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瀬戸・美濃製品 

 

(C) サロン竹森

updated on 01/02/2004 13:47:13

改定版2006.11.28.作品18点(計41点掲載)2023.03.23.作品解説追加。


 

中国陶磁が専門の私が、「和物」特に居住地である瀬戸・美濃

を収集するにあたり、まず取り組んだ事は、その陶片収集と研究であった。

 

窯祉に隣接する骨董屋さんの中には、商いの傍ら

「地元の文化財に対し研究を重ね研鑚する人格者がいて」

理由を話したら快く陶片を分けていただけた上、助言までもいただけた。

 

我々にとって陶片は一級品の資料である。

是非皆さんにも陶片の収集をお勧めする

特に、高台のある物や口縁の残っている物、文様のある陶片は、

本歌を観察するより、その部分部分が比較し易く、鑑定の眼が集中できる。

 

また、袋物などの内面は、当時の陶工の技、息吹が直接伝わり、

釉薬のなじみ具合、厚さ、へら使いの強さなど等、

本歌の完品を撫ぜるよりも教えが多い、是非ご参考にされたい。

 

さて、瀬戸・美濃物の、桃山・江戸初を探し当てるのは

非常に困難といえる、特に、「胎質がやわらかく」、「古色がつきやすい」

昭和初期までの薪で焼成された作品で、出来の良いものは

「古色」をつけられると、お手上げである。

 

しかし、古陶磁愛好家は黄瀬戸・志野・織部など

桃山の美濃製品に憧れを抱く、

小生も“黄瀬戸六角盃”の本歌を捜し求めている一人である。

 

良い出会いがありますように!

 


 

 

 

 

 

 灰釉菊印花文水滴 JO0001  江戸前時代

 

 伝世の味が素晴らしい美濃の水滴の紹介です。

こんな小型なのに残念ながら油差(鬢付け)として使わ

れてしまった水滴ですが牙蓋を載せたら納まりました。

文房具として生まれたので人気のある水滴としたいの

ですが(値段も数倍)残念ですが、器の中にも釉薬が

掛かっていますので丁寧に洗えば油分が取れる可能性が

あります。

 画像でもお解りのように取っ手の左寄りに釉薬が多く

掛りそこが見所となっています。

茶道具としてみる時の大きな見どころ、糸きり高台の

技はスピード感と均一性が良くかなりの腕前です。

 寸法:胴径:6,5cm 中央口までの高さ:3,3cm

    注ぎ口高さ4cm 取手高さ3,8cm

 

 

 

jo0001

 

 

 瀬戸染付蹴鞠文蓋物 JO0001

     けまり            江戸後期

 

陶胎染付の一種と思われるが勉強不足の小生では

説明が出来ない。 

滲んだ染付で味がある、蹴鞠をしている図が描かれる。

伊万里を見慣れている人にとって、この半陶半磁の

焼物を新鮮に迎えることが出来るだろうか?

私の感性では味があり冷たくないので、好みだが?

左右12.3Cm、H8.6CmNO0111

 

 

 

 

黄瀬戸茶入 JO0507 江戸前期 

 

京都の有名な茶道関係者の方から分けて頂いた黄瀬戸香炉

です、かなり大切にして居た物ですが、縁あって興し入れ

いたしました。

未使用で、前愛蔵者は茶入れとして見立てたのか?タガヤサン

を加工した木目の良い蓋が設えられています、おそらく

濃茶入れに見立てたのでしょう。

品の良い洗練された器形で外面と内面に1条の釉ナダレが

“卯の斑状”に流れお見事です、胴央をめぐる刻線が器全体を

キリリと引き締めています。

このような単純な美しさは陶芸家が目指す最終段階で、

現代の人間国宝と呼ばれる人達でも“唸るロクロ技”といえます。

箱の蓋裏に“猿沢池・・・で始まる歌銘が墨書”されている。

名品です。    高さ5.5cm、径7p、NO0250

 

