製作年度:2010年 日本映画 配給:東宝映画
監督:トラン・アン・ユン 出演:松山ケンイチ 菊池凛子
2011年1月 映画館にて鑑賞
村上春樹原作のベストセラー小説を映画化した作品であるが、本で読んでいたので眠たい地味な映像が続く映画になるなという気はしたけど、編集自体は思ったよりテンポのいい作りで眠たくはならなかった。が、主人公以外の人物のサイドストーリーはばっさりきってしまっているので未完成というか意味が分からないというか、ただの名ゼリフ集になっていて微妙。人によっては女優に淫語を言わせたいだけだったんじゃないかと思った人もいたかもしれない。この作品の特徴である独特の台詞まわしも実写化して演者がしゃべる場合はどうにも言わされてる感が出てしまい棒読みに聞こえてしまう。菊池凛子もバベルの時は役柄に合っていた気もするが、今回は声を聞いた瞬間に「直子のキャラと違うな」と異和感を覚える。というか菊池凛子の色気は画的にサラサラしてなくて観ていて凹む。まあそれが持ち味っちゃあ持ち味なんだけども…。 むしろミドリ役の女優の方が魅力的で気になるところ。原作のミドリの家に行って火事を眺める場面は好きなところであったがカットで残念。省略が多い作品ではあったがそれでも2時間使っているのでいかにまとめるのが難しいかということが分かる。森の風景なんかはもっとゆっくりと観たかった。今回はベトナムの監督が撮ったが日本人だったら昔の岩井俊二監督に撮らせればきれいで瑞々しい映画になったと思う。まあ後の祭りですけども。