製作年度:2013年 日本映画 配給:東宝映像事業部
監督:新海誠 出演:入野自由 花澤香菜
2013年6月 映画館にて鑑賞
背景アニメの美麗さに毎回驚かされる新海誠監督の新作を鑑賞。新人ドラマ大賞の低予算実写作品の一コマでも済んでしまいそうな内容だが、そこを長年培ってきたアニメーション技術と徹底して偏りまくった胸キュン演出をすることにより「秒速」に続き作品のスタイルとして一本確立した感が出た。ここまでやられると口を挟む隙が見当たらない。妄想好き男、グータンOL女子も舌を巻く、四千年に一度あるかないかのありえないシチュエーションの連続は観ていて体がむず痒い程。午前中の雨の日の新宿御苑にきれいな女の人が一人ビールを飲んで黄昏れているのがしょっぱなからすでにスーパーレア。千鳥ヶ淵でジョギングしているきれいなお姉さんなら結構いるけども。でそこに学校をさぼった靴職人希望の青年が声を掛けるっていうハードルの高さ…。ギップルさんなんとかしてください状態。「悪の華」好きの悩める学生には是非観ていただくと心洗われる。黙ってもうこの二人の世界を見届けるしかない。こだわりの雨、移り変わる天気の表現も素晴らしく、この先アニメ美術ってどこまで行くのだろうかと思わせる。上映時間四十五分と短い時間のわりには正規料金なのでちょっと躊躇するが一見の価値はあった。次回は後輩監督と二本立てにしたらいいと思う。