1.なみだがきらめく   
――まっすぐ自分の言葉は曲げない。
憧れ続けている人を想い、身に着けることにした帯が、彼女を勇気づけた。
「家にとって、一番いい結果となることを、願っています」
と、迷うことなく正直な気持ちが、すらすらと口をついて出た。

※ 日向宗家のため、ナルトへの想いを振り切ろうとするヒナタ。

2.まっすぐみつめて    
「……オレってば、人の心が見えるワケじゃねー。でも、ヒナタがオレにどうして欲しいのかは、わかる」
ぱっちりと目を開き、顔を上げると、胸に当てていた拳を突き出した。
「だから、見て見ぬフリなんか、絶対に出来ねえっ!」

※ シカマルと話し、決心するナルトへ、九尾が問いただす。

3.かなしみはどこへ    
「ああ、そのこと……」
何でもない風に答え、歩き出すヒナタのあとを、ハナビも早足で付いてくる。
「ああって……何を呑気に! 私なら、すぐにでも、縁談をお断りします!」
あまりにも意外な言葉が返ってきて、ヒナタは思わず足を止めた。

※ サクラに連れられ、ヒナタはナルトと話をする機会を得る。

4.ひとりきりのあめ   
三尾を取り込む際、九尾チャクラをまとった時と同じく、人の思念を察したのだが、それが何であったのか、さっぱりわからない。
けれども間違いなく、あの声をきっかけに自分から発せられたチャクラが、この魔法のようなことを、成し遂げてしまったのだ。

※ 尾獣を追う任務に着く中、自分が持つ力の大きさに戸惑うナルト。

5.まちぼうけのあさ    
雑踏のざわめきに紛れ、隣を歩くイルカが、
「そういえば、鉢植えの木が枯れてしまうのを心配してね」
と漏らし、ん? とナルトは横を見た。
「ヒナタが、毎朝ナルトの部屋へ、水やりに行ってるよ」

※ 任務を終え、木ノ葉隠れの里へ戻ったナルトを、イルカが待っていた。

6.ふたりきりだから    
「ヒナタ。うずまきナルトの部屋の鍵を、預かっているな?」
ハッと顔を上げ、口を開きかけるヒナタを手で制し、
「何もいわなくていい。今すぐ装束を整え、その鍵と共に、ナルトの部屋へ向かえ」
と、父のヒアシはいった。

※ ナルトの身に異変が起き、ヒナタはネジに連れ添われ、彼の部屋を訪ねる。

7.ことばがたりない    
ヒナタも懸命に食事を終えようとしたが、叶わなかった。
「ホラ、ヒナタってば、よく気ぃ失ってただろ? オレに会うとさ」
何でもないように「そんぐらい、好きだったんだよなァ、オレのコト……」といい、ぎこちなく笑う彼を見て、箸を置く。

※ 朝を迎え、ヒナタはナルトから、気持ちを打ち明けられる。

8.やさしいてのひら  2 3  
忍だからな、とつぶやく声が、わずかに震える。
「守んなきゃなんねーモンが、あるんだってばよ」
命に替えてでも、と口にしたナルトの体が、赤味を帯びた、オレンジ色の光に包まれた。

※ 里を出て、泥だらけの荒野に降り立ったナルトは、尾獣達と再会を果たす。

9.おもいでのかおり  new
薄れ行く風景を前に、彼女は思った。
(これは……ナルトくんの記憶でないなら、いったい何?)
あまりにも長い片思いが作り出した、全ては、優しい夢なのかもしれない。

※ ナルトの記憶をたどる不思議な空間へと導かれたヒナタは、九尾と対面する。

10.さよならのあとに
Coming soon.