 

 

 

 瀬戸鉄釉油滴小瓶 JO0508 江戸時代 桐箱 

 

この作品は発掘品で、何に使用したか?不明の小壷です。

もしご存知の方、ご教示を!口縁に銀直しがあるものの、

この器の魅力は鉄釉の窯変“油滴現象が出ている”事です。

中国の油滴は国宝になったりしてかなり有名であるが

日本の油滴は小生始めて見る、小品の珍品です。桐箱入り

最大径6.2cm H6.2cm 口縁銀直し  NO0085

 

 

 

 

 織部筋文徳利 ペア JO0012 衣城の銘  

江戸後期〜明治

 

高台内側の小判印内に“衣城”(ころもじょう)の落款があり

調査すると、現在の愛知県豊田市に鎌倉時代から戦国時代

同名の城があったとある。

原色陶磁大辞典にも記述が無いのでご存知の方ご教示を!!

徳利としても、また一輪挿しの花活けとしても映える器である

口縁に2本とも2〜3oの金直し有り  

H13cm ペア NO0022

 

 

 

 

 絵志野火鉢 JO0512 昭和初期  

 

志野の魅力はお部屋に上品な雰囲気をかもし出す処にあり

有りますが、下手な雑器である?火鉢として、有りそうで

無いのが“志野の火鉢”といえます。

蛍光灯では冴えない色なので自然光の入る場所に飾りれば

存在感が発揮できる火鉢です。

この絵志野火鉢はお部屋に炭を飾ると見栄えが良く、

もちろん鉢カバーにもなります、またワインクーラーに

使用すれば最高の贅沢ですね。   (木灰が残っています)

最大径15.5p H16cm 23   0011

 

 

 

 

 瀬戸鉄釉水滴 JO0513  江戸時代  

 

窯の降り物がたくさん落ちている、見所か?欠点?と見るか

はあなたのセンスが決める。

散歩の折摘んだ野草を投げ入れると良く映える。

全体の釉が薄いので時代は江戸の中期くらいか?脇役に

徹してくれる器に違いない、素朴さが魅力です。 小ガケ

最大径9.2p H 5.9cm  NO0021

 

 

 

 

 黄瀬戸釉盃 五客 JO0514 江戸時代 

 

この盃、良く使い込まれたのか?素晴らしい味がある。

五客セットで残っているのはありがたい。

「うるか」など珍味をいれたら魅力が倍加するであろう。

この盃、高台ぎわの荒々しいヘラ削りに魅力があります。

平均寸法最大径 6p H 3cm 小箪 NO0023

 

 

 

 

黄瀬戸水指 JO0517  江戸後期  古箱入り

 

黄瀬戸の水指は理由は良く判らないが作品数がなぜか?

少ない、器胎は厚く成形されどっしりしている。

蓋は杉の柾目板であつらえられ、戦後期に新たに造られている。

キセトの水指は貴重品で江戸期の水指しは博物館を探しても

滅多に見られない。

内側に鉄釉が掛けてあるので用途は水指で良いとおもう。

収納されている古杉箱に長谷部氏とある。

土は瀬戸ではない可能性が高い、浅学で申し訳ない。

口径21.5cm H17.3cm 高台径10.5cm

NO0166

 

 

 

 

 美濃久尻窯鉄釉徳利 JO0523 江戸  ダンボ箱

 

口縁に古ホツ、胴にニューが10cmほど2本ほど走るが水漏れ

はしない高台にも古欠けあるが時代相応の物と見る、久尻窯は

小堀遠州の指導を受け、志都呂窯に陶工を派遣したと聞くが、

そのことが窺えるほど釉調が似ている、ただし粘土はこちらの

方が断然良い、粘りのある土と言える。

徳利で使用してもよいがこの釉色は花映りが良いので、

花器として使用したほうがくらいが上るだろう。 

胴径12,5p 高台径8,8p H21p NO0018

 

