あめゆめ
雨に蒸れて
色あせた街の景色
いつかの場所に
面影が浮かぶ
傘の下で息を潜めた
ざわめきの中から
音のない声を追う
連続する建物や人間の
重なる影で黒い道
進むほどに冷えていく
目まぐるしいこの世界で
透明だけが動かない
顔のない表情が
じっとこっちを見ていた
晴れたらきっと
終わるだろう
消えていく
淡い夢のように。