草野唯雄 作品リスト(暫定作成版)

戸田和光 編


本リストについて

 今回も、関西学院大学ミステリ研究会の会報《幻影 VOL.16》に掲載された、清山優希氏の暫定版・草野唯雄全作品レビュー≠見て、急きょまとめたものになる。個人的には全く作る予定はなかったが、こういうレビューを見てしまうと、じゃあ、一応整理しといた方が、何かの折の参考になるかな、と思ってしまうためである。そう大した新規情報がある訳ではないが、追加のレビューなどを企てた場合の多少の参考になれば――くらいの心積もりではいる。
 そんな訳で、“暫定作成版”と銘打っている。この名の通り、いつものもの以上にミスや洩れがあるかと思うが、ご了解いただきたい。

 そういった訳で、いつも以上にお粗末なリストになってしまったけれど、ミスや情報等がありましたら、ご指摘ください。


草野唯雄 著作リスト

書名改題区分出版社出版年月文庫備考
抹殺の意志 長編 三一書房 1969年7月
北の廃坑 長編 青樹社 1970年6月
影の斜坑 長編 青樹社 1971年11月
天皇賞レース殺人事件 長編 サンケイ新聞社出版局 1972年2月
瀬戸内海殺人事件 長編 春陽堂書店 1972年4月
鳴き竜事件 鳴き竜殺人事件 長編 河出書房新社 1972年10月
爆殺予告 長編 サンケイ新聞社出版局 1973年1月
明日知れぬ命 ▽俘虜偽装殺人事件 長編 産報 1973年6月
闇の臭跡 長編 青樹社 1973年7月
女相続人 長編 光文社 1974年4月
もう一人の乗客 長編 光文社 1975年4月
殺意は看護婦を抱きながら 昭和猟奇情痴事件簿 みなごろしの寺 NF 潮出版社 1975年8月
犬の首 長編 祥伝社 1975年8月
ジス・イズ・ザ・殺人 長編 徳間書店 1976年2月
警視泥棒 長編 祥伝社 1976年4月
甦った脳髄 短編 ワールドフォトプレス 1976年7月
見知らぬ顔の女 長編 光文社 1976年8月
二人の追跡者 長編 祥伝社 1977年3月
死の舞踏 長編 祥伝社 1977年6月
人みな欲望を持つ 長編 光文社 1977年7月
未知なる犯罪領域 天使は夜、訪れる ▽未知の犯罪領域 短編 新評社 1977年11月
地底に蠢く 私の中のあいつ 短編 カイガイ出版部 1977年11月 ※2編差し替え
文豪挫折す 中編 光文社 1978年4月
七人の軍隊 長編 主婦と生活社 1978年10月
陰の告発者 長編 文芸春秋 1979年1月
解明旅行 長編 光文社 1979年5月
悪霊の山 長編 徳間書店 1979年8月
さらば空港 長編 主婦と生活社 1979年11月
支笏湖殺人事件 長編 徳間書店 1980年5月
火刑の女 長編 光文社 1980年7月
私が殺した女 長編 徳間書店 1980年9月
"山口線""貴婦人号""" 長編 光文社 1981年5月
黒十字架連続殺人事件 長編 徳間書店 1981年8月
棄てられた女 長編 角川書店 1982年7月
満月殺人旅行 フルムーン殺人旅行 長編 光文社 1982年10月
寝台特急「はやぶさ」は止まった 長編 徳間書店 1982年12月
わたしが死刑執行人 短編 徳間書店 1983年3月
蔵王山荘皆殺し 蔵王山荘連続殺人事件 長編 角川書店 1983年7月
淫らな聖女 短編 徳間書店 1983年7月
街は狙われた 長編 光文社 1983年11月
京都殺人風景 長編 徳間書店 1984年2月
清里高原に死す 追いつめられた女 長編 徳間書店 1984年4月
喝采 長編 光文社 1984年9月
プロボウラー殺人事件 短編 光風社出版 1984年9月 ※1編差し替え
交叉する線 短編 角川書店 1984年9月
奥能登殺人遊戯 長編 徳間書店 1984年10月
殺意の焦点 長編 実業之日本社 1984年11月
死体西へ飛ぶ 短編 双葉社 1984年12月
北リアス海岸殺人事件 長編 光文社 1985年2月
仁右衛門島殺人事件 短編 徳間書店 1985年2月
消えた郵便配達人 長編 双葉社 1985年4月
クルーザー殺人事件 長編 角川書店 1985年5月
京都大文字送り火殺人事件 長編 徳間書店 1985年6月
死霊鉱山 長編 光文社 1985年9月
ラスト・チャンス 短編 角川書店 1985年9月
磐梯高原殺人事件 短編 双葉社 1985年10月
怨霊島 伊勢志摩殺人綺譚 長編 徳間書店 1985年12月
博多長崎殺人行 長編 角川書店 1986年4月
「阿い宇え於」殺人事件 アイウエオ殺人事件 長編 光文社 1986年5月
伊豆半島殺人行 長編 光文社 1986年9月
越後恋歌殺人譜 長編 徳間書店 1986年11月
法廷心中 長編 双葉社 1987年3月
ハラハラ刑事危機一髪 知床五湖殺人事件 長編 光文社 1987年5月
殺人交響曲 短編 角川書店 1987年10月
ハラハラ刑事一発逆転 核ジャックされた大東京 長編 光文社 1988年3月
観音崎灯台不連続殺人事件 長編 徳間書店 1988年4月
塩原殺人行 中編 光文社 1988年9月
殺意の岐路 長編 角川書店 1989年1月
伊豆密会旅行殺人事件 長編 徳間書店 1989年4月
まぼろしの凶器 短編 徳間書店 1989年8月
女鑑識官 連作 光文社 1989年9月
360時間の追跡 見えない罠 長編 光文社 1989年11月
丹後鳴き砂殺人事件 長編 徳間書店 1990年5月
毒殺鑑識官 連作 光文社 1990年9月
推理喫茶 録音テープ殺人事件 連作 角川書店 1990年10月
三幕殺人事件 長編 光文社 1990年12月
恐山「黄金の国」殺人海峡 長編 徳間書店 1991年2月
推理喫茶2 電話メモ殺人事件 連作 角川書店 1991年8月
危うし女鑑識官 連作 光文社 1991年9月
吉野隠国殺人事件 長編 徳間書店 1991年9月
女葬列者 長編 徳間書店 1992年3月
狙われた女鑑識官 連作 光文社 1992年6月
断崖の女鑑識官 連作 光文社 1992年9月
鮮血海路 長編 徳間書店 1993年1月
会津-米沢復讐回路 長編 徳間書店 1993年9月
標的にされた男 長編 光文社 1993年9月
鹿島臨海殺人悲曲 長編 徳間書店 1994年7月
自首願望 長編 光文社 1994年10月
南伊豆殺人行 長編 徳間書店 1995年6月
紀ノ国殺人迷路 長編 徳間書店 1995年7月
死体消失 長編 光文社 1995年9月
擬装死体 長編 光文社 1997年6月