 

 

 

 瀬戸ナズナ染付小碗 5 JO0525 明治 G

 

明治時代の瀬戸染付小碗5客で珍品です、夏の季節にぐい吞み

として使用すれば清涼感が漂うでしょう。

染付で描かれたナズナは春の7草で花言葉は「あなたに私のすべ

てを捧げます」です、これを知って飲む酒は格別に美味いですね

口縁に当り傷が少しりますので神経質な方はご遠慮ください

上がりも良く染付の発色も良いので色は完璧で美しい碗です

珍味を載せても良いですがほうじ茶や紅茶でも使えますね

平均寸法 径7,7p H3,2p 高台径3p NO0014

 

 

 

 

 

 

 黄瀬戸お手塩皿4枚 JO0527 江戸時代 

 

口縁に釉の剥がれ、当たりの小傷ありますが、この手の

お皿では保存状態の良い、糸きり高台の手塩皿の紹介です。

お塩は有史以来、人間が生きていく上で大切なもので

ほんの50年前までは貴重な存在でした、各地に

“塩の道が存在しているのもその理由からです。

その割にお手塩皿が現存していないのは日常頻繁に使用

される器からでしょう。当地方では浜名湖のうなぎが

有名ですが“白焼き”にしたうなぎをお塩で食べます。

蒲焼よりも淡白でくどくない年配者の方にお勧めです。

4枚の平均寸法 径7,58cm 高1016_

     実物は写真より色が濃い  ガラ―1  NO0005

 

 

 

 

 美濃鉄釉豆皿 5枚組 JO0531 江戸中〜後期

 

鉄釉の発色が渋く器が自己主張しない組皿のご紹介です。

見込みに輪トチン跡がある皿3枚 天の物2枚、(椿手とも呼ぶ)

それぞれ大きさに差があり、すべて表情が違う。

目立つキズ、窯ワレなど無くほぼカンピンといえる。

(骨董屋の視点ですので神経質な方はご遠慮ください)

どのように見立てて使用するかは貴女のアイデア次第。

1枚のみベタ高台に「汁」の墨書がある、意味不明。

平均寸法 径9,510cm 高1,52cm 5

 

 

 

 

 瀬戸染付小皿 JO0536 江戸時代   

 

見込み以外は御深井釉(灰釉)が全体に掛った半陶胎の

小皿です、中央には九曜文が描かれ、外周には滲んで

判りませんが草文と思われる文様が描かれ、陽炎に揺れる

景色を見るようで、独特の雰囲気を醸し出しています。

物原に廃棄されていたのかカセが多くあり参考品です。

口縁7割に渡り金直し、高台に引っ付き取り跡2箇所。

径 12,3cm 高 3,7cm 高台径 5,4cm 0004

 

 

 

 

 

 黄瀬戸向付 JO0537 室町〜桃山時代  

 

見込みに目跡が3個ある(中写真参照、口縁から見込みに

向かう途中にある白色の3点) 初期黄瀬戸の向付です。

口が水平に開いているのが特徴で中国の小碗を写した

フォルムと見て良いでしょう、この碗を観察すると

黄瀬戸のモデルは景徳鎮のインチンか磁州窯の白釉碗が

モデルではないのかと推測がされます。

発掘にしてはキズも少ないほうで、時代もたっぷりあり

ますので資料的価値が高く仲間に自慢の出来る小碗です。

前愛蔵者がよほど気に入っていたのか?本ケヤキの上等な

保護箱がしつらえられている。(そのくらい希少品の意)

酒器としても使用ができるのは有り難い。 

口縁に金直し3cm2cm1cm7_の4箇所あり

口径 8.5cm 高さ3,13.5cm NO0089

 

 

 

 

 黄瀬戸徳利 JO0546 江戸前期  

 

