JB

 備 (伊部焼)

 

(C) サロン 竹森

updated on 03/21/2003 22:48:08

改定版2006.11.23.作品10点(計13点掲載)2022.01.16.作品解説追加。


 

昔から「備前の擂り鉢投げても割れぬ。」

といわれ、桃山時代までの大窯では45日間も焼成され、

その耐久性は第2次世界大戦で“手榴弾”の

鉄の代用として使用されたと聞く堅牢な備前焼。

 

須恵器の時代より無釉のスタイルを貫き、

実用性、すなわちこの地方の庶民の生活を支えてきた。

従ってあくまでも素朴で

日本の大自然が垣間見られるような姿こそが、

何よりも魅力のひとつです。

 

更に火の力、土肌の焼け具合などの窯変は

最大の見所となり、我々愛陶家をとりこにします。

          

茶道の侘び寂びにつうじ、昔から持て囃されたためか、

江戸時代からコピー品が存在し、我々を困らせる。

見分け方のポイントは

“気品・風格・圧倒する迫力”となるのだが・・。

 

古備前の徳利はマニア垂涎の的である。

なぜか酒がうまくなる・・・。と昔からいわれるが?

その為か桃山時代の徳利を入手するのは至難の業といえる。

 

収まるところへ収まってしまったのか?

でも愛陶家はいつか自分のものに・・・と探し続けるのである。

 

 


 

 

 

 

 古備前三耳花入   江戸   古桐箱

                     お嫁入

 高台のカマジルシ「十」が堂々とした備前の花活けの紹介です。

黒く焼けた肌にゴマが上品にかかる、茶道の流行とともに、

日常雑器の製作から、茶道用の花入れを目的にして、

生産された作品と考えられる。

この時代になると備前焼は洗練された器形となり

素朴さが失われ、作品が上品に変わってくる。

花を生かす為に花器は自己主張をしないほうが良い器で、

これが備前焼きの魅力となっている。

口径10.5CmH20Cm NO0115

 

 

jb0003

 

 

 施釉備前半筒茶碗  JB0003 江戸中期〜後期

 

 備前焼は無釉のスタイルを通してきたが江戸の中〜後期

の時期に短期間ではあるが施釉を行った時期があり

その辺りの作品と考えられる。

手ビネリにて製作、錆釉が薄くかけられている珍品で、

図録などで類品を探すが20081月現在では見つからない

ぼちぼち他の産地を含め調査しなくてはと考えている。

口径9.610.6cmH8.1cm NO0065

 

 

jb0004

 

 

 備前竹節形花入  JB0004  時代不明

 

 一重切り花活けの形が写された備前焼き花瓶の紹介です。

この花活け上部のフシ裏部に穴が空けられ掛け花にもなり

床置きと両方で使用できる。

高台内にクギ彫の花押あるが専門外で作者は判らない。

花映りは良い花器で、良く花を受け入れてくれる。

H30Cm NO0049

 

 

 

 

 

備前中角徳利 JB0005 幕末・明治 

 

4面の内2面に二重区画線内に軽快で簡略な樹木?を刻す。

他の2面は二重区画線内に火襷状の緋色が綺麗に発色した徳利

底面に角印内に大が入る窯印(写真下の右)が打たれている。

寸法6,8cm角 高さ19,7cm  NO0006

 

 

jb0005

 

     たねつぼ

  古備前種壺  JB0007  室町期  桐箱

 

 素朴で作為のない古備前の壷で、手取りはズシリと重い

紐造りで製作されロクロで整形したタネツボの紹介です。

江戸時代の派手な備前ではなく“媚がまったくない”

備前は水にぬれると肌がしっとりして、日本の愛陶家の

心をとらえ虜にする、良く枯れた陶の肌は人気の秘密。

1ヵ月以上の焼成、山の粗い粘土を使い田土を使った作品とは

別格の趣がある。前所持者は塗り蓋をつけ水差しで楽しんだ。

見立て水指・花活けなど用途は色々考えられる。  

口径15CmH18.4Cm、畳付系13.8CmNo1586

 

 

jb0006

 

 

 備前鶴首徳利 JB0011 窯印(イ)江戸末 桐箱

 

端正な形姿で細い首を引き上げたロクロの技は

お見事の一語のすごい技、別名献上徳利とも言われる。

この時代になると端正な作行きとなり野性味は薄れるが?

