2.おもしろ/めずらしサクソフォン写真集

「パリのアメリカ人」を1997年6月22日上野浅草フィルハーモニーの定期演奏会で演奏した時のセクションメンバー。曲の前半・中盤まで出番がなく、後半のスウィング風の所からようやく音を出せる。
 使用楽器は
Alto: Selmer Paris Super Action serie II
Tenor: Selmer Paris Super Action serie II
Baryton: Buffet-Crampon Prestige
R.シュトラウスのSinfonia domesticaを演奏するのが夢であるのだが、その場合には更にバスサクソフォンが必要になる。

 クランポンのカタログ(左)にあったような図柄を演出してみました。バリトンサクソフォンが如何に大きいかわかりますし、我が息子があたかもサクソフォンから誕生したかのようにも見えますかな?ちなみに左はバリトンよりも1オクターブ低い音域を持つコントラバスサクソフォン。

crampon.gif

「パリのビュッフェ・クランポンの店を訪れた人なら、陳列室の一隅に巨大なコントラバス・サクソフォンが立っているのを記憶していることだろう。この楽器は並外れた大きなマウスピースを持っており、そのリードは幾世代にもわたる訪問客たちが、神妙に一息を吹き込んで行くために、(音は出ないのだが)もうズタズタになっている。」(A・ベインズ著「木管楽器とその歴史」より引用)。
 1995年ころウィーン西駅近くのリング沿いの楽器店VOTRUBAにはチェコ製のコントラバスサクソフォンが店頭に展示されていた。2020年webで店内の様子が映し出されると、まだこれが店内にある!

 サクソフォンの発明者アドルフ・サックスがベルリオーズ作曲の「聖歌(Chant Sacre)」を初演した際の漫画(作者不明)。ベルリオーズがボックス席で聴いている。サックス氏は工具を散らかしながらも、開発したバス・サクソフォンを自ら演奏している。
Berlioz+Adolpf Sax
 サックス氏の開発努力は留まるところを知らず、上記コントラバス・サクソフォンの更に1オクターブ以上低い音域を出すオクト・サブ・コントラバス・サクソフォン(F管)を作ってしまったが、見ての通りの「とある事情」のために、演奏することができなかった。
 パリ市内北東にあるペールラシェーズ墓地のビゼーのお墓。ローマ通りの「ヴァンサン=ジュノー」にて注文してから、半年近く待たされて、ドイツから帰国する際にパリまで行って受け取ったビュッフェ・クランポン社特注のプレスティージュ(ソプラノサクソフォン、しんちゅう部分にも全て銅メッキ+ゴールドラッカーが施され、非常に美しい楽器)を持った私。1986年のイースターの頃。楽器の美しさは今も変わらない。ビゼーは言うまでもなくサクソフォンをオーケストラに座らせた最初の作曲家だ。そしてウィーン版「カルメン」によって、失敗作を大いに世に広めたきっかけであるウィーンに私を誘い、今の私の音楽に対する興味の土台を作ったとも言える。