石沢英太郎 作品リスト(暫定作成版)

戸田和光 編


本リストについて

 今回は、関西学院大学ミステリ研究会の会報《幻影 VOL.15》に掲載された、清山優希氏の石沢英太郎全作品レビュー≠見て、急きょまとめたものになる。個人的には全く作る予定はなかったが、こういうレビューを見てしまうと、じゃあ、一応整理しといた方が、何かの折の参考になるかな、と思ってしまうためである。そう大した新規情報がある訳ではないが、追加のレビューなどを企てた場合の多少の参考になれば――くらいの心積もりではいる。
 そんな訳で、“暫定作成版”と銘打っている。この名の通り、いつものもの以上にミスや洩れがあるかと思うが、ご了解いただきたい。

 そういった訳で、いつも以上にお粗末なリストになってしまったけれど、ミスや情報等がありましたら、ご指摘ください。


石沢英太郎 著作リスト

書名改題区分出版社出版年月文庫備考
謀鬼  私説 黒田騒動 短編 新人物往来社 1970年3月 ※作品追加
カラーテレビ殺人事件 羊歯行・乱蝶ほか 短編 双葉社 1972年7月
唐三彩の謎 長編 光文社 1973年9月
カーラリー殺人事件 長編 光文社 1973年4月
橋は死の匂い 長編 双葉社 1974年3月
五島・福江行 短編 集英社 1977年8月 ※一部再編
ブルー・フィルム殺人事件 ブルーフィルム殺人事件 短編 立風書房 1977年8月
視線 短編 文芸春秋 1977年9月
噂を集め過ぎた男 短編 新評社 1977年12月 ※一部再編
21人の視点 長編 光文社 1978年9月
牟田刑事官事件簿 短編 双葉社 1978年12月
宝石殺人事件 短編 双葉社 1978年
秘画殺人事件 長編 集英社 1979年3月
殺人日記 短編 集英社 1979年7月
死の輪舞 長編 双葉社 1980年11月
退職刑事官 連作長編 光文社 1981年4月
空間密室 短編 講談社 1981年6月
ヒッチコック殺人事件 短編 広済堂出版 1982年8月
九州殺人行 博多どんたくの謎 長編 光文社 1982年11月
南海幻想 長編 光文社 1984年9月
殺意の断面図 長編 徳間書店 1984年12月
犯罪調書 牟田刑事官殺人簿 短編 大和書房 1985年2月
博多殺人行 短編 広済堂出版 1985年2月
博多殺人風景 短編 広済堂出版 1985年6月
博多殺人案内 短編 広済堂出版 1985年12月
映画主題歌殺人事件 長編 広済堂出版 1986年2月
福岡・博多殺人模様 短編 広済堂出版 1986年5月
中洲ネオン街殺人事件 長編 広済堂出版 1986年8月
ゴルフツアー殺人事件 長編 光文社 1986年9月
秘画・写楽の謎 再編 勁文社 1987年1月
少数派 長編 講談社 1987年4月
博多歓楽街殺人事件 短編 広済堂出版 1987年5月
太宰府天満宮殺人事件 再編 勁文社 1988年4月
さらば大連 短編 光文社 1988年8月
刑事官殺人ファイル 短編 天山出版 1988年8月
九州推理紀行 短編 天山出版 1989年3月
狙われた部屋 短編 天山出版 1989年9月

 『宝石殺人事件』の確認ができておらず、ネット情報を転載している。ただ、この本は、(後に2冊ほどある“再編集短編集”と違って、)編まれた時にはオリジナルだったのだが、その後、収録作品は他の短編集に重複収録されたため、現時点では再編集本と同じ(その作家の作品を全部読もうとした場合でも、入手の必要がない)になってしまった。このため、軽んじてしまった面は否定しない。

 この『宝石殺人事件』を除くと、短編集はすべて文庫になっている。文庫になっていない長編が2冊あることを考えると、やはり石沢は短編作家として評価されている、ということなのかも知れない。

 なお、短編集の数がそれほど多くないため、短編集と連作短編集(石沢には、牟田刑事官というシリーズ・キャラクターがいるため、彼が登場する短編集をこう呼ぶことは多い)は分けていない。その中で、『退職刑事官』を“連作長編”と表記したのは、書誌的な要因による。詳しくは、短編リストを参照いただきたい。
 また、文庫の項は、“―”は文庫化されていないもの、“☆”は文庫オリジナル(文庫しか存在しない)ものを指す。また、備考に記載している※は、文庫化にあたって行なわれた変更を示している。短編リストの収録作表記とあわせて見てもらうと、意味は伝わると思っている。