 例によって、書誌研究ありきのリストなので、単著の小説に限った。推理クイズ本2冊と、天藤真との共著は省いている。そのつもりでご覧いただきたい。

 文庫の項は、“―”は文庫化されていないもの、“☆”は文庫オリジナルを指す(『瀬戸内海殺人事件』は、その後新書版も刊行されたため、文庫しか存在しない――ということにはならないが)。また、備考に記載している※は、文庫化にあたって行なわれた変更を示している。短編リストの収録作表記とあわせて見てもらうと、意味は伝わると思うのだが。


草野唯雄 長編リスト(書き下ろしを除く)

書名初出誌紙連載開始年月日連載終了年月日初出タイトル(備考)
瀬戸内海殺人事件 別冊宝石 1964年4月 流れる海
北の廃坑 推理界 1969年9月
明日知れぬ命 推理文学 1970年4月 明日知れぬいのち
二人の追跡者 微笑 1975年10月11日 1976年12月25日
人みな欲望を持つ 宝石 1976年6月 1977年3月
寝台特急「はやぶさ」は止まった 東京タイムズ 1982年8月5日 1982年10月15日 はやぶさは止まった
京都殺人風景 東京タイムズ 1983年10月24日 1984年1月6日 京都偽装殺人
殺意の焦点 週刊小説 1984年5月18日 1984年7月13日
消えた郵便配達人 小説推理 1985年2月 1985年3月
法廷心中 小説推理 1986年7月 1986年12月

