広瀬　正　作品書誌（不完全版）

戸田和光　編

はじめに

　例によってお断りしておくと、私は広瀬正の良き研究者ではない。小説全集はすべて読んでいるから、ＳＦ作家の中では読了作品率はかなり高い方だとは思うが、さりとて系統立った研究を行っている訳ではないからだ。結局のところ、門外漢がまとめた資料であることは間違いないだろう。
　ただ、広瀬の場合は、集英社文庫の“小説全集”は大嘘で、これらに収録されていない作品がいくつもあることは知られている割りに、ではどれだけの未収録作品があるのか、まとめられた資料は余りない印象がある。その中で、（誰が作成したものか私は知らないが、）『ＳＦイズム　第４号』に掲載された作品リストはそれなりに充実している方だろう。ただ、このリストでも中学生雑誌に掲載された作品は洩れているなど、やはり完全にはほど遠い。――という訳で、少しでも完全なものに近づけるべく、現時点で私が整理し直したのが、本リストとなる。
　一応、本リストは、『ＳＦイズム　第４号』に掲載されたものを基本に、私が把握している作品を追加することで、まとめた。従って、同リストにあるが、私が確認していない作品も、そのまま残している。予め、お断りしておく。

　編者自認の“不完全版”だが、少しでも完全なものには近づけたいと思っているので、誤りや作品のモレに気づかれたら、ご指摘いただければ幸いである。

短編リスト

　小説全集の項には、当該作品が収録されている巻を記載している。つまり、この項が空欄の作品が、作品集未収録の作品、ということになる。

　見て頂ければ分かる通り、昭和38年頃から44年頃にかけて、いろいろな雑誌に執筆している。中学生雑誌の掲載作品はミステリーだし、倶楽部雑誌の掲載作品は明朗小説のように見える。ただ、大半はＳＦではないだろうから、知っていても、小説全集には収録されなかったのかも知れない。
　一方で、広報誌などには、多くのＳＦ作家のラインナップに混じって、数編のショートショートを確認している。恐らく、これ以外のさまざまな媒体にも、まだ多くのショートショートを発表していると思われるが、現時点で把握できたのは、これくらいだった……。

長編リスト

　こちらは、帳尻合わせ。目新しい情報はありません。

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