製作年度:2012年 アメリカ 配給:ユニバーサル
監督:ピーター・バーグ 出演:浅野忠信 テイラー・キッチュ
2012年5月 映画館にて鑑賞
「トランスフォーマー」のスタッフが送るSF超大作映画。制作にマイケル・ベイは今回かんでいないみたいだが、構成や見せ方なんかは似ているし独特の機械音なんかもそれっぽいのを使用している。早い話が監督は誰でもよくない?ということである。内容はいつものごとく未確認物体襲来から撃退とおきまりのパターンを踏襲していて際立った斬新さは特にない。かといって雑な作りでもないのでそれなりに楽しめた。特徴を挙げるなら陸、空軍対エイリアンという図式ではなくて、今回の相手は海軍という点と日本から浅野忠信が出ていることであろうか。役柄上きれいさっぱりヒゲを剃った浅野忠信は魅力半減なのが痛い(演技派というより雰囲気俳優なのでそこがなくなると誰だか分からない。加瀬亮でもいいかなみたいな)。それと日米が助け合って「真珠湾奇襲攻撃は水に流そうぜ」的なのりがある。
内容の方は序盤のドラマパートはAVの導入のごとくどうでもいい茶番であったが、本番のVFXは敵がいかんせんでかいので見応え十分。駆逐艦と宇宙人との戦いは結構楽しく観させてもらった。「トランスフォーマー」の力ごり押しの戦闘とは違って多少なりとも作戦的なものがあるので内容としては間延びが少なくてまとまりはいいかと…。映像としての迫力はあるのだが、敵装備にバリアーがありそうでなかったり、威力最強の最先端砲弾もロックオン機能がなしと敵が強いんだか弱いんだか今ひとつはっきりしないところは気になるところ。攻撃手段が二種類というのも物足りなく、奥の手的な絶対絶命最終兵器があればよかった。歩兵用の全身スーツもなんだかすごい大げさな作りでアナログ感満載。手をカチャカチャ変形させればいいってもんでもない。非武装だと意外と見逃してくれたりもするし、話せば分かってくれそうな気が…。
総評としては惜しい作品。軍艦はかっこよく撮れているので好感が持てる。ただ退役じいさん達がスタンバイしていて三時間後に出発はさすがにない。最後に戦闘機が助けに入るところやこういういかにもな展開がハリウッドらしい。