JI5000

 

伊万里(各様式)・藩窯

 

(C) サロン竹森

updated on 01/02/2004 15:07:51

改定版2006.11.25.作品14で新設(計15点掲載)2022.06.15.作品解説追加


 

伊万里研究家の地道な研究成果により以下の内容が明らかとなった。

 

1 初期伊万里  16101660年  最盛期16151650

          特徴  未完の美・大胆・生掛けで暖かい肌

 

2 古九谷様式  16401680年  最盛期16451675

          特徴  初期色絵・雄渾ゆうこんな絵付け骨描き

 

3 柿右衛門様式 16651690年  最盛期16701690

          特徴  濁手・色絵の完成・注文による輸出

 

4 鍋島焼き  16601870年  最盛期16751760

          特徴  藩窯として成立・様式化・洗練の美

 

5 御庭焼 再興九谷および地方の大名が保護した官窯。

 

以上はこのコーナーで別掲する事とした、上記の1〜4の様式は

日本の焼物の中で最も研究が進んでいる分野である。

 

伊万里コレクターの多くは羨望の眼差しでこれらを眺める

値段も半端ではなく、初任給で買える物は少ない

たとえば、初期伊万里の"手のひらサイズの陶片"に鷺が2

飛翔している図柄の物に30万の値がついてしまう事もある

従って、その人気の裏返しで、偽物も多く出回ることとなる。

 

伊万里の陶磁史に於ける元禄時代16881703年は

中国の陶磁史に於ける 宋時代(9601271年)の国民的意識が

良く似ていると私は考えている。

 

つまり、町民文化の発展に伴う、要求の多様化・需要が向上する事により、

日本の風土に育まれた感性を遺憾なく芸術面に発揮され

"創意・工夫"により技術革新がなされ、

その相乗効果で芸術性が大いに開花したと考えるからである。

 

一流品は地方の骨董屋では無理であるが

背伸びすれば届く作品を選んで?提示致します、お楽しみ下さい。

 

 

 

 

 

 

 11代柿右衛門作 色絵花文小皿 

 

JI5504  明治〜大正

 

 型物で菊花型皿、モダンな雰囲気が漂う

 野鳥(燕?)が飛ぶ姿が柿右衛門らしい。

 裏面は書き込みが無く美しい白磁。

 残念なことに良く使われてあれている。

寸法:口径12cm 高3cm 高台径6,5cm

無落款です。

 

 

 

 

 

 

 

 12代柿右衛門作 色絵唐人物小碗 

 

JI5504  昭和前期

 

 器形にモダンな雰囲気が漂う、グイ呑み

として使用できる大きさで、6人の人物が

柿右衛門にしてはラフなタッチで描かれ

めずらしい。

 高台内に柿右衛門作と染付銘が入る。

残念だが口縁に1cmほどニューが走る。

寸法:口径6,2cm 高4,8cm 高台径2,8cm

  NO0007

 

 

 

 

 

 

 

 

 12代柿右衛門作 色絵花文猪口 

(残り1客)

JI5506小畑柿右衛門時代(昭和初期)

 

呑みやすい器形で煎茶碗の可能性が

高い、口縁のホツ2箇所ニュー1箇所 

ぐい吞みには最適です。

寸法:口径9cm 高6,2cm No0010

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ji5101

ji5101

 

 

 藍九谷様式松竹梅文中皿 JI5101  1660年前後

 

甘手(貫入手)の為か?柔らかい白磁で肌が暖かく感じる

墨はじきの技術と技法は(竹・梅の図)は1級品で見込みの

"松の盆栽図"は数が少ない題材。

裏面は目跡3個あり 縁の1p足らずの面にも丁寧に

"唐草模様"が描かれている。

藍九谷は21cm以下の物が多いが、たかが1p大きい

提示の皿22cmは数がかくだんに少なくなる。

上がりが良ければ、倍の値段がついてしまう。   

D22.0cmH3.0cmNO.0105

 

 

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 藍九谷様式椿文中皿 JI5012 1680年頃

 