石沢英太郎 長編リスト

書名初出誌紙連載開始年月日連載終了年月日初出タイトル(備考)
唐三彩の謎 推理 1971年6月 1971年12月 唐三彩殺人事件
カーラリー殺人事件 暁鐘 1970年1月 1970年4月
橋は死の匂い 推理ストーリー 1967年4月
21人の視点 赤旗日曜版 1975年1月5日 1975年12月28日 石の怒り
秘画殺人事件 日刊スポーツ(西部) 1978年1月16日 1978年7月15日
死の輪舞 小説推理 1980年5月 1980年7月
九州殺人行 博多どんたくの謎 フクニチ 1980年1月3日 1980年6月30日 民謡殺人事件
南海幻想 フクニチ 1973年1月1日 1973年4月30日 南方幻想
殺意の断面図 書き下ろし
映画主題歌殺人事件 フクニチ 1985年1月7日 1985年7月31日
中洲ネオン街殺人事件 書き下ろし
ゴルフツアー殺人事件 書き下ろし
少数派 書き下ろし

 例によって、書誌的な角度から見たものなので、ご注意されたい。
 『カーラリー殺人事件』、『橋は死の匂い』、『南海幻想』の3編は、刊行にあたって“書き下ろし”とされており、実際、ここに掲げた作品はあくまでも下敷きにした短・中編――というべきだろうと思うが、それも含めてここでは初出と表現していることを、ご理解いただきたい。