 例によって、書誌的な角度から見たものであり、特に初期の3編については、雑誌に一挙掲載されたものを、単行本化にあたって改稿されたはずなので、厳密に初出と呼ぶべきかは、私には分からない。ご注意いただきたい。
 ここにあげた以外の60編は、書き下ろしである。90年代に入ってからは、殆ど長編書き下ろししか手掛けなかったことが分かる。雑誌への執筆依頼がなかったのか分からないが、ちょっと興味深いことかも知れない。

草野唯雄 短編リスト

作品名初出題収録誌紙掲載年月連載終了年月収録短編集備考
報酬は一割 増刊宝石 1961年2月 交叉する線 荘野忠雄名義
交叉する線 増刊宝石 1962年6月 交叉する線
移りゆく影 宝石 1962年10月 プロボウラー殺人事件
火事泥作戦 エロチック・ミステリー 1963年1月 殺人交響曲
冬宿 宝石 1963年1月 1963年3月 プロボウラー殺人事件
不徳の旅 エロチック・ミステリー 1963年4月
戯れ エロチック・ミステリー 1963年8月
だに野郎 別冊実話特報 1963年10月
四つの欲望 人みな欲望をもつ 別冊宝石 1963年12月 死体西へ飛ぶ
死者の呼ぶ谷 二人の旅行者 宝石 1963年12月 死体西へ飛ぶ
ひったくり事件 エロチック・ミステリー 1964年1月
きみ、安井昭平の平穏な一日 別冊宝石 1964年5月
生かし屋 増刊小説倶楽部 1964年10月
アリバイ星 推理ストーリー 1965年5月
金の座 剣豪列伝集 1966年4月
街は知っていた 推理ストーリー 1966年6月 まぼろしの凶器
七いろの肌 読切文庫 1966年9月
看護婦殺し 罠の誇り 推理ストーリー 1966年11月 磐梯高原殺人事件
吹矢場の女 剣豪列伝集 1966年12月
霜夜 推理小説研究 1966年12月
こわい指 増刊小説倶楽部 1967年2月
殺人交響曲 推理ストーリー 1967年3月 殺人交響曲
恍惚のたわむれ 読切文庫 1967年6月
どこかで死んでいる 推理界 1967年7月
受胎 増刊小説倶楽部 1967年8月
悪の臭い 推理ストーリー 1967年9月
殺意の誘発 推理界 1967年9月 磐梯高原殺人事件
蜜の報酬 読切文庫 1967年11月
偽証の背景 推理ストーリー 1968年1月 死体西へ飛ぶ
あどけない女 増刊小説倶楽部 1968年2月
大東京午前二時 推理 1968年2月 塩原殺人行
裏扉 推理界 1968年3月
肌ざわりゲーム 読切文庫 1968年6月
汚れた欲情 傑作倶楽部 1968年10月
快楽の人口美女 読切文庫 1968年10月
挫折 推理ストーリー 1968年10月
死者に目なし 推理界 1968年11月 ラストチャンス
愛の危険信号 傑作倶楽部 1969年1月
地底の情事 増刊読切特撰集 1969年3月
凌辱と死と 読切文庫 1969年3月
ガス 推理ストーリー 1969年5月 殺人交響曲
戯れの代償 傑作倶楽部 1969年5月
殺害者を追え! 読切文庫 1969年7月 まぼろしの凶器
砂の夫 小説劇場 1969年8月
金色の髑髏蛇 読切雑誌 1969年9月
搦み合い 読切時代小説 1969年10月
索道に死す 小説劇場 1969年11月
薔薇に手を出すな 小説劇場 1970年2月
歓びの報酬 現代小説 1970年3月
味気ない世の中 推理界 1970年3月 死体西へ飛ぶ
眼球 小説劇場 1970年5月
