JK: 唐津 製品 |
サロン 竹森
Last updated on 10/10/2022 01:22:41updated on 01/02/2004 20:45:12
改定版2006.11.29.掲載21点で新設(計21点掲載)2022.10.10.作品解説追加。
いつも来店する酒器好きのお客様から、 朝鮮唐津のぐい呑を所望され1年あまり過ぎた。 私も友人の業者にも依頼し手を尽くしたのだが、 なかなか手に入らない。 ある日注文主から目的の品が購入できたとの断りの電話があった。 驚きのあまり尋ねると「朝鮮の立ちぐい呑み」だという。 私は物も観ずに、即座に「にせもの」と答えた為、 その場に嫌悪なムードが流れた。 「お客様一人を減らしたか?」と考えたが、 後日現物を持って、店に来てくれたので安心した。 案の定、良くできた明治か、あっても幕末生まれの写し物である。 先日の説明替わりに、酒器の本の中より 「朝鮮唐津の立ちぐい呑みは、現在確認数3個のみ」 の記事を見せ、同時に 「釉なだれの窯変部分に現れた青い発色は、コバルトによるもの」 以上の説明により、納得していただいた。 古唐津の鑑定には、こんな話は星の数ほどある。 そこが逆にマニアの心を惹き付けるのだろうか? どうしても本歌を楽しみたいなら、「信用ある店」か 「下手であっても堀の手で、しかも直しは気にせず」 味の出そうな古唐津を探すことが無難と考えるが、皆様はいかがか? 以下、田舎の小さな骨董屋が資金不足のハンディを乗り越えて 収集した名品?」「迷品?」をお楽しみください。(笑い) |
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無地古唐津茶碗 JK0301 江戸初期 松浦系 椎の峰窯 発掘品で割れの金直しあるものの、窯の中での自然の歪みに 作為はまったく無く、その曲線(歪み)がかえって心に残る 逸品。唐津の茶碗は、使い込めば変化するし、水に濡れると艶 を増すのでどうしても一碗は愛玩したい処であるが偽物も星の 数ほど氾濫しているので注意が必要ですね。 江戸後期から 明治あたりの物を桃山江戸初で売られている注意 注意。 口径11.9~10.2cm、高台径4.5cm、H6.7cm (NO.0185) |
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絵唐津見立香炉 JK0012 江戸初期 武雄内田山系 小峠前窯 写真裏側の草花文は発色が弱いものの、ほぼ完品の古唐津 作品で窯割れの入があるが野趣があり、むしろ景色となる。 中々お目にかかれない逸品です、桃山江戸初の絵唐津本歌 の入手は非常に困難で、愛好家の夢のまた夢といえる。 前所持者は香炉として見立てたのか?銀ホヤが付いている ルーペで入念に観察しても使用痕はなく未使用品です。李バ 最大径10.2cm、H8.3㎝ (NO.0789) |
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黒唐津丸文徳利 JK0006 江戸前~中期 この黒唐津徳利(絵唐津)の最大の見所は真似の出来ない 鋭いタッチにより、黒いマルが勢いよく、一つだけ描かれ ていて、お洒落を通り越し斬新なイメージを受ける。 だが、残念無念、石爆ぜ部より水漏れが発生し、私の技術 では止まらない、高台内にも窯割れが観察される。 ただ眺めるだけの楽しみでしかないが、李朝の雰囲気が 漂う器形で楽しめる。 H11.5Cm(No0096) 吊 |
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古唐津ぐい呑み JK0505 江戸前期 釉ハゲが始まり小ホツ、直し有るものの割れはなし 碗なりで使い込めば“しっとり”と変化するタイプです。 高台に焼成時、焼台にくっついた取り跡がありますが 古い欠けであり、時代味も付きかえって野趣がある。 口径8.0~8.5cm 高台径4.0cm NO.0120 |
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朝鮮唐津半筒茶碗 JK1503 江戸前期 松浦系、中野原窯、昭和14年11月20日発掘。 以上の墨書が箱に貼付されている。 発掘伝世なのに使用された様子が伺えないお茶碗で、見込み に黒釉が塗られているので茶映りが非常に良いお茶碗です。 朝鮮唐津でしかも半筒茶碗の形式は貴重といえます、しかも 天工の美である一条の釉なだれが豪快に高台まで流下する、 この景色は人間の意図した物でなく、媚はまったく無く口縁に 金直しがあるもののそれをも乗り越えて、使い込むことで "天下の銘碗"になると思われる。 この茶碗、後世に伝える為お嫁入り先を選ぶかもしれない。 口径10.2~10.9cm、高台径4.8Cm(NO1850) 李バ |