 九州の地元紙など、新聞連載が多いのが興味深いところだ。

石沢英太郎 短編リスト

作品名初出題収録誌紙掲載年月連載終了年月収録短編集備考
つるばあ 増刊宝石 1963年1月 殺人日記/さらば大連
男色 現代作家 1964年8月 五島・福江行(単)/さらば大連  ※鵜飼光太郎名義
国旗 現代作家 1966年1月 噂を集めすぎた男(単)/さらば大連  ※鵜飼光太郎名義
羊歯行 推理ストーリー 1966年8月 羊歯行、乱蝶ほか
乱蝶 推理ストーリー 1966年12月 羊歯行、乱蝶ほか
秘画―写楽の謎 秘画 推理ストーリー 1967年9月 謀鬼
春画秋冬 推理ストーリー 1967年12月 博多歓楽街殺人事件
緑の炎 推理界 1967年12月 五島・福江行
また、ご挨拶に フクニチ 1968年1月1日
血、その系譜 推理ストーリー 1968年2月 五島・福江行
過熱 推理ストーリー 1968年7月 刑事官殺人ファイル
「105号事件」考 推理ストーリー 1968年9月 博多歓楽街殺人事件
接点 推理ストーリー 1969年1月 九州推理紀行
狙われた部屋 小説劇場 1969年8月 狙われた部屋
偏光映像 推理ストーリー 1969年8月 博多殺人行
蛇の輪 推理界 1969年8月 博多殺人行
抹殺 小説劇場 1969年10月 九州推理紀行
謀鬼 権謀 推理界 1969年11月 謀鬼
まぼろしの魚 推理 1970年1月 博多殺人案内
脅迫の季節 小説劇場 1970年2月
キタタキ絶滅 推理界 1970年3月 羊歯行、乱蝶ほか
ゴルフ場殺人事件 推理 1970年4月 噂を集めすぎた男
傍観者 推理文学 1970年4月 羊歯行、乱蝶ほか
ピンク電話 小説劇場 1970年5月
競う 南方文学 1970年5月 さらば大連
蒸発 推理 1970年7月 博多殺人案内
執念の女 小説劇場 1970年8月
宝石の女 小説劇場 1970年11月 狙われた部屋
ブルー・フィルム殺人事件 別冊小説現代 1971年1月 ブルー・フィルム殺人事件
沈黙は…… 推理文学 1971年1月 博多殺人風景
五島・福江行 推理 1971年2月 五島・福江行
幻のホクロの女 推理 1971年3月 狙われた部屋
カラーテレビ殺人事件 小説宝石 1971年6月 羊歯行、乱蝶ほか
歪んだベッド 読切文庫 1971年8月
縁切り地蔵殺人事件 オール読物 1971年8月 ブルー・フィルム殺人事件/宝石殺人事件
香港野郎 小説宝石 1971年9月 噂を集めすぎた男(文)/宝石殺人事件
もとより放蕩無頼の徒 別冊小説宝石 1971年9月 殺人日記
秘境殺人事件 小説現代 1971年11月 ブルー・フィルム殺人事件
噂さ フクニチスポーツ 1971年12月16日
ベレッタ四二五口径 別冊週刊大衆 1972年1月 九州推理紀行
殺意の瞬間 オール読物 1972年2月 噂を集めすぎた男
背徳者 増刊小説クラブ 1972年2月 狙われた部屋
殺人二重奏 小説サンデー毎日 1972年4月 福岡・博多殺人模様/宝石殺人事件
目撃者 フクニチスポーツ 1972年4月6日
愛情比例の原則 別冊小説宝石 1972年5月 噂を集めすぎた男(文)/宝石殺人事件
貨泉 推理 1972年7月 五島・福江行
都井岬の馬は微笑んだ 増刊小説クラブ 1972年8月
求菩提行 増刊推理 1972年9月 五島・福江行
別冊週刊大衆 1972年10月 ブルー・フィルム殺人事件
0123 増刊推理 1972年12月 五島・福江行
英会話殺人事件 小説推理 1973年2月 博多殺人風景/宝石殺人事件
神妙な悪戯 小説club 1973年3月 狙われた部屋
宝石殺人事件 『ジョンカー』宝石殺人事件 増刊小説クラブ 1973年5月 福岡・博多殺人模様/宝石殺人事件
「西郷隆盛」殺人事件 小説推理 1973年5月 五島・福江行(文)/噂を集めすぎた男(単)
殺意の絆 別冊小説宝石 1973年7月 噂を集めすぎた男(文)/宝石殺人事件
アリバイ不成立 現代月報 1973年7月 1973年8月
失意の断崖 小説推理 1973年8月 九州推理紀行
反揆 狼群 1973年9月
アドニスの花 兇悪の花 小説推理 1973年12月 視線
沖縄・宮古行 オール読物 1974年1月 博多歓楽街殺人事件
仁王幻想 小説宝石 1974年2月 噂を集めすぎた男
天満宮殺人事件 都府楼殺人事件 小説推理 1974年4月 ブルー・フィルム殺人事件
賃金について 狼群 1974年5月 さらば大連
マレーネ・ディートリッヒ ノー・リターン 小説推理 1974年8月 ※草野唯雄とのリレー小説
不思議に生命ながらえて 狼群 1974年11月 五島・福江行(単)/さらば大連
ガラスの家 小説宝石 1974年12月 視線
ちゃんちきおけさ 小説推理 1975年2月 ブルー・フィルム殺人事件
ドンファンの結婚 『推理ゲーム』 1975年3月
沖田総司を研究する女 『沖田総司剣と愛と死』 1975年4月 謀鬼(文)
古伊万里乱れ窯 小説推理 1975年5月 九州推理紀行
噂を集め過ぎた男 別冊小説宝石 1975年9月 噂を集めすぎた男
古九谷乱れ窯 小説歴史 1975年10月 殺人日記
写影の交錯 幻影城 1975年11月 博多殺人行
新宿の青い果実 小説推理 1976年1月
浮かされた男 別冊小説宝石 1976年2月 ブルー・フィルム殺人事件
おびえということ 歴史と文学 1976年3月
視線 小説宝石 1976年4月 視線
死体が? 小説ファン 1976年4月 狙われた部屋
賃借対照表 問題小説 1976年5月 殺人日記
孤独の淫 小説推理 1976年7月 博多殺人風景