備前が好きな人達はこちらの備前こそが備前と思っている

人が多いと私は見ている。

しかしこのフォルムはすばらしい。また洋間でも似合う。

桐箱に極め「桂又三郎識」の箱書きが有ります。 G候補

口径1,7CmH23Cm No0076

 

 

 

 

 備前肩衝茶入 JB0015 巣の牙蓋  江戸時代 桐箱

   カタツキ

 

備前焼の魅力が余すところ無く表現された肩衝き茶入れ

の紹介です。

このまま眺めて見てもも良し、畳み付きのZの窯印が

力強く入れられていてそれも魅力です。

 この茶入れ長い期間使用されず箱に収められていたのか?

器の肌が水を欲しがっています。

お道具は使用するのが出世の近道、愛撫を待っています。

H8.5cm 胴径最大5.9cm 口内径2.1cm 

 

 

 

 

 備前梅文角徳利 JB0016 江戸後期   杉古箱

 

二面にわたり彫リ文で「老木に梅花」が描かれている

角徳利としては大きいサイズの角徳利の紹介です。

通い徳利として使用されていたようで「取手つきの杉箱」

が設えられていて、その塗り箱には「村上酒店」の焼印が

押してあります。

画像が悪く恐縮だが各面の縁が釘彫で区画線が入れてあり

ますので、備前の角徳利では古いタイプと思います。

残念な事に裏面に火ぶくれあり値打ちを下げているが

これだけの角徳利はなかなかお目にかかれない作品です。

畳み付きに古い欠けが有るが苦にならない古キズ。

10.2p角 高27cm 

 

 

 

 

 古備前お歯黒壺 JB0017 桃山〜江戸前期 

           桐箱 竹の落し付

本来は双耳小壺であったが片方の耳を欠いて、

お歯黒壺として使用されていた。

鉄漿(おはぐろ)で使う場合、耳を欠く事はこの地方の

風習だと聞いた事があるのでこれで良いのか?でもずいぶん

大きなつぼで、内面を見るとカネのような錆がびっしり

こびり付いている。

畳み付きはベタ高台で露胎には伝世の汚れが付いている

この壺の最大の魅力は耳の右下にある大きな石ハゼで一つは

ロクロを廻す折に石が取れてスジが残り、もう一つは5_ほど

石が顔を覗かせ(下写真の左寄り下)ている。

この当時の陶工は直そうともせず、そのまま天日に干して

焼成、その400年後この欠点を景色として鑑賞する人がいる。

自然の成り行きと芸術は“かくも素晴らしい”ものか?

「男児たるもの媚を売ってはならぬ」

この壺から教わった。変な骨董屋の呟きである。 

H11.2p D13cm 鳶口 高台径10.511.3cm

 

 

 

 

 

備前小角徳利  JB0019 幕末・明治 

 

4面の内、一面のみに二重角線内に簡略な草文?を刻す、

他の3面は無紋であるが火襷状の緋色が発色したミニ徳利

 江戸後期には保命酒などが入れられ売られていた。

寸法4,3×4,3cm角 高さ12cm ガラ―2 

 

 

 

 

 

   おみき

 備前御神酒角徳利 JB0022 幕末〜明治

 

備前の角徳利に“金比羅宮”(ことひらぐう)と彫名のある

おみき徳利の紹介です。

このサイズから15cmくらいのものには“保命酒入”が多く

残されていますが、紙のレッテルが残っていない限り区分は

困難です。“金比羅さん”は漁業関係者に信仰者が多くいます

漁船の神棚に祭る為の御神酒徳利と考えて良いのでは?

と小生は考えます。正面左の下部に2cmほどの古いソゲ跡が

有りますが古色が付いていますので苦になりません、

型作りなのか、畳み付きに合わせ跡?が残る。 ガラ―2

胴径3,1×3,2cm 高さ8,7cm 口外径1,5cm 

 

 

 

 

 

 備前型物兎文小皿 JB0018 4枚 幕末 

 

人気の兎が、器一杯に綺麗に浮き出ている備前の

型物製豆皿の紹介です。

この皿は乾菓子やコンペー糖を受ける為に作られたと

聞いた事がある、色物を載せれば引き立つであろう。

非常に薄く軽いので、取り扱いには注意が必要です。

寸法:左右9.5cm 奥行き9.3cm H1.2p 

 ガラ―2 4枚特価 NO0016

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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