人形の家の媚情 読切雑誌 1970年5月
犬の糞 読切時代小説 1970年6月 聖山 錠名義
鬼畜 小説劇場 1970年6月
架空索道事件 小説サンデー毎日 1970年9月 交叉する線 三川 中名義
たった一人の鉱山 推理 1970年12月 交叉する線
永代橋異聞 推理文学 1971年1月
まぼろしの凶器 推理 1971年5月 まぼろしの凶器
皮を剥がれた男 推理 1971年8月
透明な犯罪者 読切文庫 1971年10月
水の音 小説サンデー毎日 1971年11月 未知なる犯罪領域
悪には悪の掟を 読切傑作集 1971年11月
復顔 オール読物 1971年12月 甦った脳髄
落下の法則 推理 1971年12月 ラストチャンス
錯誤のダイヤル 読切傑作集 1971年12月 プロボウラー殺人事件(単)
廃墟の仇花 読切文庫 1971年12月
あるプロボウラーの死 推理 1972年1月
完全自動写真 週刊サンケイ 1972年2月 私の中のあいつ
雁のわかれ オール読物 1972年4月 私の中のあいつ
末期の餅 推理 1972年4月
人形の家 小説宝石 1972年6月 私の中のあいつ
弁天沼事件 推理 1972年6月
怪音 小説宝石 1972年8月 地底に蠢く(単)/プロボウラー殺人事件
誘う声 増刊小説倶楽部 1972年8月
障害レース殺人事件 日刊スポーツ 1972年8月17日 1972年9月15日 死体西へ飛ぶ
テロルの果て 推理文学 1972年9月
死に花 小説クラブ 1972年10月 プロボウラー殺人事件
生かし屋株式会社 推理 1972年10月
四つの証言 架空索道事件 現代月報 1972年12月 交叉する線
根絶やし 小説宝石 1972年12月 甦った脳髄
外面女菩薩内心如夜叉 増刊小説クラブ 1973年1月
闇の中の柩 小説推理 1973年2月 未知なる犯罪領域/甦った脳髄
殺しの確率 増刊小説クラブ 1973年5月 ラストチャンス
すすき河原に血がしぶく 小説宝石 1973年6月 交叉する線
死霊の家 別冊小説宝石 1973年8月 甦った脳髄
死者は告白する 新刊ニュース 1973年10月
甦った脳髄 小説宝石 1974年2月 甦った脳髄
死者の告白 小説推理 1974年2月 未知なる犯罪領域
皮を剥ぐ 皮剥ぎ 小説宝石 1974年4月 甦った脳髄
死の家の挿話 別冊小説宝石 1974年8月 甦った脳髄
いざ帰りなん故郷へ 新刊ニュース 1974年8月
マレーネ・ディートリッヒ ノー・リターン 小説推理 1974年8月 ※石沢英太郎とのリレー小説
殺しのシンフォニー 『あなたは挑戦者 』 1974年10月 磐梯高原殺人事件
ただ程こわいものはない 『あなたは挑戦者 』 1974年10月 まぼろしの凶器
呪いのスカーフ 増刊小説クラブ 1974年11月 私の中のあいつ
呪いの幽体 小説宝石 1974年12月 磐梯高原殺人事件/甦った脳髄
死体西へ飛ぶ 小説宝石 1975年3月 死体西へ飛ぶ
森鴎外の女 問題小説 1975年4月 文豪挫折す
トルストイ爺さん 小説推理 1975年5月 文豪挫折す
闇の怨霊祓い 小説宝石 1975年6月 甦った脳髄
問題小説 1975年8月 プロボウラー殺人事件
華やかな罠 小説宝石 1975年9月 淫らな聖女
男はつらいよ 小説宝石 1975年12月 殺人交響曲
目には目を 小説宝石 1976年2月 私の中のあいつ
見知らぬ妻 小説宝石 1976年5月 未知なる犯罪領域
