佐賀 潜 作品リスト(暫定作成版)

戸田和光 編


本リストについて

 本リストは、乱歩賞受賞以前から作品を発表していた作家の活動状況を整理してみよう――その2である。例によって、様々な資料を継ぎ接ぎしているだけのものに過ぎないが、それによって、特にその作家にとって、乱歩賞受賞はどのような位置づけだったのか、推測できないか、と思ったのだった。

 その1の海渡は、乱歩賞受賞が実質的なデビューで、それ以前の作品は習作――と考えていたのではないか、と考えているが、こちらの佐賀は、乱歩賞受賞は名前を広めたキッカケに過ぎず、小説自体は乱歩賞受賞前と受賞後で全く違いがない、と思っている。それを、示したリストになる。
 ただ、最近では完全に忘れられた作家で、資料を含めて、充分なデータが揃えられた気が全くしない。また、自分でも殆んど読めてないので、間違っている個所がまだ多数あるだろうと覚悟している。
 ただ、多少時間をあけてみたが、これ以上のものが作れるとは思えなくなったので、とりあえず公にしてみた次第である。誤りや洩れがあれば、是非お知らせいただきたい、

 気がついたことがあれば、下記のアドレス宛てにご指摘くだされば幸いです。

gokusiteki.shuuishu@gmail.com    (@を半角に修正してください)    


佐賀 潜 著作リスト

書名改題区分出版社出版年月文庫備考
ある殺意 ミステリイのための犯罪心理ノート 連作 光書房 1959年7月
ある疑惑 黒の疑惑 長編 荒地出版社 1960年7月
非情の顔 謀略者 長編 浪速書房 1960年10月 春陽
第三の殺人 黒の構図 長編 浪速書房 1961年4月 春陽
むらさきの女 黒の追跡者 長編 雪華社 1961年5月
華やかな死体 長編 講談社 1962年9月 春陽
黒の記憶 長編 講談社 1963年4月
特捜圏外 埼玉鉄道事件 長編 光文社 1963年5月
検事城戸明 黒の捜査 長編 東都書房 1963年10月 春陽
銭の踊り 長編 桃源社 1963年11月
701号法廷 太陽信用組合事件 長編 光文社 1963年11月
法律事務所SAGA 短編 アサヒ芸能出版 1964年3月
白檀が匂った 連作 東潮社 1964年5月
赤い血黒い血 長編 アサヒ芸能出版 1964年9月 春陽
恐喝 長編 光文社 1964年11月
会社泥棒 黒い策謀 長編 学習研究社 1965年4月
黒幕 長編 光文社 1965年6月
暗殺 明治の暗黒 長編 講談社 1965年11月
掠奪者 長編 東京文芸社 1966年3月
猫眼石 深夜の目撃 中編 東京文芸社 1966年4月
略奪 明治の暗黒 長編 講談社 1966年4月
脱税者 長編 光文社 1966年5月
黒の初夜 短編 東京文芸社 1966年7月
黒の勝敗 長編 東京文芸社 1966年10月
会社喰い 長編 光文社 1966年11月
赤い傷痕 再編 東京文芸社 1966
黒い会社 短編 東京文芸社 1967年1月
黒い悦楽 短編 東京文芸社 1967年2月
総理大臣秘書 長編 読売新聞社 1967年2月
代議士逮捕 長編 光文社 1967年8月
黒の社長室 特捜事件簿 NF 徳間書店 1967年8月
黒い爪痕 NF 徳間書店 1967年10月
倒産会社 短編 東京文芸社 1967年11月
札束の軌跡 黒の告発書 NF 双葉社 1967年11月
小説経団連 短編 徳間書店 1967年12月
抜け穴 長編 読売新聞社 1968年3月
銭と女 長編 講談社 1968年4月
詐欺師 短編 東京文芸社 1968年6月
幻の工場群 長編 光文社 1968年6月
乱花 藤原薬子の乱 長編 人物往来社 1968年6月
小説女の法律 連作 東京文芸社 1968年9月
闇の極意 連作 新潮社 1968年10月
倒産心中 短編 浪速書房 1968年12月
女の罠 短編 東方社 1968年12月
逃亡者 中編 東方社 1968
札束の虐殺 短編 東京文芸社 1969年1月
裁判おんなと男 短編 文芸春秋 1969年1月
殺意の蔭に 再編 秋田書店 1969年3月
完全犯罪入門 連作 文芸春秋 1969年4月
五号という名の女 短編 集英社 1969年5月
アダムとイブの判例集 連作 東京文芸社 1969年5月
殺人の報酬 長編 ノーベル書房 1969年6月
弁護士槙弾正の告白 連作 文芸春秋 1969年7月
社長の椅子 中編 学習研究社 1969年8月
小説法律入門 短編 徳間書店 1969年8月
六字の遺書 短編 講談社 1969年9月
夜を撃つ 再編 日本文華社 1969年9月
真昼の醜聞 長編 新潮社 1969年9月
地図にない沼 連作 光文社 1969年9月
黒い策謀 再編 秋田書店 1969年10月
影の棲息者 長編 光文社 1969年12月
女体の幻影 短編 東京文芸社 1970年1月
ドキュメント戦国 川中島の決戦 悲風川中島 ドキュメント 人物往来社 1970年1月 大陸
"佐賀潜捕物帖 第1巻 (掏摸の町)" 連作 毎日新聞社 1970年3月
黒い昼夜 小説人生相談 連作 東京文芸社 1970年4月
黒い頭脳集団 連作 学習研究社 1970年4月
幻の殺人者 再編 日本文華社 1970年6月
華麗なる殺人 連作 文芸春秋 1970年7月
夜の法律 長編 講談社 1970年7月
刺青源八捕物控 天の巻 連作 サンケイ新聞社出版局 1970年8月
"佐賀潜捕物帖 第2巻 (醜聞色若衆)" 連作 毎日新聞社 1970年8月
闇の図録 連作 新潮社 1970年8月
悪の捕物帖 連作 光文社 1970年10月 光文
刺青源八捕物控 地の巻 連作 サンケイ新聞社出版局 1970年11月
影絵のアルバム 連作 文芸春秋 1970年11月
燃えた札束 短編 日本文華社 1971年3月