状態の良い発掘品でタンパンの緑釉が美しい景色を織りなす

黄瀬戸の徳利の紹介です。

桃山〜江戸前期の黄瀬戸徳利製品を探すことは至難の業で

提示した上がりの良い江戸期の作品ですら、地元であっても

市場に出回ること事態がありません。

戦後の食糧難の頃よりこつこつと収集された好き者より

お譲り願うしかないようです。首部の中ほどより上が欠損

していますが、断面は古く古色がついていますので違和感は

少なく、その分迫力があります。

胴の裾部には下の右写真を参照のように窯印?の記号が

入っています、判読できませんが下の字は「月」とも読めます。

いずれにしましても釉薬の厚みがあり、潤いのある肌に

焼き上がっていますので、魅力たっぷりの徳利といえます。

高約16cm 胴最大径9,7cm 高台径5,3cm  NO0126

 

 

 

 

 織部ミニ片口 JO0547 江戸時代  

 

なんとも可愛いサイズの片口の紹介です。

時代は江戸中期〜後期とみるが読者の皆様はいかがか?

前例を見たことが無く最初は雛道具の一部と見たが不明、

前蔵者は粋なおじいさんで、料理の醤油差しで使用していた。

発掘品であったが、ご無理を言って分けていただいた。

見込みの白釉は使用により淡黄色に変化しクモの巣状に

茶色の貫ニューが入り伝製品の趣で雅味があり魅力がある。

口縁に7_程のホツがあり其処から13_ほどニューが走る

胎の厚みは3_弱の薄胎で陶技に手抜きは無い。

あまりにも珍品ゆえ、解説ができなくて申し訳ない。

1,92,1cm 左右最大4,6cm 口径4,1cm  

 

 

 

 

 志野織部曳松文四方皿 JO0548 江戸時代 

 

物原からでた陶片にしては、現存している程度が良い

部類にはいる、志野織部高足四方皿の紹介です。

長石釉に灰釉が入れてありますので、マニア垂涎の桃山〜

江戸初に焼かれた物ではありませんが、松の若木を鉄釉で

さらっと、ひと描きにした意匠はお見事といえます。

美濃製品は使用するたびに変化が進んで出世しますので、

陶片であろうとも普段使いすることをお勧めします。

気の置けない仲間の酒宴にどんな料理を載せてもてなすか?

想像するだけで楽しくなる器だと思います。   

3,33,8cm 左右13cm 奥行き9,5cm NO0023

 

 

 

 

黄瀬戸猿摘水注 JO0035 台湾檜保護箱

 

小さな降り物が器の上面のみに11ヶある以外は無傷無欠点

の黄瀬戸水注の紹介です。

水滴の大きさで時代も有り無傷とあれば宝くじに当たる確立

が必要と思われる程の希少品で、良くぞこんな田舎の骨董屋

にお輿入れしたものだと、一期一会に感謝しています。

このレベルの水注で聖水を硯に垂らせば、心に生気が漲り、

墨を磨る手には意欲がわき、筆も知らず知らずに走ることで

しょう。後世に大切に送り届けたい逸品と思うのは私だけか?

糸きり高台  左右最大8,1cm 最大高4,8cm 胴径6,9cm

                     0285

 

 

 

 

無地志野珍味入 JO0037 江戸中期  

 

 

口縁部に銀直しと窯ワレが縦に2本、これも銀で繕ってあり

ますが、あまり類例の無い形をした小向付の紹介です。

志野は江戸前期以降から幕末までの時期はその焼成数は非常に

少なく(理由は定かでありませんが)陶工みずから使用に供す

為だけの可能性があります。お解りの方ご教示ください。 

発掘物にしては釉薬の荒れがみられず、使用を繰り

返せば出世間違い無しの品格を持った酒盃にも?といえます。

寸法:高2,8cm 胴径5,6cm 高台径2,9cm  NO0007

 

 

 

 

 黄瀬戸石皿 JO0038  幕末    

 