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絵唐津蜻蛉文片口 JK1508 明治 仕覆塗り箱 素晴らしい描画でトンボが2匹前後に描かれている。 ところが残念な事に高台周りに、人為的な削り跡があり、 これがなにかは不明?マイナス要素である。 作行きは非凡で片口は酒器・花活け・茶碗などに転用ができ 人気がある、明治期であっても侮れない魅力あります 口径13.8~15.4cm 高台径7~7.4cm 高約8cm NO0196 |
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絵唐津茶碗 銘粟餅 JK1509 古仕覆付き 古箱 日本民藝館所蔵“絵唐津芦文壺”市ノ瀬高麗神窯製 に同手の芦絵(葦)が鉄絵で描かれた壷が展示されている。 大きさは抹茶茶碗としてちょうど良く、鉄絵の一部分が 緋色に発色し見事と言える。 骨董趣味も最終コーナーに達すると“古唐津”に夢中になる と言われるが?このお茶碗を水に浸すと絵付けが生気を 増してくるのでその変化を見るにつけ、この言葉に納得する。 日本人の感性がこの魅力に凝縮されているのか? 古ニュウ4本 金直し2ヵ所 金蒔絵直し1ヶ所 口径13.3~13.6cm高台径5.4cm高6.3~6.8cm NO2247 |
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黄唐津小服茶碗 JK0068 江戸時代 椎の峰窯 黄唐津茶碗とは灰釉をかけた無地唐津茶碗が還元焔焼成 となり、黄色にむらむらと発色して仕上がった茶碗の意。 唐津の師匠高麗茶碗の大きさは、当時の陶工がご飯を食べる時 お変わりの風習がない為に自分のお腹に良いサイズを造ったと 聞くので、この大きさは 少食の陶工 の手からなる物か? の推理が成り立つが?野点用に茶篭に仕込むと魅力倍増する。 推理をする・夢み、思いを抱くことはロマンがあり実に楽しい! 手のひらの小さな方、ご婦人にはぴったりサイズだと思う。 旅のお供の“旅茶碗”として愛蔵しても一考! 口縁に古金直し 多数 お抹茶のミドリが映える発色で使い込めば銘碗になる。 口縁より約4.5cmの古ニュウ1 NO0225 口縁約半周に金直し口縁の釉溜り約5cm擦落あり 口径10.5~10.8cm 高台径4.3cm高5.5~5.8cm |
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唐津刷毛目平茶碗 JK0069 塗り箱 江戸後期頃 茶筅擦れ多く、良く使い込まれている、この茶碗も水に濡れ ると、しっとり感を増し唐津の魅力が倍加する。 こんなに直しが多いのに眺めていて、苦にならないのは 私の欲目なのか?それとも唐津のお茶碗が持つ魅力なのか? 高台がどっしり、トキンも良い味、生きる力が漲っている。 この碗も使い込めば銘碗に出世する、これが茶人の楽しみ! 口縁部金直し4箇所 縦の古い入4㎝6本 口径約14cm 高台径5.4cm H5.8㎝ NO0199 |
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絵唐津茶碗 JK0071 古仕覆付き 古箱 多久高麗窯は松浦飯洞甕系の窯 簡素でスピーディーなタッチで鉄絵の蕨が魅力で茶碗の 前後に描かれている。古ニュウ2本あり。 蓋裏に多久系窯とあり、古唐津の文献を紐解くと豊臣秀吉の 朝鮮出兵、文禄慶長の役(1592~1598)によって連れてこ られた朝鮮の陶工たちと共に、松浦系、武雄(たけお)系、 平戸系を形成。多久古唐津を開窯していた李参平(りさんぺい) は元和2(1616)年有田泉山で磁鉱石を発見し陶器から 磁器へと転換し有田焼を誕生させます。 これにより多久古唐津と平戸古唐津は消滅、残った松浦 古唐津は唐津藩の御用窯として、武雄古唐津は日常生活雑器 を作る民窯として存続したとある。 この作品は柔らかな釉調と単純な絵付けが魅力で、器形は 無傷・無欠点で雅味がある。 H6㎝~6.5cm 口径11.2~11.7㎝ 高台径4.3㎝ NO1003 |
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絵唐津茶碗 銘野武士 JK0072 古仕覆付き
茶碗の器面に丸文が大胆に1箇所のみに描かれている。 石ハゼ高台内に窯割れあるが内面までは通ってない。 “豪快で野武士のような男茶碗”ごく最近 初出しにより、 “九州より”はるばる“三河に興し入りした”お茶碗である。 唐津の専門家ではないので窯の名称まで説明が出来ないが 古唐津の魅力が溢れるほどに内包された茶碗です。 唐津茶碗の魅力に取り付かれた、日本男子の愛陶家の皆さん 石ハゼもあり“素朴で豪快な男茶碗”お見逃し無く! 口径12.5~14㎝ H7㎝ 高台径6.6㎝NO1450 |
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無地唐津茶碗 JK0074 1700年頃 平戸系 葭の元(よしのもと)窯 長崎県佐世保市木原町字前平小字古里が窯元 1600年以降江戸に入って作られた窯で松浦藩の窯ですが、 平戸系の窯といわれています。 朝鮮の写しや、奥高麗茶碗などを焼いた窯で1650年ごろ から、伊万里の影響をうけ青唐津などを焼く。 灰釉のナダレに見所有り、いびつの器形は心を和ませる、 高台内にも施釉 口縁に金直し約半周弱あり、ひっつき取り あと約4㎝強(巾5~6㍉写真参照) 口径10.7~12.4cm高台径5.9cm高6.6~8.0cm NO0248 |