窯割れのホツ少々ありますが、墨はじきの技術が清々しさを

表現している。

九谷から柿右衛門に移る、過渡期の作品と見たほうがよい、

見込みの椿文は伊万里に良く描かれる題材で旧暦のお正月に

真っ先に咲く花である「椿」は古来より縁起の良い花に

位置づけられていたようだ。

おめでたい花「椿」。つまり吉祥文である。  

径21Cm、高台径18.6Cm   NO00118

 

 

 

jo502

 

 

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王地山焼菓子器  JI5502  幕末〜明治

 

知る人ぞ知る幻に近い“藩窯 王地山焼”の起源は・・・。

江戸時代末期の文政元年(1818)にさかのぼり、当時の丹波の国

篠山藩主・ 青山忠裕”が王地山の地(篠山市河原町)に京焼の

名工欽古堂亀祐を招いて始めた“藩窯 がその発祥”です。

楽焼きくらいの低火度ゆえに焼きが甘く、釉を観察すると(紅彩)

ハレーションがみられまた細かな貫ニュ−が走る、小生は茶道で

有名な交趾焼きの“色絵香合”の釉調を模倣したと考えるが?

いずれにしても異国情緒漂う、菓子器を目的として造られ、

当時は庶民の手の届かないお庭焼きの高級品です

蓋の中央に「極」の字が描かれている。(写真中参照)図柄は

中国の伝説の動物(守り神)である四神を蓋部四方に描く、つまり

東に青龍・南に朱雀・西に白虎・北に玄武となるが?

 2008年夏、兵庫陶芸美術館で同形の色変わり菓子器が展示され

同年823()同美術館学芸員の展示解説が行なわれた。

杉の古箱入り、残念なことに取手の付け根部分が折れたため、

金直しと見落とす規模だが蓋部にソゲの共直しがある。

 カマジルシと思える一辺が6_の三角形の印が胴正面にある。

寸法:最大左右23.6cm、取っ手上部高9cm、蓋含む高10,5Cm

胴部寸法19,5×19,5p 胴部の平均高6,5cmNO.0296

 

 

jm0505

 

 

 

 秋草文染付袴付薬缶 JI5505  平戸焼  

        はかまつきやかん      

 

薬缶の底部分に多少のヘタリあるものの、御用絵師の筆さばき

を観察すると、一幅の掛け軸のように素晴らしい出来栄え。

この精美な薬缶を見ると、一体どのような家柄の人の愛用品

であったのかを想像したくなってしまう。

こんな薬缶で漢方薬を煎じれば、さぞかしよく効く煎じ薬が

出来あがるであろうと思いつつ・・・これは下衆の勘ぐりか?

      最大幅18.5cm 全高18cmNO0128

 

 

ji0501

 

 

 色絵古九谷様式葡萄文小皿 JI5507  1660年頃

 

1600年頃の伊万里の色絵小皿の紹介です。

胎は薄く型物成型で製作され 図柄はぶどうを一枝をさりげなく

描き(吉祥文)を表現している。

写真では見えにくいが陽刻の紋様がお洒落でこの器の特徴、

残念な事に高台内にニューが1本走っている残念であるが

その分このお皿安価で提供できる、なぜかこのような図案は

飽きが来ないから不思議と言える。     NO0041   

口径13.8Cm、高台径7.3Cm 

 

 

 

 

 

 藍鍋島様式牡丹文向付 JI5017  江戸後期 

 

金直し1有、古ホツなど少々難あるが逸品です。

染付の書き込みはサスガに御庭焼を思わせる精微な画。

2流画家の掛け軸の山水画より上手と見るのは私だけか。

H6cm D8.7cm 高台径4.3cm NO0017

 

 

 

 

 

 古九谷様式色絵小碗 JI5023  

                      Gへ

赤絵で簡略な草文が遊ぶような軽快なタッチで

描かれる、大きさから異論はあろうが、酒盃とみる。

金直し3箇所、古ニュウ3p2本あり

D 11.3cm H 4.3cm     NO0038

 

 

 

 

 

 

 

 須恵焼菊染付水指 JI5025  古杉箱

 

須恵染付とは筑前黒田藩の保護下で始まり1751〜明治中期

まで、磁器を焼くとあるが?紹介する図書も少なく幻に近い。

性格的には御用窯であり、対象が限られているので庶民には

高嶺の花であり従って現存数は非常に少ない。

この水指しはかなりの大型で共蓋は失われ、黒漆の塗り蓋

がしつらえてあります、前愛蔵者の気合いが見られますね。

菊花が大胆な構図で描かれ絵師の力量が只者でない事が

伺えます、この時代の御用絵師の筆になる物か?

