白日

 

鈴なりの木の実をくぐり抜けたら

僕だけを照らすような陽だまり

ここは真っ白な告解室、頭を掻き毟って屈む人

「この世界に映るのは濡れた前髪ばかりです」


眩しさに目を閉じると葉の影が動きだす

あらゆる色が悪魔と手を取り合うように黒くなるから

僕は眼の傷がつくる虹を追って、闇に窓を穿った

空の下の内なる空には瀕死の太陽が

「もう必要なものしか照らしたくありません」


寝転がって土の香りと千草の痛みに包まれる

深呼吸一つで存在は果てしなく溶けていく

まぶたに滲む純白の陽光を残して、深い眠りに沈下する

洪水の後の世界を夢見ながら。