夕暮れの天使たち

 

照れた笑顔も少しの沈黙も

アカネの空ににじんでく

川べり、桟橋、さくらんぼ通り

自転車押しながら、長い影引いて


熱っぽい風と、つややかな君の髪

揺れる景色のまぼろしは、花を摘む姿勢のまま

古いシネマのように時を焦がす


気がつけば、僕に寄り添う君の手に

小さなスミレの花ひとつ

夏のスカートみたいに楽しそうに回ってる


きらめきや実り、発見に目を輝かせ

君の口から言葉になったら

燃えるような美しさが僕の身体を襲う

この瞬間を、勝手に夕陽に閉じ込めた

(ソワール、モナムール…)


赤い頬を寄せた僕らの微笑み

羽根を散らし、曲がりくねる林道を急ぐ

あふれだす感情のすべて放つように


いつか、無邪気な季節は過ぎて

君が遠く僕を追い越しても、今は同じ気持ち

そして、夕陽の中に永遠を見る

もう一度焼きつけて、夜になるその前に。