 例によって、書誌研究ありきのリストなので、ここでは小説に限っており、法律相談関連の書籍は、一切省いているた。ただ、佐賀作品は、ノンフィクションとの境界のようなものも多く、純粋に小説と呼ぶべきか、微妙なものも多い(リストの区分を“NF”としたもののほか、『弁護士槙弾正の告白』なども、該当するだろう)。その点については、明確な判断も難しいため、そちらについては基本的に残すようにしている。そのつもりでご覧いただきたい。

 注意して欲しいのは、乱歩賞受賞作は佐賀の著としては6冊目であり、しかも乱歩賞以前に刊行した書籍は、いずれもその後、再刊されている(しかも“黒の”シリーズに揃えるように改題までしている)点だろう。これが、先の印象につながる訳だ。

 文庫の項は、同書が最初に文庫化された会社を入れた。佐賀は活躍期間が短かったせいか、文庫化された作品の方が少ない。そのため、この形にしたものである。複数回文庫化されたのも、乱歩賞受賞作である『華やかな死体』くらいなので、具体化した方が分かりやすいと思った次第である。


佐賀 潜 長編リスト

書名初出誌紙連載開始年月日連載終了年月日初出タイトル(備考)
ある疑惑 書き下ろし
非情の顔
第三の殺人 夕刊東京タイムズ 1960年11月16日 1961年4月6日
むらさきの女 書き下ろし
華やかな死体 書き下ろし
黒の記憶 書き下ろし
特捜圏外 埼玉鉄道事件 書き下ろし
検事城戸明 書き下ろし
銭の踊り 書き下ろし
701号法廷 太陽信用組合事件 書き下ろし
赤い血黒い血 アサヒ芸能 1964年2月2日 1964年6月7日
恐喝
会社泥棒 書き下ろし
黒幕 書き下ろし
暗殺 明治の暗黒 書き下ろし
掠奪者 東京タイムズ 1963年11月14日 1964年3月29日 夜の傷あと
略奪 明治の暗黒 書き下ろし
脱税者 宝石 1966年4月 【長編化】
黒の勝敗
会社喰い 書き下ろし
総理大臣秘書 書き下ろし
代議士逮捕 書き下ろし
抜け穴 書き下ろし
銭と女 週刊現代. 1967年5月18日 1967年12月28日
幻の工場群 宝石 1967年6月 1967年12月
乱花 藤原薬子の乱
殺人の報酬
真昼の醜聞 週刊新潮 1968年5月25日 1969年5月3日
影の棲息者 週刊言論 1969年1月1日 1969年10月1日
夜の法律 東京スポーツ 1969年9月19日 1970年5月18日
消えた沼 公明新聞 1970年1月4日 1970年8月23日 【未完】
黒い大地 福島民友 1970年6月22日 1970年8月19日 【未完】
黒の社長室 特捜事件簿 週刊現代. 1966年10月27日 1966年12月22日 黒い事件簿