対峙しているとこの水指、こんな遠い愛知県にこなくても

地元の好き者か資料館に愛蔵して、価値の判る人たちに愛でて

戴きたいと考える小生であるが?ネットでは声が届かない。

保管方法が悪かったのか?漆の塗蓋内側に漆にヒビが入って

しまったが、魅力に変わりは無い。

 写真下段を参照していただきたい、水指裏面の蝶の図で

雌雄の蝶か?“求愛表現で上になったり下になったり”の描写が

見事な筆さばきで円い器面を使い、器用に描かれている。

こちらを正面にしたいと想う人は多いであろう。 

H22.3cm 口径15.7p 高台径14.3cm

                    NO0335

 

 

 

 

 

 

 

 

 鍋島青磁煎茶入 JI5031 江戸後期 茶紙箱

 

南宋の名窯「哥窯」の青磁を倣った鍋島製品の紹介です。

この青磁は短期間しか焼かれなかった鍋島青磁で西暦1800年頃

鍋島藩の秘密の窯として製作され、地味なモスグリーンに発色し

器全体にヒビの入った青磁、俗称「罅焼ひびやき」は注がれた水

茶、酒などの風味を変えずに“毒を消すもの”と信じられ!

当時の藩主鍋島家の為にだけに焼かれた物だという。

() 現在、鍋島金仙窯15代目当主がこの窯跡を継承中!

器形は優美で写真のように、口造りには当時高価であった

厚手の錫が加工されバランスも良く、見事な出来栄えである。

高台は中国の官用青磁を倣った「紫口鉄足」つまり無釉部が

赤色を呈す事をまね、露胎部に鉄釉を塗り赤茶色に発色させ

中国の神品に近づけるように、陶工達の努力がされている。

寸法: 全高10cm 胴径8,3cm 口径3,6cm 高台径4,7cm

                       NO0051

 

 

 

 

 

   波の表現が、墨弾きです

 

 

 

 平戸焼鷺型皿 JI5036 幕末

 

 オスのサギを全体の器形とした型物の精作で藍の発色が

美しく見栄えの良い台皿の紹介です。

 鍋島の高台を真似していますが、文様は似ても似つかない

文様で下半分に描かれています。

羽毛の様子が陽刻で表現され、使用するのが怖いほどの切れ

の良い輪郭線で仕上がっています。    NO0012

 寸法:左右17,3cm 縦13p 高35cm 

 

 

 

 

    正面の風景図

 

 

 平戸系木原窯火入 JI5057 江戸初期

 

 発掘品では御座いますが初期伊万里の時期に相当する

「陶胎染付の茶道具火入」・・・転用して「香炉」の紹介です。

 裏面は簡素な筆さばきで遠望の山並みが描かれ口縁は玉縁

 1,5cm×1,5pの半円形よびつぎと15_の口縁に直し

1箇所ありますが、発掘品にしては欠損部が少ないです。

 小品盆栽の鉢としても使用できます。    NO0019

寸法:口縁外寸1010,6cm 同内寸8,79,3cm 高7,2cm

 

 

 

 

 

 

 深川製椿染付花瓶 JI5061 昭和 箱なし

 

 宮内庁御用達 深川製陶の椿図花瓶の紹介です、さすがは深川の

職人さん、深い藍色を基調に上手に藍の濃淡を駆使して「椿」が

器一杯に表現されています。白磁も透き通るような白色ですっき

りした上品な作品です。大きさは日本の住宅事情にあわせ、

さりげなく飾れる奥ゆかしさ、お勧め品!

寸法:高15,3p 最大径12,5p 高台径6,5p NO0015

 

 

 

 

 

 

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