再録された際に、このタイトルが付されている。章題がなくなり、節番号になったのも、この再録時である。
 ※2 捕物出版殿の 2019年9月12日 のツイートに従い、追加。黒田明氏から発掘連絡があった由。
 ※3 指摘(初収録本の誤り)に基づいて、2019年10月12日 に初出順を修正。
 ※4 初出誌の刊行月に確認ミスがあったため、2020年7月5日 初出順を修正。
 ※5 春陽文庫には『若さま侍捕物手帖6』があり、そちらに収録されている、との指摘を受けて、2020年7月5日 追加。放送劇の扱いは悩みのタネですが、そのまま著書に入れているなら、作者がそれを完成形と考えていたと判断したものです。
 ※6 黒田明氏の指摘を受けて、初出誌を修正。2020年11月14日。

 初出雑誌が空欄の作品は初出不明なもの、主な収録書が空欄の作品は単行本未収録のものである。初出不明の作品については、収録書の発行年月をもとに、挿入している。
 また、単行本間の重複については、別途整理したいと思っている。

 また、右端の「捕」の列は、2019年から21年にかけて刊行された、捕物出版によるオンデマンド作品集の収録巻を示す(正しくは漢数字なのだが、全34冊であるので、和数字表記とした)。現在本シリーズを読もうとしたら、これが最も容易であろう。

 短篇だけだと、ようやく250作に達した。が、「短篇だけで二百五十篇を超すという――或いは、三百に近いかも知れない」という城本人のコメントと食い違っているが、現時点では、これが精一杯だった。これ以外にも単行本未収録の作品が多いのかも知れない。

※2012年12月22日/2013年3月7日、MORIO氏からご指摘を受けて、十数作を修正。初出不明作がいくつか減ったが、まだまだ先は長い……。
※2019年10月12日、池田徹氏からご指摘を受けて、二作の初出を記載。また、初出題等を修正、更に、初出不明作品の初出順を修正(大汗)。――申し訳ありませんでした。とはいえ、先人の業績に感謝です。ついでに、知っていながら忘れていた別題情報を今更ながら追加(大汗)。
※2020年7月5日、池田徹氏からご指摘を受けて、作品を追加。あわせて、別件で判明した初出順の間違いを修正。
※2020年8月23日、東京創元社編集部殿からご指摘を受けて、初出誌の表記を一部修正。「増刊」と「別冊」などは精査できておらず、間違っているところがあるかも、とは以前から思っていましたが、初出を丹念にあたっての指摘を受けました……。情けない。他に気になる点があれば、ご指摘ください。
 この中で、《読切倶楽部》は創刊(1952年1月)からほぼ1年は《講談読切倶楽部》の方が正しいようだ、との指摘がありました。これはその通りなのですが、国会図書館の電子データでは《読切倶楽部》で出てくるため、修正していません。検索する際も、短い方が都合が良かったりするので……。ご注意ください。
 しかしながら、やっぱり先は長い……。

未確認情報

 この拙いリストをもとに、捕物出版殿が全集を刊行された。全34冊で完結したので、参考資料として、未確認情報についてまとめておく。城作品として手元のメモにはあるが、実見できず、埋もれている若さま作品か、改題再録かが識別できていないものである。
 実際は、未見のものはまだ数多くあり、タイトルだけ見れば識別できないものもあるが、新聞広告で確認した際に、若さま侍ものという情報が付されているのが、以下の作品になる。

   座敷牢殺し      傑作倶楽部         1955年 5月

 座敷牢での殺人というと、「猿まわし」が該当するので、単にその改題再録の可能性もあるが、こればかりは実際に確認してみないと、無条件に別題とする訳にはいかないのは当然である……。(2022年4月)


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戸田和光