 初出誌紙の欄が空欄のものが、初出が特定できていないものになる。その多くは書き下ろし≠フ可能性が高いとは思っているが、個人的に『黒の勝敗』は書き下ろし思っていない(佐賀は、東京文芸社から多くの本を刊行しているが、書き下ろし作品は一つもないからだ。この一冊だけ書き下ろしだったとは思えない、というだけの根拠だが)ため、明確に書き下ろし≠ニされていたものだけ、同欄に書き下ろし≠ニ入れている。

 最初の区切りの次の二作は、作者が体調を崩したため、連載が中断されたもの。そのまま急逝されたため、未完成で終わった作品となる。新聞連載2つというのが珍しいかも知れないが、『消えた沼』は日曜版掲載のものなので、むしろ週刊誌に準じたものと考えるべきかも知れない。
 最後の『黒の社長室』は、書籍でNFと分類しているため、こちらでも、敢えてここに分類している。

佐賀 潜 短編集収録作品リスト

短編集タイトルタイトル初出誌初出年月連載終了年月初出題 など
法律事務所SAGA 欺された女
白水仙の女
女の遺書
博多から来た女
葉桜心中
女の社長
顔紋 宝石 1963年9月
検事と弁護士 別冊宝石 1964年1月
黒い会社 宝石 1962年11月
坂本太郎の犯罪 小説現代 1965年9月 仙波太郎の犯罪
暗い階段 推理ストーリー 1964年10月
掏摸の季節 週刊現代 1964年12月10日
可愛いい女 漫画文芸 1964年12月
罪なき殺人 週刊現代 1962年10月21日
黒い河 1963年5月
夜の足音 1964年10月
検事と弁護士 【再録】
顔紋 【再録】
黒い悦楽 火の中の顔 週刊生きる女性 1961年3月23日 1961年4月13日
ある情死 週刊生きる女性 1961年4月20日 1961年5月11日
私は殺さない 週刊大衆 1964年10月8日
白檀が匂った 【再録】
夜を撃つ 【再録】
不倫な関係
おのろけ詐欺
偽装心中 主婦と生活 1965年11月
倒産会社 会社殺人 推理界 1967年11月
血縁重役 推理界 1967年7月
殺意の交錯 女性セブン 1967年4月12日
一億円蒸発 別冊小説現代 1967年10月
消えた溶鉱炉 別冊小説宝石 1967年6月
証券会社倒産 日本 1966年6月
脱税王を手玉に取った男 現代 1967年6月
保全経済会事件の背後(NF)
消えた地面師 1963年4月
小説経団連 小説経団連 新評 1967年11月
黒い罠 問題小説 1967年12月
疑惑の八百万籠 現代 1967年7月
社長の女 週刊サンケイ 1967年10月23日
脱税 宝石 1966年4月 脱税者
詐欺師 詐欺師 別冊宝石 1968年1月
欲望の裁断 別冊小説現代 1968年4月
狙われた男 小説現代 1968年2月
三十八歳の女 問題小説 1968年4月
社長の女 【再録】
金泥の沼に棲む 別冊宝石 1968年6月
脱税者 【再録】
倒産心中 倒産心中 別冊新評/新評 1968年8月 1969年1月
腹上死 推理界 1968年10月
安楽死 推理ストーリー 1968年12月
死の商人 週刊読売 1968年5月10日
死の遺産 女性自身 1968年5月13日
検事と弁護士 【再録】
【再録】
女の社長 【再録】
顔紋 【再録】
女の罠 罠に落ちた女 問題小説 1968年9月
五号という名の女 小説セブン 1968年8月
六番目の女 小説現代 1968年10月
檻の中の女 別冊小説現代 1968年7月
