土砂

 

心に浮かべた、

砂の粒のようなこと

いつしか風に運ばれて

知らないどこかに積もりゆく


初めての街の

鼻をかすめた砂埃に

ふいに、感情揺さぶられ

崩れる土砂の中立ち尽くすように

失われた記憶のめぐりくる


私はまた一から塗り固めていく

道や壁を少しずつ

他愛もない事柄で埋め尽くされた、

私の匂いのする世界。