製作年度:2012年 日本映画 配給:S・D・P
監督:山口雅俊 出演:山田孝之、大島優子
2012年9月 映画館にて鑑賞
恐怖の闇金世界を描いたコミック原作で深夜に放送していたドラマ版の続編が今回の作品。深夜放送にもかかわらず映画化されたということは反響が大きかったみたいでしかもキャスティングにドラマ版サブ主人公の片瀬那奈を出し抜いてまさか、まさかのAKBのNO.1を起用とは驚くばかり。客寄せの赤字対策?と思わずにはいられないが、演技自体は可もなく、不可もなくといったところ。ショートパンツの軽い服装なんかが似合っていてけっこう無難だった。その他のエキストラ以上脇役未満の方々の変な台詞まわしの方がむしろ気になる。原作の台詞を言わせようとしているのかどこかわざとくさい。山田孝之演じる主人公ウシジマ君の仕上がり具合は今回もすごくいい感じ。同年代の小栗君や向井君にこのパワーは出せまい。アイスバーをごりごり食べているだけなのにどこかシュールでおもしろい。あと背丈があればいいのになーと思う。刑事や弁護士のベテラン俳優も安定していておもしろい。物語に重要なギャル男君役はちょっとやかましい感じはある。人気キャラ肉蝮さんは良好だけど、小指逆立ちを暗闇で行うのと、コート着っぱなしで筋肉と入れ墨を見せないのは粗隠しでうまく逃げた。長くなったバトルシーンは映画用のサービスだろうけどあんまり好きではなかった。
話の内容自体は、原作と比較すると一見うまく取り入れているが、「ギャル男くん」の方は友人ネッシーへの裏切り行為があったからこそラストチャンスを逃すはめになり話の筋が通るが、劇場版ではそこの話は書き換えられているので起業しようと努力している田舎者の青年がただただ運が悪かったために都会で地獄を見るという誰得話になってしまっている。大島優子の方は「出会いカフェくん」と「テレクラくん」の内容を薄く混ぜた結果パンチのない内容になってしまった。コーラとファンタは似てるけど別々に飲んだ方がおいしいってわけ。最後にちょろっと顔を出しただけで海猿ばりの爽やか青春恋愛映画に変えてしまう市原隼人の清々しさにはあっぱれ。