写真より実物は黄色が強く艶があり、石皿にしては口縁部に

キズが少ない上手の生活雑器の紹介です。

見込みに鉄釉やゴスで絵が掛かれたものに人気が集中しま

すが、高額であり偽物も多くお勧めできません。

この手のお皿は煮しめなど、煮物を載せると見違えるほど

器が映え料理がおいしく見えます。

また明るい窓辺に置き、浮き水草や花を浮かせても

映りが良く、日常使いを楽しむ方には用途色々、重宝します。

寸法:29,7cm 高台径15,5cm 高約5cm  NO0006

 

 

 

 

遊戯磁器人形(五体) JO0047  明治

 

 明治の瀬戸焼と思われる、小さいながらも玩具として

生まれた磁器人形、五体の紹介です。

全体にすり傷や色はげが少々ございます、これは玩具として

使用された証で、民芸フアンならこちらのほうが好ましいと

考えるに違いなく、また人形に傷はございません。

5cm内外のこの手の人形は良く見かけますが、通常の半分

くらいの大きさしかない、珍品の可愛らしい人形5体です。

 どなたか可愛がってあげてください。       小ガー2

寸法: 高さ3.23.4p  NO0018

 

 

 

 

 

 

 

馬の目皿 JO0049  幕末の瀬戸焼

 

ウブそのままの状態で雑器の王様と言ってもいい、江戸後期の

瀬戸焼きのヒット商品、馬の目8寸皿の紹介です。

残念ですが口縁に使用によるホツが内側に5ヶ所、外に目立た

ない当たり傷が無数にあります、また薄っすらとしたニュー3cm

2cmが2本ございますが程度は上クラスと思います。

馬の目皿の美しさは、柳宗悦によって広く紹介され、彼は

「陶器の絵でこの位の美しさを持つものは、日本の焼物では他に

多くない、瀬戸で焼かれた物の中で特筆大書すべきもの」と絶賛

した以来、馬の目皿などの瀬戸絵皿は骨董好きの人々の必須アイ

テムとなったのである。

 「用の美」を体現している馬の目皿、使うことに忠実に作られた

物に、自ずと生ずる自然で暖かみのある美しさとは、職人の技の

熟達が生み出したもの、グリグリ文に勢いがありますね!

 そして日本料理の煮物を載せるとこれが映るんです。 

寸法: 直径25.7cm 高5,35,8cm  NO0024

 

 

 

 

 

 藤文石皿 JO0050 昭和

 

 枝から垂れ下がり房状に咲く藤の花を筆先の軽快な

タッチで描いた石皿の紹介です。

 これが幕末の時代があれば数万円のお値段が付きますが

プロも見間違うほどの時代感がある昭和の製品です。

 釉ハゲが7箇所、カンニューには時代汚れ、どんな使い方

をしたのか?やはり屋外で使用したのでしょう。

 友人の眼力をテストするのにうってつけの雑器。

寸法:径25,5cm 高6cm 高台径14cm NO0004

 

 

 

 

 

 磁器小人形 JO0051と(右0052) 明治

 

 明治の瀬戸焼と思われる磁器製の玩具の紹介です。

 左側(0051)はデンデン太鼓を叩いている意匠ですが

良く遊んだのか彩色が磨り減って摩滅しています

右側(0052)は赤ちゃんを抱いて子守をしている意匠で

こちらは彩色が随分と残っています。

 狭い住宅事情でもこのサイズの物であれば座右に

おいていつでも楽しめますね。      

左寸法:高4,5p 巾3,1cm 奥行2,5cm  2.500

右寸法:高4,9cm 巾3cm 奥行2cm   3.000

 

 

 

 

 

 瀬戸備前写印花豆皿 5P JO0062 江戸後期

 

