あの騒ぎ

人だかり

火の粉

ゆるやかな囲み


あの騒ぎは

もう通りすぎた道路で


目をほそめても

灰色のなかにかすむ

抽象的な動き


放送のような声が

きれぎれにとどいて

きまぐれに爆風があがっている


あの騒ぎの

残像や余韻が

背中にまとわりつく


あの騒ぎが

なんであれ

引きかえすほどではないだろう


おきざりはさみしいと

みにしみてみにしみて

わたしは前に進みつづけている。