飛鳥 高 短篇リスト

戸田和光 編


本リストについて

 論創ミステリでの『飛鳥高探偵小説選』の刊行を祝って、短篇リストをまとめておくことにしました。ただ、飛鳥の作品リストは、同書の解題でも触れられている『推理作家・飛鳥高』にほぼ完全なものが載っていますので、今回は、それに収録書を付してまとめ直しただけです。体裁上“編”としていますが、このリストに関しては、殆ど何もやっておりません……。予めお断りしておきます。

 とはいえ、書誌リストに“完全”はない、というのは当然なことですので、例によって、お粗末なミスがあれば、ご指摘ください。


飛鳥 高 短篇リスト

タイトル初出誌初出年月収録書
犯罪の場 宝石 昭和22年1月号 論1/河出
宝石 昭和25年9月号 論5/河出
犠牲者 宝石 昭和25年12月号 論5/河出
孤独 宝石 昭和26年3月号 論1
暗い坂 宝石 昭和26年9月号    河出
七十二時間前 探偵実話 昭和26年11月号    河出
加多英二の死 宝石 昭和27年2月号 論4/河出
白馬の怪 探偵実話 昭和27年5月号 論1
ギャングの帽子 昭和28年1月号 論5/私2
昭和28年9月号 論5/私2
火の山 宝石 昭和29年3月号 論1
雲と屍 宝石 昭和30年2月号 論1
兄弟 宝石 昭和30年6月号 論1
見たのは誰だ 探偵実話 昭和30年11月号 論3
去り行く女 探偵実話 昭和32年6月号 論4
放射能魔 探偵実話 昭和32年10月号 論1
ある墜落死 探偵実話 昭和32年12月号    河出
二粒の真珠 宝石 昭和33年1月号 論5/河出
逃げる者 宝石 昭和33年6月号    河出
悪魔だけしか知らぬこと探偵実話 昭和33年8月号    河出
断崖 娯楽よみうり 昭和34年1月16日号〜1月30日論3/私2
金魚の裏切り 宝石 昭和34年6月号 論4/河出
車中の人 週刊明星 昭和34年6月7日号 (アン)
薄い刃 『推理教室』 昭和34年7月 論6
無口な車掌 『推理教室』 昭和34年7月 論6
黒い扉 『ポケット・ミステリィ』昭和34年7月    私2
埋める 中日新聞 昭和34年8月23日 論5
古傷 宝石 昭和34年12月号 論4/河出
飯場の殺人 週刊スリラー 昭和35年1月22日号 論3
にわか雨 週刊スリラー 昭和35年2月26日号 (アン)
満足せる社長 宝石 昭和35年5月号    河出
落花 週刊スリラー 昭和35年5月27日号 (アン)
安らかな眠り 宝石 昭和35年7月号    河出
こわい眠り 宝石 昭和35年7月号    河出
疲れた眠り 宝石 昭和35年7月号    河出
鼠はにっこりこ 宝石 昭和35年10月号 論2
夜のプラカード 宝石 昭和36年3月号 論2
赤いチューリップ 週刊特ダネ実話 昭和36年5月13日号 論3/私1
月を掴む手 別冊小説新潮 昭和36年10月号    河出
細すぎた脚 宝石 昭和36年10月号 論5/河出
逃げて行く死体 週刊大衆 昭和36年10月16日号〜11月13日号   私1
誰が一服盛ったか 漫画読本 昭和36年12月号 論3
総合手配 特集実話特報 昭和37年2月12日号〜3月12日論4/私1
ボディ・ガード 宝石 昭和37年3月号 論2
いなくなったあいつ 推理ストーリー 昭和37年4月号 論6
拾った名刺 エロチック・ミステリー昭和37年7月号 論2
記憶 週刊現代 昭和37年7月29日号    私2
大人の城 オール読物 昭和37年8月号 論2
猫とオートバイ 小説新潮 昭和37年8月号 論2
特定契約 推理ストーリー 昭和37年8月号
待伏せ街道 探偵実話 昭和37年8月号
狂った記録 宝石 昭和37年8月号 論2
仲よく乾杯 別冊週刊漫画TIMES 昭和37年11月20日号    私2
誘かい魔 オール読物 昭和37年12月号 論5
狂気の海 エロチック・ミステリー昭和37年12月号 論2
死刑 漫画ストーリー 昭和38年1月28日号 論6/私1
深い穴 推理ストーリー 昭和38年2月号 論6
栄養        文芸朝日     昭和38年4月号 論4/私2
線路のある街 美しい十代 昭和38年4月号    私2
バシーの波 別冊小説新潮 昭和38年6月号 論2
お天気次第 宝石 昭和38年6月号 論2
危険な預金 推理ストーリー 昭和38年9月号 論6
不運なチャンス 推理ストーリー 昭和39年4月号 論6
傷なんか消せるさ 高2コース 昭和39年4月号〜9月号 論4/私2
欲望の断層 日刊観光 昭和39年6月13日〜6月22日 論3/私1
幻への脱走 週刊現代 昭和39年11月26日号 論3/私1
短刀 推理ストーリー 昭和40年1月号 論5
分け前 漫画読本 昭和40年4月号 論6
吹雪の女 オール読物 昭和40年6月号 論4
みずうみの死 推理ストーリー 昭和40年8月号 論5
東京完全犯罪 週刊新潮 昭和41年2月12日号 論3/私1
見えぬ交点 推理ストーリー 昭和41年4月号 論6
ビラとばら 小説新潮 昭和41年8月号 論5
東京駅4時30分 推理ストーリー 昭和42年2月号 論5
パリで会った男 推理ストーリー 昭和42年7月号 論6
計算機 推理ストーリー 昭和43年1月号 論5
荒涼たる青春 週刊サンケイ 昭和44年2月10日号 論3/私2
さらば祖国よ 推理界 昭和44年3月号 論4
殺しは人間に任せろ 推理ストーリー 昭和44年4月号 論6
カメレオンの街 推理界 昭和44年6月号 論5
アウトロー 推理 昭和46年9月号 論6
最後の奉公 推理 昭和47年1月号 論6
プルタバの流れ 推理 昭和47年9月号 論5
とられた鏡 幻影城 昭和51年5月号 論3

