製作年度:2011年 イギリス・アメリカ映画 配給:ワーナー・ブラザース映画
出演:ダニエル・ラドクリフ エマ・ワトソン ルパート・グリント 監督:テビッド・イェーツ
2011年8月 映画館にて鑑賞
前作を観てからもう半年経ってしまったと思うとあっという間。そして、ついに、やっと、ハリポタシリーズも完結。実に長かった。大学に入ってシリーズが開始したかと思えば三十路近くになってしまった。あの頃私はまだ絵なんか描き始めてすらなかったのだから10年は長い。同時期にやっていたロードオブザリングが遠い昔の映画に思える。そしてハリーも青年を通り越してもはやおっちゃんの領域。だいたい3作が終わると4作目でキャスティングが変わったりすることが多いので全作品が最後まで同じ出演者で通したということにまず拍手(監督は変わったりしている)。キャストどころか1回でも興行がこけるとシリーズ自体が凍結もありうるから良し悪しはさておきファンタジー8作品が続いたのがなかなかすごい。
ラストとなる今作はちゃんと終幕に相応しいスケール感が出ていて、涙あり、魔法バトルあり、恋愛の行方あり、ポッター出生の種明かしありと映画としてはとりあえず欲しい要素が取りこぼしなく網羅できている。アイテムのルールは最終作にしても今ひとつよく覚えきれない部分もあったがまあ乗りだけで観ている分には問題なし。死の秘宝って必要っだたの?とか。剣がなくても分霊箱が壊せるって…なんかチートっぽいなーとか。蛇も大事な割にはなんか無防備過ぎてもう一捻り足りない感じがした(打たれ弱い普通の蛇でした)。あとなんといってもバトル漫画、RPG文化で育った日本人にはボスキャラは変身の一つでもしてくれないと物足りない。「あの人」の当たり障りのないのっぺりとしたデザインは変身後とのギャップを狙った振りかと思ったら、全力でした。全面戦争もただホグワーツという小、中、高の一貫校を壮大に荒らしただけで世界を巻き込んでる感がもう少し欲しいところ。これでは「croze」で不良がテッペンを取る映画とあんまり変わらないではないか。過去作品を振り返って一作目が「ホームアローン」のクリスコロンバスというコメディー大好き監督が作ったライトな方向性と比べ、大人の雰囲気で暗いのはありだけども炎で焼け死ぬとか魔法対決で大量戦死とかはちょっとバランスが悪い気もした。最後はハッピーエンドでとりあえず挽回。
エピローグとエンドロールがこれまた淡白。ロードオブザリングの時は逆に長過ぎるエピローグで「早く終わってくれ」と天にお願いしたものだが、学園のその後とかも観たかった。花火的な物を観ないと終われないみたいなところがあるし(スターウォーズの影響)、エンドロールも1作目の子供時代からの名シーンカットを載せながら余韻に浸るというのが常套手段。とまあなんだかんだで終わった感は味わえたので満足。これに尽きる。エマ・ワトソンの今後に期待。次は島流しになった「ライラの冒険」の封印をそろそろ解く頃?