六字の遺書 別冊小説現代 1968年10月
札束の虐殺 札束の虐殺 別冊小説現代 1969年1月
罷り通る電波男 小説セブン 1968年12月
三千万円盗難 小説現代 1968年12月
脱税殺人 推理界 1969年2月
錯誤による殺人 問題小説 1968年12月
裁判おんなと男 情死か殺人か 漫画読本 1968年2月
明治の大岡裁き 漫画読本 1968年3月
女車掌の殺人 漫画読本 1968年4月
宇都宮の女 漫画読本 1968年5月
温泉宿の番頭と女中 漫画読本 1968年6月
婦人科医師の犯罪 漫画読本 1968年7月
酒精(アルコール)中毒者の犯罪 漫画読本 1968年8月
憂鬱症の殺人 漫画読本 1968年9月
男の舌を噛み切った女 漫画読本 1968年10月
若妻の尊属殺人 漫画読本 1968年11月
情痴が死を招く 漫画読本 1968年12月
性的異常者の犯罪
逃亡者の過失致死罪
五号という名の女 五号という名の女 【再録】
罷り通る電波男 【再録】
夜の法律 小説セブン 1969年4月 小説夜の法律
影絵の男 別冊小説現代 1969年4月
小説法律入門 燃えた札束 小説現代 1969年6月
夜の法律 【再録】
錯誤による殺人 【再録】
昏睡強盗 問題小説 1969年5月
六字の遺書 六字の遺書 【再録】
影絵の男 【再録】
底無しの沼 別冊小説新潮 1969年7月
課長の自殺 フレッシュマン 1969年1月 1969年6月
女体の幻影 カラー小説 1969年7月
女体の幻影 女体の幻影 【再録】
欲望の葬送 カラー小説 1969年6月
悪の報酬 カラー小説 1969年9月
女と謀略 週刊サンケイ 1969年4月14日
影絵のアルバム 週刊サンケイ 1969年1月13日
幻の殺人者 流動 1969年12月
死者は語らず 流動 1970年1月
課長の自殺 【再録】
燃えた札束 燃えた札束 【再録】
会社を喰う男 オール読物 1970年1月
女掏摸 小説セブン 1969年12月
札束の呪縛 オール読物 1969年11月
小説東京地方検察庁 小説宝石 1970年2月
濡れた緑草地 【再録】
刺青源八 地の巻 泥棒舟 週刊サンケイ 1969年9月8日
猫眼石 猫眼石
深夜の目撃 高2コース 1965年4月 1965年9月
逃亡者 逃亡者 推理界 1968年3月
会社泥棒 【再録(長編)】
社長の椅子 社長の椅子 小説エース 1969年6月
札束の罠

 佐賀は、短編集が複雑怪奇である。同じ作品が、何の秩序もなく重複収録されているので、そのまま初出順に並べても、混乱を招くのみのように感じた。このため、ここでは、短編集別に収録作品を並べる、という形を採ってみた。ただ、あくまでも、単行本初収録の作品が収録された短編集のみを掲げており、完全な再編集短編集ははずした(ただでさえ、それらの入手が容易な訳ではないので)。このため、再収録作品については、初出誌の項に“【再録】 ”と入れた。但し、初出では連作だったものを単発で再録することもあったので、作品によっては、次項を随時参照しないと整理ができない可能性があるかも知れない。ご注意いただきたい。

 『猫目石』以降は、著書の項で中編≠ノ区分したもの。便宜的に、分けてみたものである。また、『刺青源八 地の巻』の「泥棒舟」は、連作を本にする際に、作者急逝で中断されてしまったため、薄くなった分を単行本未収録で埋めたことを示している。ご留意いただきたい。