 収録書の欄で、「河出」は『飛鳥高名作選 犯罪の場』(河出文庫)を、「論1」「論2」「論3」「論4」「論5」「論6」はそれぞれ『飛鳥高探偵小説選T』『飛鳥高探偵小説選U』『飛鳥高探偵小説選V』『飛鳥高探偵小説選W』『飛鳥高探偵小説選X』『飛鳥高探偵小説選Y』(論創ミステリ)を指す。また、「私1」は『逃げて行く死体』(私家版)を、「私2」は『傷なんか消せるさ』(私家版)を指す。(なお、私家版は、いずれも売り切れ、在庫なし) なお、今後は、論創版が収集の基本となると思われるので、その収録の有無が見やすいようにしてみた。如何だろうか?
「(アン)」は、文庫版の(文庫化された)アンソロジーで、比較的容易に入手可能なものを示した。


 論創ミステリも巻を重ねて、単行本未収録の作品は、殆んどなくなってきた。こうなると、全短篇が本になって欲しい気がしてくるが、かえって、一冊に編むのは大変かも知れない。論創と河出文庫との重複収録もかなりあるため、それを整理することでどうにか、といった感じだろうか……。

 なお、今更だが、私家版の編集について補足しておく。これらは、論創から作品集が刊行される前に企画したもので、事前に飛鳥氏ご本人の了解を得てから、まとめたものであり、刊行したものは飛鳥氏に贈っている。一応、作品集が編まれる可能性を考慮して、小説雑誌に発表されたものは入れない、アンソロジーで入手可能なものは極力入れない、という方針でセレクションしたが、ほぼ2冊分になることが分かったので、2冊めに青春小説と呼べそうなもの(と掌編)をまとめ、それ以外を1冊めに入れてみたものである。これほど論創から出るとは全く予想していなかったから、今では無意味な企画だったかも知れないが、この企画が呼び水になったことにしておこう……。


戻る

戸田和光