祭りの夜 別冊小説推理 1976年8月 博多殺人風景
その犬の名はリリー 小説宝石 1976年9月 視線
ある完全犯罪 カッパまがじん 1976年9月 視線
追跡旅行 小説推理 1976年9月 博多殺人風景
憎悪の屈折 小説ファン 1976年9月 狙われた部屋
若い悪魔たち 幻影城 1976年10月 九州推理紀行
刺す言葉 カッパまがじん 1977年1月 博多殺人行
九連宝燈 小説推理 1977年6月 さらば大連
暗闇でうっとり 小説現代 1977年7月
五十五才の生理 小説宝石 1977年7月 視線
一本の藁 別冊問題小説 1977年7月 視線
予断 小説推理 1978年1月 牟田刑事官事件簿
師走の「ナポレオン」 小説推理 1978年3月 牟田刑事官事件簿
食い逃げ 別冊小説宝石 1978年5月 殺人日記
採決質問 裁決質問 小説推理 1978年5月 牟田刑事官事件簿
警官と性 小説推理 1978年7月 牟田刑事官事件簿
惜蘭譜 小悦現代 1978年8月 殺人日記
孔雀が羽を開くとき 別冊小説宝石 1978年8月 福岡・博多殺人模様
殺人日記 殺人日誌 小説宝石 1978年9月 殺人日記
密告 小説推理 1978年9月 牟田刑事官事件簿
牟田刑事官最後の事件 小説推理 1978年11月 牟田刑事官事件簿
献本 小説宝石 1979年2月 殺人日記
代理戦争屋 小説推理 1979年5月 空間密室
気を散らす男 小説新潮 1979年9月 空間密室
友釣り 問題小説 1979年9月 博多殺人案内
空間密室 小説宝石 1979年11月 空間密室
ポストの前で 小説新潮 1979年12月 九州推理紀行
ドンファンの周辺 小説推理 1980年1月 ヒッチコック殺人事件
苓北・富岡行 オール読物 1980年2月 空間密室
格言 問題小説 1980年2月 ヒッチコック殺人事件
二つの事件メモ 小説宝石 1980年3月 退職刑事官
導火線をたどれ 小説宝石 1980年5月 退職刑事官
予言への反逆 小説宝石 1980年7月 退職刑事官
黒田節殺人事件 小説現在 1980年8月 空間密室
家計簿 増刊中央公論 1980年8月 博多殺人風景
栄光の挽歌 小説宝石 1980年9月 退職刑事官
誘拐 小説宝石 1980年10月 1980年12月 退職刑事官
背後からの眼 別冊婦人公論 1980年10月 空間密室
北緯三十一度線 問題小説 1980年11月 空間密室
黒いペンダント 別冊小説宝石 1981年5月 ヒッチコック殺人事件
王将 小説推理 1981年5月 博多歓楽街殺人事件
三角関係 小説宝石 1981年9月 ヒッチコック殺人事件
月蝕殺人事件 問題小説 1981年9月 ヒッチコック殺人事件
凶器 別冊小説宝石 1981年12月 ヒッチコック殺人事件
身代り殺人事件 小説推理 1982年3月 博多殺人案内
ヒッチコック殺人事件 別冊小説現代 1982年5月 ヒッチコック殺人事件
検視調書 別冊小説宝石 1982年5月 犯罪調書
押収品目録 小説宝石 1982年9月 犯罪調書
自首調書 別冊小説宝石 1982年12月 犯罪調書
捜査関係事項照会書 別冊小説宝石 1983年5月 犯罪調書
送致書 問題小説 1983年5月 犯罪調書
レズビアン殺人行 小説現代 1983年7月 狙われた部屋
名探偵への検証 小説現代 1983年8月 博多殺人案内
乾いた旅情 別冊小説宝石 1983年12月 博多殺人案内
証拠金品総目録 別冊小説宝石 1984年5月 犯罪調書
刑事官のヰタ・セクスアリス 小説現代 1984年9月 博多殺人案内
領置調書 別冊小説宝石 1984年9月 犯罪調書
事件が始まる…… 増刊婦人公論 1984年11月 博多殺人行
博多・中洲・クラブ殺人事件 別冊小説宝石 1985年5月 博多殺人風景
福岡・親不孝通り殺人事件 増刊婦人公論 1985年11月 福岡・博多殺人模様
福岡・舞鶴公園殺人事件 ラーメン殺人 週刊小説 1985年11月8日 福岡・博多殺人模様
テレクラ殺人事件 別冊小説宝石 1986年11月 博多歓楽街殺人事件
耶馬渓殺人慕情 小説春秋 1987年3月 博多歓楽街殺人事件
刑事官と幽霊 別冊小説宝石 1987年5月 刑事官殺人ファイル
刑事官と不倫事件 小説NON 1987年7月 刑事官殺人ファイル
事件の背景 別冊小説宝石 1987年9月 刑事官殺人ファイル
スイミング・クラブ殺人事件 小説宝石 1988年3月 刑事官殺人ファイル
鬼哭 羊歯行、乱蝶ほか
中洲に帰ってきた男 博多殺人風景

 これこそ、急ごしらえそのもので、十分な調査をしないまま作成していることをお詫びしておく。石沢の場合、九州のローカル誌紙に書いている可能性がある上に、非ミステリの同人誌にも作品を発表しているため、完全なものの作成は難しいだろう、とは思っているが、それにしてもこの状態はさすがにどうなの、と私も思うのだが、現状だと区切りをつけにくいので、公にしてみたものである。
 初出不明の作品のうち、さすがに「鬼哭」も確認していないのはお粗末に過ぎるのだが、このあたりの資料も捜しにくくて、自力での初出特定は諦めた。

 また、例によって、『退職刑事官』の収録作品は、刊行にあたって長編化されているが、それだとむしろ(初出的には)分かりにくいと思い、この表記となっている。ご注意されたい。

 こんなリストでも、多少は何らかの参考になると信じて、とりあえず、上げるだけあげました。指摘があれば、随時直して行きます。
 


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