 陶器質の胎土の見込みに(菊花・葉?)など印花を押し錆釉を

薄く全体に塗り備前焼きの自然釉に似せた灰釉を掛けて焼成した

“備前写し”の珍品 “印花豆皿5枚組” の紹介です。

この豆皿の持ち主は備前焼と思って所持していましたが、様子

が不自然であることは承知していましたので、江戸後期(宝暦頃の

瀬戸地方で「洞本業窯」の文献を見せて、およそ約230年前頃に

“備前写し”徳利に多いが掲載されていて勉強になりました。

 用途は「お手塩皿か?灯明の受け皿か?」どちらかでしょう。

 使用された様子がなく判りませんので何方か江戸後期の瀬戸焼

に詳しい方ご教示ください。 使い込めば味が出ます。

 平均寸法:口径77,5cm 高さ1,3p 高台径4p

黒箪−上  NO0010

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿5枚 JO1001 

 

 江戸時代に小間物屋(江戸時代では、荷を背負って売り歩く

行商が普通)の土蔵から発見された未使用品の絵皿の紹介です。

 お手塩皿か行灯皿?化粧皿?用途は説明できませんがとにかく

その図柄が遊び心があって楽しいのです。

 すべてで44枚有りバリエーションに富んだ絵付けですので

8回にわけて逐次紹介しますのでお楽しみください。

右上から時計回りにメダカ、お嫁に!・魚か海老?・布の

サラサ?・龍・舟上の魚つり・ホトトギス?と見ますが?まあ

所持する方が決めればいいですね! 

現品は未使用でカサカサ状態です、絵付けは一見稚拙に見えま

すが時代を背景にした芸術性が垣間見れる。

 寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0018

 

 

 

 

 

 織部豆皿5 JO1002 

 

 右上から時計回りに亀甲にM字・サラサ紋・蔓M字、お嫁に!

蔓にM字・サラサ紋・蔓にM字、なお中段の2枚の皿は下3cm

くらいに発色うすいですが織部緑釉が掛けてあります。

 このグループだけが6枚とも織部焼きです。

 このグループの6枚は女性の着物を飾った文様の写しが多い事

に気がつきます、でも砕けていて笑っていませんか?

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0015

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿5 JO1003 

 

 右上から時計回りに、雲に尾長鳥・2羽の飛翔鳥・孔雀?

三羽の渡り鳥・孔雀?・三羽の千鳥、お嫁に!

 一見稚拙な描写に見えますが?飽きないのです。

 瀬戸洞(ほら)本業窯では茶碗、丸碗、皿、鉢、花瓶、水注

徳利、茶入、水指、向付、灯明具、硯、水滴、香炉などが陶器質の

粘土を使い宝暦年間(17511763)ごろ生産されていた。

 文化・文政のころ(18041829)になると新製窯(新製焼)が

現れ、染付新製、白土焼、石焼、 太白などと呼ばれる新製品を焼

いたとある、これらは磁器のことを指しているのであろう。

 (以上 美濃焼資料館の記事を抜粋しました)

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

 NO0017

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿5 JO1004 

 

 右上から時計回に唐草に幾何学文・雲に尾長鳥(上下逆に展示)

 蔦に直線・孔雀?・団鶴、お嫁に!・縞文下部に緑釉

 5番目の鶴の文様は和服のKIMONOの柄から転用か?

伊万里の文様にもこの傾向があり、江戸時代は着物の柄がリード

して焼物への写しが始まったようだ。

 織部が2枚混入されているが、この豆皿を眺めていると思わず

楽しくなるような遊び心が内包されている。

 江戸時代の身分制度はこの時代になると緩んできたのが伺える

チョッと大げさな感想かなー。

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

    NO0016

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿5 JO1005 

 

 右上から時計回りに 吊るし柿・ふめい・網文、お嫁に!

・蔦に幾何学文・四草文・草文 私の主観が入っているので?