佐賀 潜 連作リスト

収録短編集シリーズ名作品名別題収録誌掲載年月連載終了年月
小説女の法律 女の法律 非処女だった妻 女性自身 1968年6月3日
妻の座から逃げたい 1968年6月17日
妻ある男との婚約 1968年7月1日
血液型が証明した 1968年7月15日
内縁という名の妻 1968年8月5日
妻の証言 1968年8月26日
女の知恵 1968年9月2日
アダムとイブの判例集 アダムとイブの判例集 女結婚詐欺師 pocketパンチOH! 1968年6月
女性恐怖者の犯罪 1968年7月
四角関係の謀略 1968年8月
略奪の迷路 1968年9月
殺意の交錯 1968年10月
欲望の暴走車 1968年11月
情死の報酬 1968年12月
火焔の中の顔 1969年1月
殺人犯人信子の自白 1969年2月
拐帯犯人の顔 1969年3月
結婚誘拐の終末 1969年4月
有罪無罪の岐路 1969年5月
華麗なる殺人 残酷犯罪調書 放火殺人の記録 pocketパンチOH! 1969年8月
悪女の記録 1969年9月
華麗なる殺人 1969年10月
消えた一億二千万円 1969年11月
断崖に沈む 1969年12月
女を喰う男 1970年1月
迷宮入り誘拐事件 1970年2月
雪の中の死体 1970年3月
兇盗の終焉 1970年4月
殺意と札束 1970年5月
夫の蒸発 1970年6月
白昼の転落 1970年7月
黒い昼夜 小説人生相談 不倫の報酬 家の光 1969年1月
離婚の形態 1969年2月
虚名の妻の座 1969年3月
29歳の未亡人 1969年4月
飛び出した息子 1969年5月
町から来た嫁 1969年6月
消えた6000万円 1969年7月
轍の跡 1969年8月
十九歳の秋 1969年9月
宗太郎の恋 1969年10月
蒸発した夫 1969年11月
偽りの借財 1969年12月
奪われた太陽 1970年1月
老父の事故死 1970年2月
母と子と 1970年3月
死者は語らず 1970年4月
完全犯罪入門 完全犯罪入門 事故死の断崖 小説エース 1968年10月
静かなる殺人者 1968年11月
悪女の知恵 1968年12月
死体のない殺人 1969年1月
消えた殺人者 1969年2月
東京駅の女掏摸 1969年3月
掏摸の町 佐賀潜捕物帖 掏摸の町 読物専科 1969年10月
脇質観音像 1969年11月
のび師極意 1969年12月
初春鳥追い女 1970年1月
怪談魚辰の井戸 魚辰の井戸 1970年2月
伊勢講抜け参り 1970年3月
醜聞色若衆 醜聞色若衆 小説サンデー毎日 1970年4月
娘師もぐら盗法 1970年5月
鯉釣り百本杭 1970年6月
柳原泥棒市 1970年7月
松の湯の殺人 1970年8月
入墨女の水死体 1970年9月
刺青源八捕物控 天の巻 刺青源八捕物控 梅花香殺人 週刊サンケイ 1970年1月5日 1970年1月19日
のび師権九郎 1970年1月26日 1970年2月9日
出し下駄奇聞 1970年3月16日 1970年3月30日
蝋人形の死体 1970年4月6日 1970年4月20日
泥棒婿 1970年4月27日 1970年5月11日
材木町の女房 1970年5月18日 1970年6月1日
平打の銀簪 1970年6月8日 1970年6月22日
刺青源八捕物控 地の巻 直助屋敷の女 1970年6月29日 1970年7月13日
海老床の殺人 1970年7月20日 1970年8月3日
怪談古井戸の話 1970年8月10日 1970年8月24日
つばくろ新吉 1970年8月31日 1970年9月14日
黒い頭脳集団 黒い頭脳集団 幻の倒産 ビジネスマン 1969年12月
乗取りの攻防 1970年1月
謀略師 1970年2月
情報スパイの魔手 魔手の精算 1970年3月
黒い頭脳集団 1970年4月
暗い札束のゆくえ ウルトラC作戦 1970年5月
企業合併の影 社長蒸発す 1970年6月
弁護士槙弾正の告白 弁護士槙弾正の告白 零の報酬
冷酷無残な政治献金 小説新潮 1968年6月
妻の嫉妬があばく 1968年7月
足音だけが証拠だった 1968年8月
会社乗っ取り戦争 1968年9月
社長夫人の迷路 1968年10月
優雅なる脱税者 1968年11月
静かなる恐喝者 1968年12月
幻の贈賄メモ 1969年1月
金融王N氏の悪夢 1969年2月
倒産屋の実体 1969年3月
産業スパイの現実 1969年4月
ある合併劇の裏面 1969年5月
地図にない沼 合法犯罪入門 隠し金六億八千万円 小説宝石 1968年11月
爛れた背徳 1968年12月
不倫の穽 1969年1月
相姦の絆 1969年2月
