戸田和光 編
ふと思いついて、ソノラマ文庫から刊行された、ジュヴナイル・ミステリ短編集のリストをまとめてみることにした。当然、初出の確認も兼ねたものとしている。
便宜上、ソノラマ文庫とは題したが、加納一朗のリストをまとめる以上、その他の文庫から出たジュヴナイル短編集も入れておかないと、格好がつかないと考え、とりあえず、気がついたものも追加している。この形でまとめるなら、この本にも触れないと、といったものがあれば、ご指摘いただければ幸いです。
誤り等がありましたら、ご指摘ください。
| 作者 | 書名 | 刊行年月 | 刊行文庫 | 収録作 | 初出誌 | 初出年月 | 初出タイトル |
| 梶龍雄 | 影なき魔術師 | 昭和52年12月 | ソノラマ文庫 | 影なき魔術師 | 中学生の友一年付録 | 昭和35年3月 | |
| 消えた乗用車 | 中学生の友二年付録 | 昭和37年1月 | |||||
| 都筑道夫 | 蜃気楼博士 | 昭和50年11月 | ソノラマ文庫 | 午後5時に消える | 中学三年コース | 昭和44年1月 | 午後五時に消える |
| 蜃気楼博士 | 中学二年コース | 昭和44年5月〜11月 | |||||
| 百人一首のなぞ | 中学二年コース | 昭和45年2月 | 百人一首を追いかけろ! | ||||
| 藤村正夫 | 盗まれた表札 | 昭和52年2月 | ソノラマ文庫 | 盗まれた表札 | 中学三年コース | 昭和39年1月〜4月 | |
| 幽霊が死んだ | 中学一年コース | 昭和44年4月〜7月 | ゆうれいが死んだ | ||||
| 黒い赤土 | 中学三年コース | 昭和44年8月〜10月 | くろい赤土 | ||||
| 鹿が泣いている | 中学二年コース/中学三年コース | 昭和46年3月〜4月 | |||||
| 山村正夫 | 読者への挑戦 | 昭和51年3月 | ソノラマ文庫 | 死の分譲住宅 | 子供の科学 | 昭和47年1月〜2月 | 密室の銃声 |
| 怪獣沼の殺人 | 子供の科学 | 昭和47年9月〜10月 | |||||
| 産業スパイはだれだ | 子供の科学 | 昭和48年1月〜2月 | 産業スパイはだれだ!! | ||||
| ぼくは殺される | 子供の科学 | 昭和47年3月〜4月 | ぼくは殺される!! | ||||
| 脅迫魔 | 子供の科学 | 昭和48年5月〜6月 | |||||
| 消えた短剣 | 子供の科学 | 昭和48年7月〜8月 | |||||
| 幽霊犯人 | 子供の科学 | 昭和48年3月〜4月 | |||||
| 影のアリバイ | 子供の科学 | 昭和47年5月〜6月 | |||||
| めっかちの車 | 子供の科学 | 昭和47年7月〜8月 | |||||
| 白樺荘の怪事件 | 子供の科学 | 昭和48年9月〜10月 | 白カバ荘の怪事件 | ||||
| 死を呼ぶ祭り | 子供の科学 | 昭和48年11月〜12月 | |||||
| 逃げだしたカナリア | 子供の科学 | 昭和47年11月〜12月 | |||||
| 加納一朗 | 虹魚は海に消えた | 昭和51年8月 | ソノラマ文庫 | 虹魚は海に消えた | |||
| ふくろうが死を歌う | 昭和52年4月 | ソノラマ文庫 | ふくろうが死を歌う | 美しい十代付録 | 昭和36年9月 | ふくろうが歌う | |
| はなやかな追跡者 | 美しい十代付録 | 昭和36年5月 | 銀座に黒い風が吹く | ||||
| 天使の身代金 | 昭和51年2月 | 秋元文庫 | 天使の身代金 | 美しい十代付録 | 昭和40年10月 | ピアノ線の秘密 | |
| ゆがんだ指輪 | 美しい十代 | 昭和36年7月 | |||||
| あまい死のにおい | 昭和51年10月 | 秋元文庫 | 白い墓場 | 美しい十代付録 | 昭和35年9月 | ||
| 三人の容疑者 | 美しい十代 | 昭和35年9月 | |||||
| 窓の中の男 | 美しい十代 | 昭和35年10月 | |||||
| 悪魔の爪 | 美しい十代 | 昭和35年11月 | |||||
| 沈んだ記憶 | 美しい十代 | 昭和38年7月 | |||||
| あまい死のにおい | 美しい十代臨時増刊 | 昭和38年8月 | 甘い死のにおい | ||||
| 雪の誕生日 | 美しい十代 | 昭和41年1月 | |||||
| ペンフレンドを捜せ | 小説女学生コース | 昭和44年4月 | |||||
| 高原弘吉 | アトリエ殺人事件 | 昭和54年5月 | コバルト文庫 | アトリエ殺人事件 | 中学一年コース付録 | 昭和43年9月 | |
| 双眼鏡は知っていた | 小説ジュニア | 昭和51年12月 | |||||
| かくしマイクのわな | 中学一年コース付録 | 昭和43年6月 | |||||
| 古屋敷ののろい | 中学一年コース付録 | 昭和43年6月 |