 瀬戸付近では文化・文政のころ(18041829)になると新製窯

(文書にみられる)が現れ、染付新製、白土焼、石焼、 太白など

と呼ばれる新製品を焼き始めた。

これらは磁器のことを指しているのであろう。

 特に「染付」という焼き物は美濃窯では素地に磁器とせっ器があ

り、一緒に焼かれているのが特徴である。

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0015

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿5 JO1006 

 

 右上から時計回りに亀甲に蔓文・蔦文・右下のみ長石釉の志野

焼きで藤の花文・吊るし柿文・ツクシ文、お嫁に!・山形文(織部焼)

 現代の我々もそうであるが偶数を嫌う傾向がある、色々な文献

に目を通すと、これは日本に色々な影響を与えた中国の儒教の教

えで偶数は半分に割れるからいけないとの考えが浸透しているか

らといわれる説が有力であるようだ。

 そういった目で日本画や陶磁器に描かれた絵を見ると題材であ

る動物や花の数は奇数で表現されているから不思議である。

 特に私の最も好きな椿を一輪活けるときなどは、葉の数を奇数

に残すほど徹底しているのである。

 でもこの豆皿の絵はどうであろう?14以外は偶数なのだ!

まったく愉快である。

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0016

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿4 JO1007 

 

 右上から時計回りに ツクシ(1006参照、配列が違うが地面の

ところに織部緑釉がかかる)・織部山形文・棒に蔦文(これも

織部焼)・幾何学文(織部焼で向付の皿にこの図柄が多い)

 余談だが天保のころ(18301843)になると徳利の生産がおお

くなってくる灰釉徳利、錆徳利などが盛んに量産された。

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0011

 

 

 

 

 

 志野織部豆皿 4枚 JO1008 

 

 右上から時計回りに四草文(上の段は葉が5枚ずつ描かれてい

るが下の段は右が6枚左が4枚)・M字文(下の銅緑釉の発色が

良く出ている)・草文(地面の部分に色濃く映っている部分は銅緑

釉で右の皿と比べこんなに発色が違う)・棒に蔦文(1007とほぼ同

じ絵付けだが微妙に違う)

 以上8回に分けて合計44枚楽しんできましたが。如何でした

か?入力しながら思い浮かんだことは資料館向けであることと

江戸時代の身分制度や権力者の圧力で窮屈な中、良くぞ自由闊達

な仕事が出来たなー“大切なことを教えて頂いた”小生です。

寸法:口径7,68,1cm 高11,4p 高台径44,5p

  NO0011

 

 

 

 

 

 右)織部そば猪口 JO0068 100年くらい?

 画像右は陶器では上がりの良い織部のそば猪口、左の作品より1cm

ほど高く容量も目いっぱい入れますと1合(180cc)入ります。

使用感があり変化が始まっています、あと2年も使えば出世間違いなし

寸法:口径8,7cm 高さ6,5cm 高台径5,2cm   NO0028

左)織部吊し柿文猪口 SA0170 

 画像左は良く使い込まれた同手のそば猪口で見込みには鳥が一羽描かれ

るやや小ぶりの碗、この手(瀬戸・美濃産の陶器質)のそば猪口は萩の七化け

「雨漏り手」のように変化しています。・・・(ぐい呑みに見立)

寸法:口径8,3cm 高5,8p 高台径5,5p   0018

 

 

 

 

    ニシメ

 瀬戸煮染皿(石皿) JO0074  幕末〜明治

 

 黄瀬戸釉が掛けられた大皿で庶民が好んで食べた“ニシメ”を

盛りつけて食卓で使われたのでこの名が付く、石皿とも呼ぶ

 見込みに目跡が7個 口縁裏に3×1pの使用による当たり

キズがある上面からでは気がつかない、石皿特有のニューが一本

(5cm)が走る、良く使われているわりには程度が良い大皿。

寸法:口径36p 高台径17,6cm 高6p、 NO0006

 

 

 

 

 

 瀬戸灰釉徳利 JO0076 幕末

 

 この徳利でお酒を楽しめば3年くらいで出世間違いなし

花入れとして使用できる幕末~明治の徳利の紹介です。

 口造りはロクロで引き上げて捻り返したのみの飾りの

無い素朴な作行きでコゲ・降り物・地貫ニュウーが走る

綺麗好きな人では手を出してくれない素朴な徳利 (笑い)

 並々入れると3,4合入る酒豪向け徳利で野武士のような

人にお勧めする、野の花も似合いますよー!