地図にない沼 1969年3月
深夜の死亡時刻 1969年4月
柔肌の策謀 1969年5月
濡れた緑草地 1969年6月
誘拐事件調書 1969年7月
闇の図録 かわら版江戸情報 身替り人別帳 別冊小説新潮 1968年10月
座頭松の犯罪 1969年1月
新宿情死考 1969年4月
つばめ駕籠 1969年7月
涼船くずれ橋 1969年10月
異説油地獄 1970年1月
影絵のアルバム 影絵のアルバム 屋根裏の目撃者 週刊言論 1970年1月7日 1970年1月28日
燃えた証拠 1970年2月4日 1970年2月18日
暗い館 1970年3月13日 1970年4月3日
死の幻影 1970年4月10日 1970年5月1日
浮気の話 1970年7月10日 1970年7月31日
まむし男 1970年8月7日 1970年9月4日
(未収録) 悪女の手記 1970年5月8日 1970年6月5日
(未収録) 長い遺書 1970年6月12日 1970年7月3日
(未収録) 殺人稼業(中絶) 1970年9月18日
闇の極意 闇の極意 四等巡査 四等巡査 明治警察物語 別冊小説新潮 1966年10月
二本の指 二本の指 明治掏摸物語 小説新潮 1967年4月
いかさま賽 いかさま賽 明治賭博物語 別冊小説新潮 1967年7月
めかけ奉公 めかけ奉公 明治権妻物語 小説新潮 1967年12月
矢場の女 矢場の女 明治売春物語 別冊小説新潮 1968年1月
清兵衛流極意 清兵衛流極意 明治泥棒物語 1967年10月
早船洲崎行き 早船洲崎行き 明治泥棒物語 1968年4月
本郷妻恋坂 本郷妻恋坂 明治泥棒物語 1968年7月
ある殺意 女が罪を犯すまで 私は見た 東京タイムズ 1959年3月1日 1959年3月28日
偽装心中 夜の流れ 1959年3月29日 1959年4月28日
火の記憶 1959年4月29日 1959年6月4日
鏡の中の女 1959年6月5日 1959年7月10日
(未収録) 黒水仙 1959年7月11日 1959年8月31日
悪の捕物帖 江戸黒絵図 心中さらし 東京タイムズ 1968年10月13日 1968年11月11日
屋根から来た男 1968年11月12日 1968年12月11日
女敵討ち 1968年12月12日 1969年1月11日
医師道庵の顔 1969年1月12日 1969年2月10日
すりの季節 1969年2月11日 1969年3月12日
さいころ師 1969年3月13日 1969年4月12日
私娼窟の女 1969年6月29日 1969年7月28日
黒の人別帳 1969年7月29日 1969年8月27日
逃亡者源次 1969年8月28日 1969年9月27日
古着と小判 1969年9月28日 1969年10月27日
白檀が匂った 白檀が匂った 主婦と生活 1961年1月 1961年2月
誰も知らない 1961年3月 1961年4月
夜を撃つ 1961年9月 1961年10月
初夜のその時から 1961年11月 1961年12月
血が贈られた 1962年1月 1962年2月
妻と愛人と子と 1962年3月 1962年4月
黒い流れの中を 1962年5月 1962年6月
黒の初夜 遮断機はなかった 1960年7月 1960年8月
殺意は消えない 1960年9月 1960年10月
私は殺される 1960年11月 1960年12月
湖は静かなれど 1961年5月 1961年6月
【再録】 初夜のその時から
【再録】 妻と愛人と子と
(未収録) 女性犯罪ノート 血ぬられた手形 週刊実話 1961年2月20日 1961年3月6日
隅田川の死体 1961年3月13日 1961年3月27日
残された足跡 1961年4月3日 1961年4月24日
女の証言 1961年5月1日 1961年5月15日
夜の影 1961年5月22日 1961年6月12日
(未収録) 佐賀潜特捜部 ある殺人 家の光 1970年5月
目撃者の証言 1970年6月
地主の自殺 1970年7月
一人ぼっちの女 1970年8月
蒸発した夫 1970年9月
殺意の智恵くらべ 1970年10月
(未収録) 女の学校 人妻の恋 マイ・ライフ 1969年11月
妻の財産、夫の財産 1969年12月
不倫の関係 1970年1月
〈タイトル未確認〉 1970年2月
交通事故死 1970年3月
未亡人と不動産 1970年4月
嫁と姑 1970年5月
異常な出来事 1970年6月
妻の座 1970年7月
(未収録) これが犯罪者だ 女の殺意 小説現代 1969年8月
泥棒日誌 1969年9月
女の変貌 1969年10月
情痴詐欺 1969年11月
傷だらけの妻 1969年12月
受取屋謀殺 1970年1月

