製作年度:2012年 日本 配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:窪岡俊之 原作:三浦建太郎
2013年2月 映画館にて鑑賞
カリスマコミック原作のダークファンタジー巨編、劇場用アニメの第3話。漫画はまだ未完。中学の時深夜放送のアニメを見て、リピート再放送でもう一回見て、高校の時はよく原作を読んだ。ということで私の中ではダークファンタジーといえばロードオブザリングよりもベルセルクということになっている。
2作目は鷹の団隊長のグリフィスが御用になるところで終了したので今作はその救出作戦からスタートしてお待ちかねの「蝕」を描く。前2作でだいたいの編集加減やテンポなんかは分かったのでまあ出来の良し悪しはだいたい想像がつき総評としては可もなく不可もなく。金の延べ棒はどこを切り取っても金ということでやっぱりおもしろい。話自体がすでに他の追従を許さない設定なので、原作を結構ばっさりカットしても引きつける魅力はある。楽しめたのだけれども、どうしても話を終える箇所、カットする箇所なんかはテレビ版と似てきてしまう感じではあった。結局ガッツがまたドラゴン殺しを背負って旅立って終わりという煮え切らない印象は残る。映像の技術が進歩したのは十分伝わったので話の方での新しい切り口も欲しかったところ。
今回の見所「蝕」はというと、ゴットハンド登場のシーンなんかは演出がやたらスタイリッシュになっていてかっこいいのだけれども、「蝕」自体の得体の知れない未知との遭遇の怖さは半減。蝕の色調もやっぱり赤系統の方が好きかな。「ドルトレイ攻略」に続き、今回も妙に気合いの入ったエロシーンは健在。ガッチャマンフェムトの乳の転がし方が滑らか過ぎていて、カオスシーンなのにちょっとスタッフが笑かそうとしている。キャスカも表情が満更でもなくないか?髑髏の騎士が助けにくるシーンはかっこよく描かれていて好感が持てる。挨拶変わりの一撃を無言で見切るボイドもすごいけど、更にカウンターをガードしてフェムトの圧縮攻撃をひらりと交わす髑髏の騎士がとにかくかっこいい。見せ場を全部持っていく。その後のガッツが目覚めて幽霊と闘うシーンを入れるならばドラゴン殺しを手にするまでを入れて欲しかった感じはある。なんであんな大きい剣が必要なのかが描かれる貴重な場面ではあったはず。あとエンドロールの使い方がけっこう下手。クレジットとは別にテーマソングのPVを別で流したりして冷める。どうしてスタッフロールで流しておかないんだと誰もが思ったはず。どうしても別に流すのであれば映像に実写は混ぜないで欲しかった。現在放送中の「ジョジョの奇妙な冒険」の神がかった無駄のないエンドロールの扱い方と比べれば違いは明らか。あちらは1秒足りとも尺に無駄がない。
他は変に妖精パックを出したからにはこの続きも作って欲しいとは思うが、ここから先はいかんせん区切りどころが難しいので多分不可能か?芋虫で1部、蛾で1部、モズグス様で1部、グルンベルド様で1部、いったい何部あれば足りるんだ?コミック完結したらキャスト一新してまた黄金篇から作り直しかな?ということで「蝕」から先をアニメで拝める日はくるのか?