残念ながら現状では水が滲み出てくる・・・秘策あり。

寸法:全高20,5p 最大径8,2p 高台径7,2cmNO0003

 

 

 

 

 

 美濃喜寿文徳利 JO0077 幕末

 

 喜寿・丸に下藤文の家紋とその下に「粂衛」くめへい?

と人名らしき物が書き込まれた、珍品の徳利の紹介です。

 左画像の赤い字は「喜」の字を草書体で書くと「十七」の

上に「七」が付いたような文字で「七十七」に見える事

から77歳を「喜寿」と呼ぶ、その裏面には (右画像参照)

おそらく77歳になった粂衛さんの特注品か?

 これは私の想像であるので他に意見のある方はご自由に

陶胎に白釉がかけてあるが良く使用さた事と薄い空色に

かたむいた発色で伝世の味が備わって量は約二合入る。

寸法:高15,2cm 胴径6,8cm口外径3,9cm  0004

 

 

 

 

    そんしき

灰釉尊式仏花瓶 JO0080 鎌倉時代

 

 14世紀末〜15世紀初にかけて中国の青磁を写して

作られた古瀬戸製品(小長曽窯に類例が多い)の紹介です。

 器形は丹精で鋭く、灰釉の上がりも良いのですが

口縁部分は3ヶ所(合計5cm)ほどは残っていますが

他の部分は補修されています。

 胴部の丸い部分と上部は折れ直しで継がれています。

 欠点は多いですが左画像のように「古瀬戸製品」が

好きな方なら十分鑑賞に堪えられると思います。

寸法:高15,7cm口径12cm底径8,5cm 0011

 

 

 

 

 

 鳴海織部酒盃 JO0081 昭和

 

 吊るし柿が前面に3個、裏面に2個描か

れた、使い勝手の良い大きさのグイ呑み!

手持ちの良いフォルムはうれしい限りです。

貫入手なので使用するたびに変化し出世する

緑釉の窯変がお酒を誘ってくれますね!

寸法:口径7cm 高台径3,8cm 高5,3cm

 

 

 

 

 

 

 

志野織部火鉢 JO0083  昭和

 

 おしゃれな織部焼き火鉢の紹介です。

 鉢カバーが一般的な使い道ですが部屋の脱臭に木炭や竹炭を

入れて、部屋の片隅に置くのもおしゃれで実用的です。

 勿論いい木灰が入っていますので、火鉢で使うのが正統か?

菊花の絵付けも上手なうえに器形がモダンなのでワインクーラー

でもおしゃれですねー! とにかく 火鉢の逸品だ!

寸法:口外径19,8p 全高20,2p  NO0008

 

 

 

足部の貼り付け方法に特徴があります

 

 

 赤織部松竹梅文四方鉢 JO0086 江戸時代

 

 江戸初期に発生した赤オリベ、文献を調べると=織部焼の一種

素地に赤土を使い白泥で文様を描きその上に鉄砂で線描を施す。

とある、本歌は元屋敷窯で製作されたようだが貴重品で陶片で

あっても実物を手にしたことが無い、茶道具?渋い魅力がある。

   実物の色はもう少し色が濃く艶があります、布目が確認される。

 稀少品ゆえ時代や正式な名称は専門家を頼る以外なさそうだ!

 割れか窯割れか?胴中央で金直し総延長10pがある。3−上

 寸法:横18p 奥行き9,5p 高さ5,5p   NO0064

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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