沈み

 

沼に沈み

泥を愛した

苦しく重いこころを

抱きしめたまま


窒息する森

痺れた月光

吐き出せない砂利のように

時の流れが喉に詰まる

翳りの中の黒い影

どこにもいけずにたゆたって


記憶の中には

凍てついた太陽

今もまだ滲んだ光景がちらつく

舞う花や飛び立つ蝶

落下するツバメ

投げた言葉も、

後に全てが溺れる運命と知った


身体中に泥の塊り

同じ重さが喉から奥、

こころの底までこびりつく

憎しみだけなら歩いていけよう

悲鳴のように崩れ落ち

沈み続ける

愛しく、

愛しく。