狙われた騎手 小説推理 1976年6月
溶解 新評 1976年8月 未知なる犯罪領域
白豚たち 小説宝石 1976年9月 私の中のあいつ
地底に蠢く 別冊小説現代 1976年10月 私の中のあいつ
透明願望 小説宝石 1976年11月 地底に蠢く(単)/未知なる犯罪領域
私の中のあいつ 小説宝石 1977年1月 私の中のあいつ
罪九族に及ぶ 問題小説 1977年1月 仁右衛門島殺人事件
軋るドア 小説現代 1977年4月
未知なる犯罪領域 小説宝石 1977年5月 未知なる犯罪領域
捨て逃げ船 奇想天外 1977年5月 私の中のあいつ
天使は夜、訪れる 別冊小説宝石 1977年8月 未知なる犯罪領域
一寸先は闇 『名探偵登場』 1977年9月 まぼろしの凶器
淫らな聖女 小説宝石 1977年10月 淫らな聖女
道連れ 小説宝石 1977年12月 淫らな聖女
はだしの天使 はだしの天女 小説宝石 1978年3月 わたしが死刑執行人
殉職刑事 小説現代 1978年4月 ラストチャンス
文豪挫折す 『文豪挫折す』 1978年4月 文豪挫折す
消えた女 別冊小説宝石 1978年5月 わたしが死刑執行人
小説宝石 1978年8月 わたしが死刑執行人
別冊小説宝石 1978年8月 わたしが死刑執行人
ラスト・チャンス 小説宝石 1979年1月 ラストチャンス
話し中殺人事件 微笑 1979年2月10日 磐梯高原殺人事件
激愛 小説宝石 1979年4月 わたしが死刑執行人
小説宝石 1979年9月 わたしが死刑執行人
目に見えぬ糸 小説宝石 1979年12月 わたしが死刑執行人
疑惑のあとで 小説宝石 1980年2月 淫らな聖女
招く手 別冊小説宝石 1980年4月 わたしが死刑執行人
憎さ百倍 小説推理 1980年6月 淫らな聖女
老人は撃った 小説宝石 1980年10月 仁右衛門島殺人事件
石の女 小説宝石 1981年1月 淫らな聖女
二億円の嘲笑 小説推理 1981年3月 仁右衛門島殺人事件
消えた招待者 小説宝石 1981年3月 死体西へ飛ぶ
復讐の導火線 小説宝石 1981年6月 仁右衛門島殺人事件
なんとなくスローなテロ 小説宝石 1981年9月 殺人交響曲
肩の血 小説宝石 1982年2月 殺人交響曲
みどりという女 別冊小説宝石 1982年5月 仁右衛門島殺人事件
足に溺れた女 小説推理 1982年7月 まぼろしの凶器
わたしが死刑執行人 別冊小説宝石 1982年12月 わたしが死刑執行人
冤罪 問題小説 1983年2月 淫らな聖女
街の片隅の小さな事件 小説推理 1983年5月 淫らな聖女
一九八三年の仇討 小説宝石 1983年7月 淫らな聖女
心身喪失は無罪 小説推理 1983年10月 死体西へ飛ぶ
まぼろしの指紋 増刊婦人公論 1984年11月 仁右衛門島殺人事件
坂道の殺人 問題小説 1985年1月
視野の盲点 問題小説 1985年4月 まぼろしの凶器
海女は見ていた 別冊小説宝石 1985年5月
幽霊鉱山 週刊小説 1985年5月24日
探偵少年団 小説宝石 1985年8月
ワープロ探偵 『サユリ・マイ・ミステリー』 1985年9月 罠(文)
水槽の美女 問題小説 1985年11月 まぼろしの凶器
床の下 小説宝石 1987年8月
塩原殺人行 『塩原殺人行』 1988年9月 塩原殺人行
悪い奴ほどよく覗く 磐梯高原殺人事件
街は知っていた 磐梯高原殺人事件

