ある嵐
ある嵐
夜が溶け落ちて
零れた星を胸ですくうような
大きくて激しい気持ち
千年前からの嵐が
今、此処に在るように
僕らを揺るがし、試しているんだ
氾濫と、空気の凍える声
冷たい霧雨が僕らを襲う
指先から触れあう、少しずつ
透明になるまでくっつけて
同じ呼吸を、心に心に沁みこませて
切りつけ、暴れまわる風の中で
清らかな痛みを輝かせるよ
深い窓の灯りのように
宇宙の頂点に僕らは立つ
重力よりも甘やかな力で
そして、あたたかい感情が流れだす
かわいい想いがあふれてるよ
鼓動と血の流れ、全身に響きあう
高鳴りのままに、その唇を
ゆっくりとゆっくりと
鎮めあうように。