製作年度:2012年 日本 映画 配給:ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野
出演:ビートたけし 三浦友和 加瀬亮 小日向文世 監督:北野武
2012年10月 映画館にて鑑賞
前作からの続編と北野監督では珍しい展開。今回宣伝効果がかなりうまくいったのかヤクザ映画が興行成績1位をマークするといった点も見逃せない。バイオレンスヤクザ映画はVシネで作るものとなっていただけにこの盛り上がりはすごい。時代は「覚悟しいや!!」から「がたがたうるせんだよこらっ〜!!」へとやっと動いた。話的には前回からのストーリーを全部引き継いでいるので1作目は要チェック。1は中間管理職ヤクザが追い込まれていき最後はいかに逃げるかの展開だったが、2は一転してどんどん敵を追い込んでいく攻めの話にチェンジ。テンポもよくてさくさく進むので眠たくはならない。冒頭のタイトルが出るタイミングからして攻めの姿勢が出ている。痛いお仕置きシーンは2回とやや減ったもののドリルを使ったシーンは短い数秒のカットながら「スカーフェイス」の相棒チェンソーの刑を彷彿とさせる怖さがある。その他の特徴としては前作のカジノみたいなお遊びパートはなくて、北野監督らしくないところもある。
配役は前作で生き残ったキャラに加えて、関西ヤクザの西田敏行や中尾彬、鉄砲玉に桐谷健太、あとどこぞの隠れ韓流スターかと思ったら高橋克典がちゃっかり出ていたりしておもしろい。台詞もなくて黙々と組員を排除していく姿は「特命シリーズ」のキャラがすっかり板に付いていただけに斬新な活用法だと思った。一方旧キャラは、加瀬亮演じる「石原」がナンバー2にのし上がって出番倍増なのだが、どうもこのキャラだけ、「加瀬亮、ナンバー2、インテリヤクザ、ヒステリック暴力キャラ」という設定が結び付かなくてしゃべれば、しゃべる程ちょっと浮いた感じになってしまっていた。小日向さんも出番倍増で組織をひっかきまわす。さすがに警察がここまでやるとリアル感がなさ過ぎるけど話としてはおもしろい。まあ映画だし。主人公が1の時カッターで顔を切られた中野英雄演じる木村とコンビを組むことになるのだが、今回もまさかの痛い粗びき芸を披露するのでお楽しみに(カッターで指切れないとか怒っていたくせに…)。椎名桔平は1で生かしておくべきだったと思う。もっと暴れる桔平ちゃんが観たいです。「続・男達の挽歌」みたいに双子の生き残りという設定でいいから3作る時は復活希ボンヌ。
終わり方には賛否両論ありそうだけども、悪い奴程よくは眠れない結末が待っているので私としてはあり。3も作れなくはない終わり方。関西でもう一暴れできそう。