 こちらも、急ごしらえそのもので、十分な調査をしないまま作成していることをお詫びしておく。特に、初出不明としている作品については、もう少し調べてからの方が親切では、と思ったが、すぐに調査が進む見込みが持てなかったため、このままでの公開としている。

 なお、後期の文庫書き下ろし短編集(著作リストで“連作”と表記したもの)は、こちらに入れるとかえって分かりにくくなるかと考えたため、省いた。

草野唯雄 犯人当て作品リスト

作品名収録誌紙掲載年月
死の遠心力 推理ストーリー 1969年2月
盲点 推理ストーリー 1969年3月
アリバイを崩せ 推理ストーリー 1969年4月
花のいのちは短くて 日刊スポーツ 1973年1月1日
本命がよろめいた 日刊スポーツ 1974年1月1日
ピアニストの死 小説推理 1974年4月
高速道路の殺人 小説推理 1974年5月
I型鋼 小説推理 1974年6月
眼に見えぬ敵 小説推理 1974年7月
きしる扉 小説推理 1974年8月
消えた設計書 小説推理 1974年9月
蟻は告発する 小説推理 1974年10月
怪獣が消えた 小説推理 1974年11月
深夜の訪問客 小説推理 1974年12月
偽装殺人劇 小説推理 1975年1月
氷柱 小説推理 1975年2月
トリックをあばけ 小説推理 1975年3月
たった一つのミスで 小説推理 1975年4月
血の告発 小説推理 1975年5月
落ちた仏像 小説推理 1975年6月
謎の凶器 高1コース 1975年4月
先生は名探偵 高1コース 1975年5月
密室の死 高1コース 1975年6月

 草野には、犯人当て作品が比較的多い。短編集に収録されたものは、そちらの方が分かりやすいと考えたため短編リストに含めた(「四つの証言」など)が、それ以外のものは、この形で別なリストとしてまとめてみた。
 《小説推理》連載のものは、15か月にわたって、懸賞として連載されたもの。ジュヴナイルは、別にした方が良いかも知れないが、こちらも連載だったので、こちらにまとめてみた。

草野唯雄 ジュヴナイルリスト

作品名初出題収録誌紙掲載年月連載終了年月収録短編集備考
迷路に落ち込むな 中学三年コース/高1コース 1970年2月 1970年4月
碑文谷マンション事件 高二時代 1971年1月
高速道路の殺人 中学三年コース 1971年2月
プロボウラー殺人事件 中学三年コース 1971年8月 1971年11月 プロボウラー殺人事件
磐梯高原殺人事件 弁天沼殺人事件 中三時代 1971年11月 磐梯高原殺人事件
犬神の呪い 中二時代付録 1972年3月
ワインとキー 中学三年コース 1972年7月
扉はきしむ 高1コース 1972年11月
金蠅 中二時代付録 1973年1月
アーケードのある街で 高一時代 1973年2月
死者は告白する 高2コース 1974年5月
白い視野 中学三年コース 1975年1月
餌と罠 高2コース 1975年5月
悪魔の頭脳 中三時代 1975年7月
仁右衛門島殺人事件 中三時代 1976年7月 1976年10月 仁右衛門島殺人事件
白昼電話殺人事件 高1コース 1976年9月

 中高生雑誌に掲載された作品をまとめた。ただ、草野の場合、刊行にあたって一般向けの短編集に収録されることもあり、扱いかたが難しい。今回は、急ごしらえということもあり、こんな形にしたが、もう少し時間があれば、扱い方を変えることも考えたい。
 「死者は告白する」と「餌と罠」はショートショートであるなど、もう少し細分するべきかとも思うが、それも、今回はそのままにしている。案外とジュヴナイルが多いことを感じてもらえれば――と思ったものだ。

 なお、草野のジュヴナイル作品は、一般向け作品と厳密に区別されているか、分かりにくい。「仁右衛門島殺人事件」などのように、そのまま一般向けの短編集に収録されたりするからだ。また、今回はアンソロジー収録について全く調べていないが、「白い視野」や「高速道路の殺人」というタイトルは、ジュヴナイル作品にあるので、これらも同じ可能性はある。
 一方で、「金蠅」は一般向けの「怪音」とほぼ内容が同じ、という指摘もあったりする。「磐梯高原殺人事件」を「弁天沼殺人事件」の改題としたが、これも精密なつき比べはしておらず、あるいは一般向けの「弁天沼事件」の方が正しいのかも知れない。
 今回は、たたき台としてまとめたものであり、このあたりは、草野ファンの方の研究に待ちたい。

 こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて、とりあえず、上げるだけあげました。指摘があれば、随時直して行きます。
 


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