 初出誌欄が空欄のものは、直上のものと同じ、というものである。連作の常で、同じ媒体が並ぶため、むしろ見にくいかと思って削除してみた。同様に、収録短編集は、収録書が変わる場合にのみ記載した。記載がなければ、直上のものと同じである。
 思っていた以上に、単行本未収録の連作が多いことを知る。これもやはり、著者が急逝して、本にすることなどもどうでもよくなってしまった――からかも知れない。ただ、『ある殺意』のように、連作として連載されたうちの1編(数編)だけが書籍化されなかったケースもあり、理由は明確ではない。


佐賀 潜 単行本未収録短編リスト

作品名収録誌紙掲載年月連載終了年月
留置場の女 週刊スリラー 1960年1月15日
接吻 中日新聞 1961年5月7日
男の死因 探偵実話 1961年11月
情死 中日新聞 1961年12月17日
悪徳の轍 週刊読売 1963年7月7日
情事裁判 観光新聞 1963年9月18日 1963年9月30日
噂の代議士 別冊宝石 1967年1月
炎の中の顔 女性自身 1967年12月25日
三十八歳の女 別冊アサヒ芸能 1968年4月
ある選挙参謀 宝石 1968年8月
罠に落ちた女 別冊アサヒ芸能 1968年9月
三人の誘惑者 平凡パンチ 1968年10月7日
ある回想 女性自身 1968年11月11日
赤い乗用車 週刊実話 1969年3月10日 1969年3月17日
盗癖の女 オール読物 1969年5月
万博一年前 読物専科 1969年6月
死者の罪 週刊現代 1969年6月5日
女の脅迫 小説新潮 1969年7月
小説女の学校 小説セブン 1969年7月
消えた二百万円 女性自身 1969年7月19日
十国峠の殺人 婦人生活. 1969年8月
零号作戦 オール読物 1969年8月
ブラウン管の略奪 小説宝石 1969年9月
悪女の季節 問題小説 1969年9月
崩壊の構図 小説エース 1969年9月
殺意の時 別冊週刊大衆 1969年9月
ビジネス・ドラキュラ 小説セブン 1969年10月
消えた女 小説エース 1969年11月
女と泥棒 小説新潮 1969年11月
汚れた報酬 小説宝石 1969年12月
連鎖倒産 問題小説 1969年12月
殺意の交差 北国新聞(朝刊) 1969年12月7日
交通事故裁判 推理界 1970年1月
殺意の競合 小説現代 1970年2月
冷えた叫び 推理 1970年2月
別件逮捕 オール読物 1970年3月
殺人調書 小説現代 1970年6月
社長の遺言 問題小説 1970年6月
俺は見た 小説現代 1970年7月
社長の自殺 別冊小説新潮 1970年7月
幻の敵 ビジネスマン 1970年7月
黒い投資 週刊朝日カラー別冊 1970年7月
影の女 婦人倶楽部 1970年7月
幻の電鉄路線 オール読物 1970年8月

 短編集に重複収録が多い一方で、短編集にまとまらなかった作品も相当数ある。この辺りの理由が、さっぱりわからない。
 結局、良くも悪くも、活動を続けていた最中に急逝してしまったこともあり、謎が多い作家、というしかないのかも知れない。そんな一端だけでも示せれば、と思った次第である。


 こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて、とりあえず、上げるだけあげました。指摘があれば、随時直して行きます。
 


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戸田和光