もともと、このリストをまとめておこうと思ったのは、これらの短編集は、昭和50年代に刊行されたものなのに、その収録作の大半は、昭和40年前後に刊行されたものばかりだよね――ということに気付いたから、というものだ。少なくとも、(数編の例外を除いて、)これらの作家がジュヴナイル(中高生向け)を書いたのはその頃だったのに、何故か本にまとまったのは昭和50年頃になってから、ということを、明示してみたかったのである。この辺りについては、何らかの考察が可能かも知れない(単に、ジュヴナイル向けの文庫ミステリを出そうとしたが、適当なものがなかったから、といった理由かも知れないが、それはそれで、多少の考察は可能かと思う)。
なお、『虹魚は海に消えた』は、長編なので、本来はこのリストの対象外なのだが、この初出が分かっていないので、自分へのメモも兼ねて、敢えて残している。ご理解いただきたい。
| 書名 | 刊行年月 | 刊行文庫 | 収録作 | 作者 | 初出誌 | 初出年月 | 初出タイトル | 殺人ゲームに挑戦 | 昭和52年8月 | ソノラマ文庫 | 黒いおじさん | 都筑道夫 | 中学生の友一年 | 昭和36年11月 | 奇妙なアルバイト | 江戸川乱歩 | 中学生の友 | 昭和31年4月 | ぼくが銃声を聞いたとき | 大谷羊太郎 | 高二時代 | 昭和51年3月 | 誘拐魔 | 斎藤栄 | 高一コース | 昭和46年11月〜昭和47年1月 | 消えた少年 | 山村正夫 | 小学五年生 付録 | 昭和48年12月 | 弁天沼殺人事件 | 草野唯雄 | 中三時代 | 昭和46年11月 | 一件落着! | 辻真先 | ? | 恐怖のデッドボール | 楠田匡介 | 野球少年 | 昭和29年1月〜2月 | おぼれるさかな | 加納一朗 | 6年の学習 読み物特集号 | 昭和45年9月 | 殺し屋はだれだ | 氷川瓏 | 『ねらわれた男』 | 昭和49年2月 | 殺し屋はだれだ! | 雪の軌跡 | 藤村正太 | 高二コース | 昭和38年12月 | きみのうしろに死神が | 昭和52年8月 | ソノラマ文庫 | 赤いシュプール | 斎藤栄 | 中学一年コース/中学二年コーズ | 昭和44年1月〜4月 | あおざめた詩集 | 夏樹静子 | 女学生の友増刊 | 昭和37年8月 | 午後十時の日食 | 都筑道夫 | 高校コース | 昭和37年1月 | 危険な訪問者 | 大谷羊太郎 | 中学三年コース | 昭和49年7月 | ロボット作戦 | 山村正夫 | 中一時代付録 | 昭和43年7月 | 影の記憶 | 加納一朗 | 希望ライフ | 昭和44年4月 | 呪われた顔 | 昭和52年8月 | ソノラマ文庫 | 幽霊は二度現れた | 大谷羊太郎 | 中学三年コース | 昭和49年8月 | 観音塔の怪異 | 氷川瓏 | 中学一年コース | 昭和50年6月 | 観音塔のまだら少年 | さまよう足あと | 加納一朗 | 希望の友 | 昭和49年8月 | 金蠅 | 草野唯雄 | 中二時代付録 | 昭和48年1月 | 霧の中の怪人 | 香山滋 | 少年増刊 | 昭和30年1月 | 殺すのは待って | 山村正夫 | 女学生ロマン | 昭和45年5月 | 透明射手 | 島田一男 | 少年世界 | 昭和24年12月 | 迷走回路 | 藤村正太 | 中学三年コース/高一コース | 昭和52年3月〜4月 | 鉄仮面王 | 横溝正史 | おもしろブック増刊 | 昭和30年1月 | 悪魔の命令 | 江戸川乱歩 | 少年増刊 | 昭和35年1月 |
短編集をまとめた以上、こちらもまとめておかないと、ということで、山村正夫編によるアンソロジー3冊についても、初出リストをまとめておく。
こちらについては、いろいろ突込みどころがあるかと思うが(江戸川乱歩名義の2編は、他の作家による代作であることがほぼ明確になっている、とか)、あくまで、アンソロジー収録作の初出はこう、という観点で御覧いただければ、と思う。現状、「一件落着!」だけ、初出が特定できていないが、たぶん、これは書き下ろしだろう、と考えているので、この状態のまま、リストにしている。ご注意いただきたい。
氷川瓏の2編だけ、補足しておいた方が良いかも知れないので、書いておくと、『ねらわれた男』は、小学館から刊行された名探偵ホームズシリーズの当該巻の巻末に併載されたもの。このシリーズには、氷川による犯人当てが巻末に載っており、そのうちの一編になる。また、「観音塔のまだら少年」は、変形の絵物語のような形で載っており、途中、小説でなく、漫画だけでストーリーを進めている個所がある。アンソロジーに載るにあたり、改稿されていて、当然ながら普通の小説になっているが、初出自体は明らかにこの作品なので、ここでも、これを初出としている。
一般的には意味のないリストかとは思うが、個人的にはまさにこの世代なので、一応の整理がついて、ホッとしている。同じ印象を持ってくれる人は、どれだけいるだろうか……。
戸田和光