CE: 

中国の

  宋、遼、金、元時代

 

 

updated on 01/14/2007 11:42:44

2007.01.14.新規4点(計4点掲載)2022.01.21.作品解説追加。


 

 

 

北宋時代 960(979) 〜1127

 

南宋時代 1127 〜  1279

宋、遼、金、元時代の中国陶磁(960年〜1,368年)

英語で「チャイナ」とは中国であり、陶磁器を意味する。

その代表的な宋時代の陶磁器は、我々愛陶家を魅了する。

戦乱の世が平定し、民衆の安堵(あんど)は各地方ごとに、

創意をこらした個性豊かな陶芸技術を発展させた。

技術の上では、

1.        定窯の

 

 白磁

2.        景徳鎮の

 

 青白磁

3。龍泉窯。耀州窯。

 

 青磁。片切り彫り。

3.        磁州窯

 

 鉄絵。掻落とし。

4.        建窯

 

 天目釉

5.        吉州窯

 

 玳玻さん

6.        釣窯

 

 月白釉。澱青釉

7.        官窯の設立

 

 汝窯。修内司窯。哥窯。

 

等々の発明・技術革新がなされた。

 

遼時代

907年〜1,115年)

中国北部のキッタン人(遊牧民族の国、中央アジア、

西アジアの影響を受け、独特な陶器を作った。

色彩は三彩の緑釉、黄釉、褐釉、白釉、黒釉など、

胎土は黄白で、白化粧を掛け彩色した場合が多い。

 

金時代

1,115年〜1,206年)

北方民族女真族の国、1,125年遼を滅ぼし、

1,126年北宋を攻め、南宋とに分断した。

従って、耀州窯。磁州窯。定窯。等の北部に支配をした。

特殊な性格は持たず、伝統を重んじた。

 

元時代

1,271年〜1,368年)

蒙古族フビライが設立した国で、

世界の陸地の2/3を収めた時もあった。

陶磁器は全て大型となり、胎も厚く

野性的な作行きに変化した。

技術の上では、染付の発明が特筆すべきである。

 

 

日本の平安時代から鎌倉・南北朝時代に相当する陶磁器の紹介です。

 

世界の中で中国陶磁器が、一番輝いた時代と考えます。

 

古陶磁愛好家をうならせる作品の数々をお楽しみください。


 

 

 

 

いんちんばんりゅうもんにちげつこ    上質の杉箱入り

 影青蟠龍文日月壺 BK(CE)0107 金時代

11151206年)

 

胴の周りには十二支の顔に擬人化された人々が祈る姿で、

壺の中央付近を一周めぐる形態で表現されている。

元々は一対で制作され、蓋の上にある鳥の口が開いた壷が

あり、つぼめた口の鳥と左右をきめメイキとして飾る。

仏教のお経を入れた壷だとする説が日本で伝承されている

どうも中国は違う見解を示すらしい。

本体高さ57.3cm 蓋H13cm  NO0250

 

 

 

 

 高台に古い欠けあり

 

 はいかつぎ

 灰被天目小碗(ぐい呑)CE1185 南宋時代

 

 宋時代に人気があった中国「建窯」の本歌だが生焼け

(焼成温度が低いの意味)そんな出来損ないの器を当時の

茶人たちが「詫び・寂び」を見出して珍重し茶室に入れた。

灰被(ハイカツギ・ハイカブリ)と命名し大切に扱った。

 

日本人独特の感性は中国では失敗作の陶器を愛でたようだ!

御酒を注ぐと見込の黒釉の中に仄かな青味が出現する。

アルコールが進むと、まるで宇宙を飲み干すように錯覚 

そんな日本の酒徒に万歳! ()

寸法:高4,14,4p 口径9,4p 高台径3,3p

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遼白釉葫蘆瓶 CE1101  遼時代 947年〜1.234

     ころへい

 

胎土が赤褐色タイプの遼時代の陶器です、唐三彩も粘土の質が

2タイプあるように、遼の陶磁もまったく胎土の違う2タイプが知

られている。土の荒い赤色のタイプには必ず白い化粧土を

12度塗りこんで乾燥させたうえに白釉を塗る、そうしないと

赤い粘土は安定した色彩が発色しないからが理由のようだ。

遼の陶磁器は「遊牧民の契丹族」の好みに合わせ宋時代に比べ、

くだけた器形が増加してくる。釉薬も暖か味のある発色で日本人

好みといえる下部のふくらみ部の上部釉薬は安定が悪くミミズの

這ったような釉の“ちぢれ現象”を呈するが白磁一色の平凡な

色彩の中でここが見処となる?と考えるのは日本人の

“侘び寂びを重んじる感性”である、どうも特殊な民族である。

日本の平安時代に相当するこの時期にかくも安定した白磁を

焼成していたとは驚きである。

大きさもちょうど良く、障子から漏れてくる間接光だけの床に

飾れば、部屋の雰囲気がパッと華やぐ事だろう。

「ころ」とは日本の瓢箪で中国でも縁起が良い。

H31cm 最大径17.5cm 高台径8.5cm 口径3cm NO0485

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 耀州窯青磁四魚波文印花鉢 CE1212 北宋時代

 

長い年月土中にあってカセが出ていますが日本人に人気のある

“片切彫り”の茶碗サイズの物の耀州窯は研究が進んでいない

窯で、唐時代より唐三彩をはじめ 絞胎・青磁・白磁・黒釉

・黄褐釉・茶葉末など、五代時代に青磁が主流を占めたようだ

北宋時代前期、片切り彫り青磁の人気が高く注文が多くなり

この作品作りは技術と手間が掛ることより、中期頃より提示の

作品のような印花文様が始まり、金時代には印花でも大量生産

が可能な重ね焼の物が出て、耀州窯の時代区別が可能となる。

またこの頃より素文(無紋の器物)も増加し臨汝窯に波及する。

提示の作品は高台側から見ても日本人が好む釉ナダレが白色に

発色し波間に泳ぐ魚の印花文様も精美で印花の初期のタイプ

このヨモギ色に発色した青磁は侘びがあっていいですねー。

寸法:口径17,7p H約7,68cm 高台径5p 0266

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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