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朝鮮唐津花生 JK0176 明治 塗り箱 器底の厚みが約2.5㎝あり安定良くズシリと重いのが特徴で 藁灰釉が柄杓掛けで無造作に掛けてあり味がある。 野の花一輪が良く似合う素朴な器形です。 唐津では少ない糸きり高台で茶器として産まれたのか? もしそうだとすると、希少価値が産まれるのだが? いずれにしても類例は少なく希少価値があります。 口径(外寸)3.9cm 高台径6.7cm 高9.0cm NO0065 |
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朝鮮唐津茶碗 JK0180 明治時代 明治も遠くなりにけり!といわれる言葉がある、 考えてみれば大正生まれの人が現在100歳であり、 このお茶碗も立派な骨董品の仲間入りである。 現代作家が電気や石油で焼成しているがこの時代は 間違いなく薪で焼成していた。 藁灰釉の白色もいいが、ノギメ状の釉ナダレの窯変は見事で 美しい。手取りも良くお薦め品である。 口径11.8~12.2cm 高台径5.2cm 高さ約6.5cm №0041 |
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無地唐津山盃 JK0188 江戸初 島桑箱 平戸系小溝山上窯の作品と見られる小碗の紹介です。 糸きり高台の山盃にしては珍しく、底の胎土が薄いため、 その分見込み部分が深くなり、見た目以上にお酒がたっぷり 入ります、左党にとってはうれしい形状です。 3片の呼び継ぎにより構成されていますがパテ状のツナギ 部分が未完成で、金直しが完成していません。 写真でお分かりのように接着材のパテは同色に近く このままでも違和感がありませんが?所持者が決める事か? 酒器の命である手持ちと口当たりは素晴らしい。 山盃であろうとも、さすが古唐津の風格が漂います。 口径6,9~7,2cm 高台径3,4cm 高3,8~4,4cm NO0081 |
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無地唐津平盃 JK0192 桃山~江戸初 良く使用されたのか見込みは赤味をさした長石釉がまったりとした 景色を見せ、豪快な目跡が4個あり、お酒がすすむ盃の紹介です。 赤く焼けた高台は小さめで、鋭く深く切り込まれ唐津の見所で ある縮緬皺が起っており、腰辺りには釉が流れ白く溜まります。 呼び継ぎには皮鯨の陶片を使用していますので、単純な色彩に 変化を添えています、心憎い演出といえる平盃です。 ベストサイズの盃でお酒の浸透が進めば出世間違い無しの盃と 言えます、皮鯨の呼び継ぎ3片が使用されています。 寸法: 径約10cm 高さ3~3,5cm 高台径3.7cm NO0037 |
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上) 絵唐津陶片 JK0195 江戸初期 菖蒲かカキツバタと思われる草花が闊達な筆さばきで描かれた これぞ“絵唐津”と思われる5寸皿の陶片です。 花の部分が赤茶色に発色し見処です、高温で焼成され良く焼き 締まり、窯の天井が炎の勢いで降り物として付着しています。 寸法:縦最大11,3cm 横最大10,5cm 高台径4,8cm 下)絵唐津陶片 JK0196 江戸初期 “アワ”と思われる草が見込み一杯に描いた7寸皿の陶片ですが 右斜め下に口縁が3,5cm残っています、ここで高さを計測しま 5cmほどありますので完品であると可なりの見応えがあります。 私は皿立てに掛けて初冬の葦がなびく様を楽しんでいます。 小生のHPの「瀬戸・美濃」に掲載している、絵志野草文小皿 JO0058 と図柄がそっくりです、ひょっとすると技術交流 があったのでは?との疑問が?詳しい方ご教示ください。 寸法:縦最大12cm 横最大15cm 高台径6cm 2点とも価格応談 |
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絵唐津陶片 JK0204 桃山~江戸 お嫁入 絵唐津の平盃の完品は夢のような存在で、なおさら骨董品の 価格が低迷している昨今では市場に現れることはまずは無い。 鼻歌を歌いながらチョイチョイと描かれた人気の「草文」の盃 寸法:上下11,6㎝ 高台径4,3cm 高さ3,6cm |
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※ TW: 茶碗 ※ SA: 酒器 のページにも 唐津の作品が掲載されています。 ・・・ご参照ください・・・ |
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